ビッグサイズのねじねじ揚げパンと食感が楽しいサクサクパイ
中国で良く食べられているという大麻花(マーファ)「ねじねじ揚げ」。発酵した生地をねじって揚げたパンで、日本のパンより一回り大きなサイズで迫力がある。プレーンなものからあん入りまで6種類ほど用意されている。あんを1本の生地の中に包み込むのは技術がいるそうで、あんが入ったタイプがよく売れていく。
こだわりは軽い食べ心地。しっかり発酵させた生地は、揚げ油に入れてもぷかりと浮かぶほど軽い。また、揚げ油にもサラダ油を使用し、時間が経っても油っぽくならないように工夫をしている。
こちらは「ヨーグルトねじねじ揚げ」。ふわもち食感の生地に入っているのは、甘酸っぱいヨーグルトクリーム。さっぱりとしたクリームが香ばしい揚げ生地とよく合う。
大人の手ぐらいの大きさがあるパイ。このサイズもなかなか日本では見かけないサイズ。作り方は日本でよく売られているパイに近く、バターなどを使った生地を層にし、オーブンで焼いている。バターの量を控えめにしているため、あっさりとし、家で手作りしたような素朴なおいしさがある。
「糖酥餅(さくさく糖入りパイ)」は、幾重にも層になったパイの真ん中に砂糖がまぶされている。砂糖の量は控えめで、シンプルな味わいのパイ生地の良いアクセントだ。シャリシャリとした砂糖の食感も楽しい。
「ミニパイ(小小酥)」は同じパイでも少し製法が異なる。ラードと小麦で作られた皮はしっとりと柔らかく、成形した後に鉄板で焼いている。挟まれているあんは小豆、緑豆、黒ごま、栗、紫芋の5種類。あんの甘さが控えめで、ティータイムなどに供されれば、一つ二つとついつい食べ過ぎてしまいそうだ。
中華専門ベーカリーならではのスイーツも見逃せない
「劉記」ではパンのほかに揚げ餅やクッキーなどの中国菓子も販売されていて、こちらも人気が高い。ネット予約で完売してしまうという「餡入り揚げ餅」。こしあんが入った餅を香ばしく揚げている。
同店では遠方などの理由で店まで来られない人のために、パンやお菓子の通販を行っており、こちらの餅もネット予約では紫芋や緑豆などのあんのバリエーションがあるそうだ。
「作りたいパンはたくさんあるんです。でも、店の棚に並びきれなくて」と語る王さん。現在は中国北部出身のスタッフが多いため、北で作られているパンがメインだが、中国のほかの地域のパンも作っていきたいのだそう。
中国のおいしいパンを広く皆に知ってもらいたいという王さん。まだまだ奥が深い中華ベーカリーの世界。旅行気分で訪れてみてはいかがだろう。