福岡県の和菓子〈饅頭編〉

福岡で人気のお土産菓子と言えば、さまざまなランキングで何度も1位に輝いている、明月堂の「博多通りもん」。クリーミーなあんこと、やわらかい生地にとろけてしまいます。お土産とは言いつつ、自分用にもついつい買ってしまうほど。他にも「千鳥饅頭」や「ひよ子」など、福岡のお土産菓子には饅頭がたくさん。実は福岡、何を隠そう饅頭大国なんです! 今回は、そんな福岡のおいしい饅頭事情をお届けします。

1. やめられない! 大牟田名物【草木饅頭】

まず紹介したいのが、大牟田名物「草木饅頭(くさきまんじゅう)」。黒糖生地の茶色の皮の中には白あんが入っていて、しっとりふわっとした軽い食感と小ぶりなサイズでとても食べやすく、ついつい手が伸びてしまいます。

黒田家の「草木饅頭」49円

草木饅頭を販売しているのは、どちらも大正3年に創業した歴史あるお店です。「黒田家」の草木饅頭は、鉄道員だった初代が各地の名物饅頭を食べる中で「自分もおいしい饅頭を作りたい!」と思ったのをきっかけに、1年かけて研究して誕生。最初は身内に配っていたものが町に広がり、お店を創業。「草木においしい饅頭がある!」と評判を呼び、人気になったのだそう。そしていつしか「草木饅頭」と呼ばれるようになりました。

江口栄商店の「草木饅頭」49円

黒田家の草木饅頭はふわっとした軽めの食感、もう一軒の「江口栄商店」の草木饅頭は水分量を感じるしっとりとした食感が特徴です。

PRIDE.
黒田家   出典:PRIDE.さん

黒田家ではチョコバナナや紫芋、抹茶などいろいろな味の饅頭が販売されています。一方、江口栄商店では草木饅頭1種類。こちらは現在も手作りで製造されています。どちらのお店もそれぞれおいしいので、ぜひ食べ比べてみてください。

2. 長崎名物のカステラが饅頭に?【かすてら饅頭】

もう一つ、大牟田で名物となっているのが「かすてら饅頭」。有名な「千鳥饅頭」とも似ているようですが、千鳥饅頭は丸ぼうろにあんこを詰めたものとして誕生しました。一方、かすてら饅頭は長崎に修行に行った「菊水堂」の初代が、このカステラの生地で饅頭を作ってみたらどうだろう?という発想から誕生しました。

ツヤツヤな表面が美しい菊水堂の「元祖かすてら饅頭」100円

菊水堂のかすてら饅頭の特徴は香り高いところ。ふわ〜っと漂う甘い香りに食べる前から笑顔になってしまいます。

二軒目は「菓舗 だいふく」の「かすてーら饅頭」。大きなサイズもあるかすてら饅頭は、パン屋も併設されていているためか、ふかふかの生地を楽しむことができます。そして、大福が大好きな私は、この「だいふく」というお店の名前にも惹かれました!

たっぷりの白あんが詰まった菓舗 だいふくの「かすてーら饅頭」162円

大牟田市内には和菓子屋がたくさんあり、どのお店でも個性あふれるかすてら饅頭を販売しています。お気に入りのかすてら饅頭を探してみてくださいね。