大規模な再開発にともない、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため、「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう! というこの連載。

[新]編14回目となる今回は、大人の“映え”を楽しめる渋谷の新カフェスポット「京都 茶寮翠泉 渋谷パルコ店」をご案内します。

【大人の渋谷メシ・新編】第14回「京都 茶寮翠泉 渋谷パルコ店」

今回は今年3月に渋谷パルコにできた、京都発・宇治抹茶の本格和カフェ「京都 茶寮翠泉 渋谷パルコ店」を紹介します。

場所は渋谷公園通り、渋谷パルコ地下1階。様々な飲食店が集まる「CHAOS KITCHEN」。

京都 四条烏丸から徒歩7分のところに本店を構える人気の和カフェ「茶寮翠泉」が、東京2号店として新宿に続いてオープンさせたのがこちら。入り口からしてPOPなパルコと、和風喫茶という組み合わせの意外性が、実に渋谷らしくて面白いです。

「京都宇治お抹茶 泉東の昔(抹茶三笠付)」

なにはともあれ、まずはお茶をしっかり楽しめる「京都宇治お抹茶 泉東の昔(抹茶三笠付)」880円を注文。点(た)てたばかりの抹茶は、見るからにクリーミーできめ細かい泡が実においしそう。

お茶の正しい作法は分かりませんが、なんとなくこんな感じだったかな?というイメージで器を持ち口に運ぶと、ふんわりとお茶の良い香りがしてきます。

京都の本店で使っているものと同じ宇治抹茶「泉東の昔」は、甘みと渋み、柔らかい香気が特徴。口当たりは優しいですが、どっしりした旨味を感じます。希望すれば、自分でお茶を点てることもできるということで、せっかくなので挑戦してみます。

粉末の抹茶にお湯、茶筅(ちゃせん)を使って、抹茶点て体験がスタート。

茶筅でmの字を書くように素早く混ぜるのがコツ!(直前にwebで見た情報ですが……)

これがなかなか難しくて、お店の人が点ててくれたようなきめ細かい泡にはなりませんが、自分で点てた抹茶もなかなかの味わい(元の茶葉が高級だからでしょう)。

都会のど真ん中、渋谷でゆったりとお茶体験ができるなんて実に優雅。味をとるか、体験をとるか、それが問題です。さらにお茶を使ったスイーツもたくさん。

「茶寮翠泉パフェ 玉露ほうじ茶味」

「茶寮翠泉パフェ 玉露ほうじ茶味」1,380円は、玉露ほうじ茶ソフトクリーム、もちもち抹茶三笠、抹茶のサクロール(抹茶のロールクッキー)、あずき、白玉、ほうじ茶フリアン(ほうじ茶の焼き菓子)、わらび餅、黒糖ゼリー、寒天、ほうじ茶パウンドケーキと、これでもか! とばかりにお店のスイーツが勢揃いした豪華パフェ。

これだけ色々なスイーツが入っていても、一つ一つの味がお茶ベースでさっぱりしているので、全然くどさがありません。学生向けの映えるスイーツも沢山ある渋谷ですが、これは大人も楽しめる一品です!

さらに大人でもついキュンとしてしまう、映えすぎる抹茶ドリンクを注文。

「お濃い抹茶ラテ3Dアート」

その名も「お濃い抹茶ラテ3Dアート」780円。なんだ、この可愛さは!!

どのくらい3Dなのか、違う角度のショットも。

尻尾がもこっとしている!

老若男女問わず、思わずほっこりしてしまう3Dラテ。可愛い見た目とは裏腹に、味は宇治の抹茶を使った本格派で「お濃い」というネーミング通り、抹茶の旨味や良い渋味がしっかり利いています。

今回はウサギで作ってもらいましたが、ほかにはクマやネコなどのキャラでも作ってくれるとのこと。

※ あまり複雑なものは対応できないので、欲張りすぎないようにしましょう!

最後はさらに映えること間違いなしの、特別な一品。「生しぼりお濃い抹茶モンブラン」1,650円。

メレンゲ、クリーム、ケーキ生地が盛られたお皿が、なにやら大掛かりな機械にのって運ばれてきます。こちらのモンブランは、お客さんの目の前で仕上げられる一品。

上部のレバーを操作すると、

抹茶を使ったクリームが、にゅるりと出てきます!

直径1mmの穴から押し出された抹茶クリームがお皿いっぱいに広がります。

見るからにおいしそう!

さらに上から、トリュフのように高級渋皮栗を削って振りかけます。

「生しぼりお濃い抹茶モンブラン」

渋皮栗を半分削って、残り半分を頂上にのせて完成! 見るからに滑らかなクリーム部分は、余計な材料は一切使わずに、宇治抹茶と栗のペーストをひたすら混ぜて裏漉ししたものに、和三盆で甘みをつけただけの自然な味わいが特徴。

一口食べて驚くのは、甘さより先に、わずかな塩味を感じるところ! 聞けば、クリームに隠し味として雪塩(極めて細かいパウダー状のお塩)を加えているという。塩味が先にくることで、栗と和三盆の自然な甘さをより感じることできるんだそう。

ただ甘いだけじゃない、塩味や素材そのものの味にこだわった、まさに大人のスイーツ! 若者の街渋谷に誕生した大人も楽しめる新たな甘味処で、ゆったりとした時間を過ごしてみるのも、渋谷の新しい楽しみ方じゃないでしょうか!

※価格はすべて税込

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2021年6月2日)時点の情報をもとに作成しています。

取材・文:小宮山雄飛

撮影:GENIUS AT WORK