【食べぺディア】マレーシアの伝統料理『ナシカンダール』
当たり前のように食してきたけれど詳しくは知らない定番食材や料理、流行っているのは知っているけれど実はまだ食べたことがないスイーツなど、食の世界は未知の情報で溢れている。そんなときは「食べぺディア」を読んで情報アップデート! 行きたいお店も保存しちゃおう。
ひと皿に色々なおかずが盛りだくさん! マレーシア料理「ナシカンダール」とは?
「Nasi Kandar(ナシカンダール/ナシカンダー)」とは、マレーシア・ペナン州発祥の大衆料理のこと。「Mamak(ママッ)」と呼ばれる南インド系のイスラム教徒たちが、マレーシアに渡ってきたときに作り始めたものだ。
大きな皿にライスを盛り、その上にカレーや肉料理、揚げ物、野菜の惣菜、豆の煮物などをのせた、いわゆる“ぶっかけ飯”にあたる。イスラム教徒の料理のため、牛肉、鶏肉、羊肉、シーフードは使用するが、豚肉は使わないのも特徴だ。
「ナシ」は「ご飯」を、「カンダール」は「肩に担ぐ」を意味し、かつては天秤棒のかごにご飯とおかずをのせて売り歩いたことから、ナシカンダールという名前に。ペナン州以外の地域に普及していくにつれ、南インドやマレーシア、中国の影響が混じり合い、のせる料理や食材、調味料は多様化していった。
現在は天秤棒で売り歩くことはなくなり、食堂で提供している。ナシカンダール専用のコーナーで、ずらりと並んだ料理から好きなものを選んでオーダーするのが一般的だ。食べ方は、そのまま食べても、豪快に混ぜながら食べてもOKなので、好きなように楽しもう。
日本では、今年ナシカンダール専門店の「ゼロツー ナシカンダール トーキョー」がオープンしたことで、エスニック料理好きたちから注目度が高まった。ナシカンダールを扱うアジアン食堂はまだまだ少ないが、これから増えていくことを期待したい。
【東西】本格派の「ナシカンダール」がある店
【東京】日本初のナシカンダール専門店「ゼロツー ナシカンダール トーキョー」
東京・大手町の「ゼロツー ナシカンダール トーキョー」は、日本では珍しいナシカンダール専門店。大阪で絶大な人気を集め、現在は東京に店を構える南インド料理店「ゼロワンカレーA.o.D」が、今年2月にオープンした新業態だ。
オーダー方法は、本場と同じようにカウンターに並んだメイン料理・副菜・カレーから好きなものを選んで注文。ライスの種類と量も選べる。
メイン料理は、半熟マサラエッグ・グリルチキン・ラム肉カトゥレット・フィッシュフィンガーフライ・ポテトギーローストからセレクト。メイン全種類をのせた「全部乗せ・ナシカンダール」というメニューも用意している。毎日通っても飽きの来ないおかずの種類の豊富さがうれしい。