3. これを食べたらお金持ち!? 直方名物【成金饅頭】

直方の名物「成金饅頭」。饅頭と言いながらもその姿はまるでどら焼き。ただ、大きく異なるのは、中に入っているのがうずら豆を使った白あんということです。

成金饅頭が生まれたのは明治時代。日露戦争で物価が上がると見込んだ青年がうずら豆をたくさん買い付けたものの、購入した直後に日露戦争が終わってしまい、大量のうずら豆が余ってしまいました。そこでうずら豆を使ったお菓子を発案して売り出したところ、大当たり。「成金饅頭」と命名された経緯は不明だそうですが、当時の直方は炭鉱の町として栄えており、財を成した「成金さん」にちなんで名付けられた、などの説があります。

まとやの「成金饅頭」中180円、小130円

「まとや」は老舗「菓舗四宮(しのみや)」の事業と従業員を受け継いだお店。かわいらしい、今の時代にぴったりのデザインに生まれ変わりました。成金饅頭はもちろんのこと、成金饅頭をアレンジしたおしゃれかつ、地元のものを使った商品も販売されておりギフトにもおすすめです。

旅浪漫
大石本家の「成金饅頭(小)」173円   出典:旅浪漫さん

また、昔ながらのスタイルで販売を続けているのが「大石本家」。饅頭の表面に大きなねじり梅の焼印が押してあるのが特徴です。20〜30cmのサイズが一般的で、大きなものになると50cm、重さはなんと3kgのものもあるんだそう!!! 食べやすい小さなサイズ(と言っても通常のどら焼き程度)もあるので安心してください。

4. 縁起のいい饅頭【栗饅頭】

福岡・北九州のお土産と言えば「湖月堂」の「栗饅頭」が有名です。栗の産地でもないのになぜ栗……? 同店は明治28年、炭鉱や日清戦争の活気溢れる小倉で、創業したお店です。正月のお祝いに使われ、縁起が良いと言われた勝栗を饅頭の中に入れたのをきっかけに誕生したのが栗饅頭でした。

湖月堂の「栗饅頭」108円

白あんに刻んだ栗が練り込まれていて、もう一個食べたいな、と思えるちょうどいいサイズ感の栗饅頭。大きな栗が丸ごと入った「一つ栗」もおすすめです。

「一つ栗」 出典:ingridbさん

本店の喫茶では、あんみつやパフェなどの甘味をはじめ食事もでき、いつも行列ができています。

ちなみに「博多の女」や「博多ぽてと」で有名な「二鶴堂」でも、創業当時から栗饅頭が販売されています。とてもボリューミーで食べ応えがあります。

5. まるで洋菓子!?【蹴洞(けほぎ)】

「隆勝堂」は大正13年に創業した、お茶処・八女にある老舗菓子店。そんな同店の名物は「蹴洞(けほぎ)」という饅頭。パワースポットとして知られている蹴洞岩にちなんで作られました。変わった名前に加え、他にはない珍しい饅頭です。

「蹴洞(けほぎ)」

というのも、中にはなめらかでコクのある黄身餡、外側の生地はバターとピーナッツバターをたっぷり使ったサクサクの生地で、まるで洋菓子のよう。

「御茶萬(おちゃまん)」

そして、八女の抹茶がたっぷり使われた「御茶萬(おちゃまん)」もおすすめ。1週間以上寝かせた、星野抹茶を練り込んだ生地はしっとりとなめらか。日持ちがするので、ギフトにもぴったりです。

教えてくれた人

せせなおこ

福岡出身。あんこが大好きな和菓子女子。和菓子を好きになったきっかけはおばあちゃんと作ったおはぎ。小さな和菓子に日本の文化や歴史が反映されていることに魅力を感じ、和菓子を発信すべくライターやコーディネーターとして活動中。和菓子メディア「せせ日和」も運営。https://sesebiyori.com/

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写真:せせなおこ 文:せせなおこ、食べログマガジン編集部