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平成のとんかつ黄金時代到来！とんかつ３名士が語る、いま注目の5軒
出典：サプレマシーさん
いまうまいものを食べるなら、このお店。食べログが各ジャンルの中でオススメの100店をまとめた「百名店」。今回のテーマは「とんかつ」。とんかつブームの火付役とも言える「東京とんかつ会議」のメンバー、山本益博さん、マッキー牧元さん、河田剛さんの3名に、独自の鋭い視点から百名店の分析と、とんかつへの愛について熱く語っていただきました。
メンバー紹介
（左）マッキー牧元・タベアルキスト：「味の手帖」の編集顧問を務める傍ら、立ち食いそばからフレンチ、スイーツまで様々なグルメを食べ歩く、人呼んで“人間グルメマップ”。『東京最高のレストラン2017』（共著、ぴあ）などを出版。
（真ん中）山本 益博・料理評論家：「東京・味グランプリ」をはじめとした料理評論の傍ら、料理人とのコラボによるイベントも企画。職人仕事の著書も多数。『鮨 すきやばし次郎』（小学館）などの監修も。
（右）河田 剛・グルメアナリスト：大手証券会社の調査業務に携わる傍らで続けて来た食べ歩きの趣味が高じ『ラーメンの経済学』（KADOKAWA）を上梓。調理の背景や流通に至るまで多岐にわたる視点で料理への鋭い洞察を見せる。
百名店で行くべき注目のお店
東京の美味しいとんかつ
出典：ハナコタの父さん
河田、以下・河：東京のとんかつを語る上で欠かせない存在はやはり神田にある「とんかつ・豚しゃぶ ポンチ軒」でしょう。どの要素も欠点がなくバランスと完成度の高いとんかつです。
山本、以下・山：とんかつに必要な豚肉、油、パン粉、キャベツなどの要素を徹底的に研究しており、「揚げの技術」も最高峰。細部まで抜かりのないお店です。
牧元、以下・牧：ポンチ軒は何を食べても美味しい。定番の昼の「ロース豚かつ定食」はもちろん、肉の甘い香りに満ちた「ヒレの一本揚げ（夜のみ）」も必須のアイテム。
わざわざ食べに行きたい地方のとんかつ
出典：moto984さん
山：百名店リストの地方のお店の中で、この三人が揃ってわざわざ新幹線に乗ってまで食べに行きたいと思うのは、愛知県名古屋市にある「とんかつあさくら」なんじゃないかな。
河：そうですね。東京にいるとたいていのジャンルのとんかつは食べられますが 「あさくら」のとんかつは東京では食べられない。だからこそ行く価値があるんですよね。
牧：住宅街のど真ん中で非常に交通が不便な場所にあるのに、いつも行列で人気が絶えない。何かすごく特色を出そうとしているわけではなく、シンプルなんだけど唯一無二の独特の味わいがある。
山：まさに、あさくらのとんかつは変化球なしの直球ストレート。何にも余計なことをしていなくて、一番スタンダードをやろうとしている。ただいつ行っても、誰が食べても、みんなが高評価をする極めて稀なお店。
河：魅力は何と言っても、あの「繊細さ」でしょうか。
山：とてもデリケートですよね。香ばしいパン粉で丁寧に蒸し揚げされていて、とんかつの理屈に一番合ったような仕事をしている。「豚肉が美味しいなあ」と実感させてくれる素晴らしいとんかつです。
個性が強い地方のとんかつ
出典：毎日外食グルメ豚さん
河：百名店リストで地方でランクインしているお店は「特色が強くて、他とはちょっと変わったとんかつ」を出すお店が多い印象です。とんかつは東京一極集中型の傾向にあるので、わざわざその土地まで行って食べようと思わせる動機付けが、その個性に出て来ているのかもしれませんね。
牧：まさに、大阪の八尾にある「とんかつ マンジェ」はその代表ですね。今一番入れないとんかつ屋さんじゃないでしょうか。朝の5時から行っても2,3時間ほど待つくらいの人気っぷり。
河：幻の豚「TOKYO-X」を使用し、トリュフ塩に付けて食べるという斬新な「変わりとんかつ」が話題を呼んでいますよね。
牧：京都にある「とんかつ山本」も、夜は高級なお店に変身する少し特殊なとんかつ屋さん。お昼のランチはリーズナブルですが、夜は割烹並みの価格帯になるので要注意ですよ（笑）。
とんかつの名脇役
出典：サプレマシーさん
河：ただ、百名店リストの中にはもちろん昔ながらのお仕事を忠実に再現している池上の「とんかつ燕楽」などの老舗もありますね。とんかつはただお肉が美味しいだけじゃなくて、周りのキャベツやご飯、お味噌汁、お新香など全てのトータルバランスも大事です。
マ：キャベツを切り置きせず注文ごとに切っているお店は誠実さが感じられます。当たり前のような仕事ですが、意外に手間暇がかかって中々できないことですから。この系列のお店は良い仕事をしているお店が多いです。
山：「とんかつ燕楽」は、とんかつを頼んで待っていると「トントントントン」とキャベツの千切りをしているリズミカルな音が聞こえてくる。「美味しいのが食べられるんだろうな」という期待感が高まりますし、そういうお店は実際のところお肉も最高に美味しいんです。まさに名人仕事ですね。
次回は百名店リストからみるとんかつの最新トレンドを徹底分析！
以上、とんかつ会議メンバーの御三方に「とんかつ百名店」リストの中から今行くべき全国のとんかつの名店をご紹介いただきました。次回は、百名店リストをもとにとんかつのトレンドや市場を徹底分析していただきます。乞うご期待！
撮影：大谷次郎
取材・文：アキレウス
