焼うどん発祥の地・小倉
戦後食料難の時代に、焼きそば用の麺が手に入らず、“乾麺”のうどんで代用したのが始まりとされる小倉発祥の「焼うどん」。昔懐かしい定番の味から、多種多様な進化系まで、発祥の地ならではのバラエティーに富んだ焼うどんを、ご堪能あれ!
1. デパート屋上の思い出の味|ビオレ
北九州市で創業八十余年になる老舗百貨店の小倉井筒屋。その最上階・9階屋上へと続く通路沿いにあるのが、昭和レトロなお好みスタンド「ビオレ」です。現在はローズガーデンになっている屋上ですが、昔は子ども用のプレイランドがあり、ここで遊んだ楽しい記憶と共に同店の味を思い出す“小倉っ子”も多いのではないでしょうか。
コの字形のカウンターと大きな鉄板。メニューは焼きそば、焼うどん、お好み焼きなどの粉ものや、チキンライスやオムライスなど。ライス・ドリンク付のセットや、麺類+お好み焼きのセットもあり、安くてボリューム満点なのが魅力。なかでも“井筒屋名物”と謳われた、焼きそばを卵で包んだ「オムチャーメン」650円は、人気メニューです。
そして「焼きうどん」600円は、モチッとした特注麺に、3種をブレンドした甘辛ソースで味付けした香ばしい一皿。その懐かしい味わいを求めて、4世代で通うファンもいるのだとか。昭和56年の創業以来、約半世紀、昔ながらの味を守り続けているお店です。