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一人焼肉メニューはこれで決まり!
食べて納得! 横田さんが推薦する「亀八」とっておきの4品、牛タン、トントロ、牛白レバー、煮込みをご紹介。
絶妙な厚みと食感がたまらない「牛上タン塩」
横田さんのイチ押しが「牛上タン塩」。タンは牛一頭から1~2kgしか取れない希少部位。部位によって「タン下」「タン先」「タン中」「タン元」に分かれ、元にいくほど柔らかくなるのが特徴だ。
「亀八」で提供する「牛上タン塩」は、「タン元」に近い「タン中」。厚めに切っても柔らかく、適度な歯ごたえと弾力があり、牛タン好きにはたまらない。表面に軽くふってあるのは、南米ボリビアで作られたアンデスの紅塩。舌の上で溶ける速度が緩やかなため、塩味がまろやかでミネラルも豊富、タンのおいしさをより引き出してくれる。
フリート横田さん
こちらの店でまず頼むのはこのタン塩です。何も付けず塩味だけで味わうもよし、小皿にしぼったレモンを付けてもよし。厚めに切ってあるので食べごたえがあり、お酒も進みます。
フリート横田さん
牛タン好きの人には、タン先・タン下・上タン塩の食べ比べができる「牛タン盛り合わせ」もおすすめ。それぞれの食感の違いが楽しめますよ。
脂の甘味をしっかり感じる「国産トントロピリ辛ビネガー」
豚の頬から首回りにかけての肉は脂身がほとんどだが、そこにわずかにある赤身部分がトントロで、豚一頭からとれるのはわずか300~500gほどしかないそう。
このトントロを、「亀八」ならではのオリジナルの味付けで楽しめるのが「国産トントロピリ辛ビネガー」だ。トントロは輸入ものを使用する店も多いそうだが、「輸入ものは脂がくどいので、うちでは千葉などの国産にこだわっています。国産は脂がしつこくなく、さっぱりしているのが特徴です」と石井さん。
フリート横田さん
お店の人に薦められて味わってみたメニューです。トントロは脂っこいかなという先入観がありましたが、さっぱりしたなかに脂の甘味が感じられ、あまりのおいしさに驚きました。特製だれのピリ辛ビネガーで味わうのは「亀八」さんのオリジナルです。
このトントロをよりおいしく味わうために考案されたのがピリ辛ビネガー。酢、青唐辛子、柚子胡椒などが使われ、ピリ辛というほど辛すぎず、食べやすい辛さに仕上げてあり、ツンとした酸味はなくまろやか。酢でトントロをさっぱりさせつつも、脂の甘味をしっかり楽しむことができる。
フリート横田さん
このビネガーで味わうと、トントロがとてもさっぱりいただけます。脂の甘味も十分に感じられ、いくらでも食べられそうなおいしさ。繊維を切るように隠し包丁が入れられているので柔らかく、とても食べやすいですよ。
切り口と色が新鮮な証!「和牛の白レバー」
レギュラーメニューではないが、上物が入った日の黒板メニューに登場するのが「和牛の白レバー」だ。まずカットされたこの状態をご覧いただきたい。切り落とされた断面の角の鋭さは、鮮度が抜群によい証。焼くのがもったいないような美しさだ。
そして色にもご注目。「牛白レバーにはばらつきがあり、和牛の本当にいいものは、浅い赤や灰色がかった赤色のものが新鮮で脂のりがいい証拠です。ホルスタイン牛と和牛を掛け合わせた、いわゆる交雑種のレバーは、もっと濃い赤色をしています」
フリート横田さん
「亀八」さんを訪れて、「和牛の白レバー」に出合えたらとてもラッキー。価格も実に良心的、迷わずオーダーをおすすめします。
レバーは生食厳禁な一方で、焼きすぎると食感がボソボソしてしまうだけに、焼き方が難しい部位でもある。弱火かロースターの火が弱い位置にのせ、少しずつ中に火が通るよう慎重に焼くのがコツ。そうすることで焼けた表面と中の柔らかな食感の両方が楽しめる。
フリート横田さん
白レバー自体が新鮮なので、くさみなどはまったくありません。すりおろしニンニクと生姜の薬味、ごま油塩でシンプルにいただくことで、上質な白レバーのうまみを味わえますよ。
その味わいにほっこりする「牛すじともつの煮込み」
牛すじ煮込みともつ煮込み、どちらもそれだけで十分成り立つ料理だが、そこはホルモン系焼肉店「亀八」。一度に両方味わえる「牛すじともつの煮込み」を提供し、人気メニューとなっている。うまみの素となるのは煮込むことでいい味が出る牛すじ。どこか懐かしい味わいは、お酒や白ご飯との相性も抜群だ。
フリート横田さん
とろけるような口当たりの牛すじはもちろん、うまみをたっぷり吸い込んだ大根も絶品です。もつのプリプリ感もいいですね。
このままずっと、変わることなくあり続けてほしい
創業時から変わらないレトロでアットホームな雰囲気のなか、鮮度にこだわった焼肉をリーズナブルに楽しめる「亀八」。気さくでテキパキしたスタッフへの評価も高く、地元民にも人気があるのもうなずける。18〜19時には満席になることも多いので、開店と同時に入店するか予約するのがいいだろう。
いつまでも変わることなく、そのままの姿でここにあり続けてほしい、隠れた昭和の大衆酒場。その味と居心地のよさを体感しに、ぜひ足を運んでみてほしい。