開運!氣になるレストラン

元銀座のホステス&開運アドバイザーの藤島佑雪が、かつての同伴その他の経験から選んだ、運氣を上げるレストランやカフェ、食堂など食のパワースポットを紹介します!

No.22  1串90円のおだんごが欲にまみれた邪気を祓う!~『大久保だんご』

3ツ星だ、日本一だ、財界人御用達だって、キラキラした枕詞がつくレストランってたくさんあるじゃないですか。わたくしも銀座や港区にある華やかなお店って大好きですし、つい目がいっちゃいますよね。

 

でもね、お食事のスケジュールをそういうとこばっかりで埋めていると、運気のバランスがちょっと崩れてくるんですよね。運はバランスがいい状態を好むのに。

 

たとえば、のお話をさせていただきます。

 

富士山と出雲大社って、特にスピリチュアルなことに関心がなくても知ってるパワースポットですよね。この2つの場所は深い結びつきがあって、春分・秋分の日に富士山頂でピカーッとなった光、いわゆるダイヤモンド富士の光が、間にある日蓮宗の霊山、山梨の七面山を抜けて、出雲大社まで伸びる‘レイライン’と呼ばれるパワースポットになっているんです。それは昼と夜の長さが同じになる。つまりは生と死、陰と陽のバランスがぴったり拮抗する日に太陽からものすごく大きなパワーをもらえる場所ということなんですが、太陽に限らず、なんでも陰と陽のバランスが半々になったときに安定して、ものごとがスムーズに運びやすくなるんです。つまりは運が開けていくと。

 

いつもいつも高級で勢いのあるひとたちでいっぱいになっている店というのは陽のパワーが強くなりすぎているんですね。そういうところは、淡々とした日常を送っているなかで、たまに行くとバランスがとれていいんですけど、毎度毎度というのはちょっとよろしくない。

 

また、そういうお店は得てして「儲けるぞ〜!」「ビッグになるぞ〜!」みたいな上昇志向の気に満ち溢れていて、それがきれいに伸びればいいんですが、ちょっと欲という邪気にまみれがちなこともあって、よし悪しなんです。

そこでバランス要員としてご紹介したいのが『大久保だんご』さん。店先に貼ってある「聖心女学いん しょとう科 2年」のお嬢ちゃんお手製のポスター(?)によれば、創業1922年。暖簾を掲げて95年になるおだんご屋さんで、イートインもできます。1串90円のおだんごをいただくと、なんと無料で緑茶がついてくるんですが、なんとなんと、たっぷりの急須サービス! すごくないですか? ここ、セレブの街、白金ですよ!

注文すると、いかにも素朴で実直で笑顔がすてきなお母さんが、店頭のショウケースからおだんごとお皿(もショウケースに保管)を出してきて、どうぞと出してくれる。その何気なさからも、ものすごく清らかないい気が放たれます。

なんていうんでしょうね。余裕。そう、「うちの家賃はこうで人件費がこうで、借金がナンボだから、コースの値段はこうで、ワインでこれだけ儲けて」みたいな、せちがらい計算をしなくてもいい、95年の歴史からくる余裕が、ものすごいエネルギーとなって、ワーッと来るひとを包んでくれるんです。高いお金をいただくからには、隙のないおもてなししなきゃ!なんて重圧から、縮こまってしまう気もない。むしろ、隙だらけだからこその豊かな気がどんどこ湧き出ている状態。そのパワーは強いけど、まるで春のそよ風のようにふんわりとした気がジワ~ッと冬に入る温泉みたいに効いてくるんです。

ほか「お赤飯」「五目寿司」なんてごはんメニューが240円〜。イートインで頼むと、これまたショウケースに並んだパコパコ容器に入ったものに、お皿を添えてサーブされます。お皿に移し替えるのはご自分で、というのが、またグッときますよね。ちなみに「みそ汁」100円。

 

どれもびっくりするほどおいしいわけではありません。が、手作りならではの実直なおいしさがあります。そして、シェフのエゴの塊のような “クリエイティブなお料理”よりもよほど清らかに輝く気がこもっています。

 

いつ来ても、値段も味もわかってるのに、何度来ても、毎回必ず感動します。ちなみに感動しているときは、よい気がグワーッと体に取り込まれているときですからね。いいんです、すごく。わたくしみたいな欲にまみれた女には。