福岡県の和菓子〈饅頭編〉
福岡で人気のお土産菓子と言えば、さまざまなランキングで何度も1位に輝いている、明月堂の「博多通りもん」。クリーミーなあんこと、やわらかい生地にとろけてしまいます。お土産とは言いつつ、自分用にもついつい買ってしまうほど。他にも「千鳥饅頭」や「ひよ子」など、福岡のお土産菓子には饅頭がたくさん。実は福岡、何を隠そう饅頭大国なんです! 今回は、そんな福岡のおいしい饅頭事情をお届けします。
1. やめられない! 大牟田名物【草木饅頭】
まず紹介したいのが、大牟田名物「草木饅頭(くさきまんじゅう)」。黒糖生地の茶色の皮の中には白あんが入っていて、しっとりふわっとした軽い食感と小ぶりなサイズでとても食べやすく、ついつい手が伸びてしまいます。

草木饅頭を販売しているのは、どちらも大正3年に創業した歴史あるお店です。「黒田家」の草木饅頭は、鉄道員だった初代が各地の名物饅頭を食べる中で「自分もおいしい饅頭を作りたい!」と思ったのをきっかけに、1年かけて研究して誕生。最初は身内に配っていたものが町に広がり、お店を創業。「草木においしい饅頭がある!」と評判を呼び、人気になったのだそう。そしていつしか「草木饅頭」と呼ばれるようになりました。

黒田家の草木饅頭はふわっとした軽めの食感、もう一軒の「江口栄商店」の草木饅頭は水分量を感じるしっとりとした食感が特徴です。

黒田家ではチョコバナナや紫芋、抹茶などいろいろな味の饅頭が販売されています。一方、江口栄商店では草木饅頭1種類。こちらは現在も手作りで製造されています。どちらのお店もそれぞれおいしいので、ぜひ食べ比べてみてください。