大規模な再開発にともない、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため、「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう! というこの連載。

[定番]編11回目となる今回は、パン好きの熱い支持を集める渋谷のブーランジュリー「VIRON 渋谷店」をご案内します。

【大人の渋谷メシ・定番編】第11回「VIRON 渋谷店」(ヴィロン)

渋谷でおいしいサンドウィッチを食べたかったら、迷わず向かうべきが「VIRON 渋谷店」。パン好きなら誰もが認めるブーランジュリーですが、パンそのものはもちろんのこと、サンドウィッチがまた絶品なのです!

ビル1階の入り口。ここだけがパリのよう
ショーケースにはおいしそうなサンドウィッチが並ぶ

しかし、VIRONのサンドウィッチを食べようと思ったら、それなりの覚悟が必要。開店から行列ができることもあり、種類によっては早々に売り切れることもあるので、早めに訪れるのがおすすめ。(この日も午前10時の時点ですでに売り切れの商品もちらほら……)

サンドウィッチはすべて焼き立てのバゲットを使って店内で調理

こちらのバゲットは前日から18時間かけて発酵させ、その日の朝に焼き上げるフランスの伝統製法で作られている。手間がかかる分、小麦粉のおいしさを最大限に引き出せるのだとか。

そんなおいしいバケットを使ったVIRONのサンドウィッチ、今回は特別にお店の方におすすめの5種類を選んでもらいました!

【その1】「ジャンボンドバイヨンヌ・コルニッション」(ピエール・オテイザの生ハム・ピクルス・バター)

「ジャンボンドバイヨンヌ・コルニッション」(ピエール・オテイザの生ハム・ピクルス・バター)

絶滅の危機に瀕していた“キントア豚”と呼ばれるフランス・バスクの自豚を保護し、復活させた第一人者として知られるピエール・オテイザ氏。そんなオテイザ氏が飼育した三元豚をバスク地方の気候を生かした乾燥熟成で作った生ハムにピクルスを合わせたサンドウィッチ。

バゲットの小麦の味と生ハムの塩味の組み合わせは、シンプルだからこそ、それぞれの素材の奥深い旨味を感じます。そこへピクルスの酸味が加わり、これはワインを飲まずにいられない、大人のサンドウィッチ!

【その2】「ジャンボン・フロマージュ」(ピエール・オテイザのハム・コンテチーズ〈エクストラ〉・バター)

「ジャンボン・フロマージュ」(ピエール・オテイザのハム・コンテチーズ(エクストラ)・バター)

同じくピエール・オテイザ氏のハムにコンテチーズを合わせたサンドウィッチ。フランスの材料にこだわるVIRONですが、バターは吟味した上で国産・よつ葉乳業の無塩バターを使用。かなり固い食感が特徴のVIRONのバゲットと、ハムとチーズというドライな組み合わせに、無塩バターがしっとり感を加えて、これまた最強の組み合わせです。

【その3】「プーレロティ」(自家製ローストチキンのディジョンマヨネーズ和え・キャロットラペ・バター)

「プーレロティ」(自家製ローストチキンのディジョンマヨネーズ和え・キャロットラペ・バター)

具沢山がうれしい「プーレロティ」は、ローストチキンの味わいもさることながら、キャロットラペの程よい甘さと酸味が硬派なバゲットと好対照で、口の中に様々なおいしさが広がります。見た目もきれいで、パーティーなどのお土産に持っていけば喜ばれること間違いなし!

【その4】「サンドウィッチ・モッツァレラ」 (モッツァレラチーズ・フルーツトマト・フレッシュバジル)

「サンドウィッチ・モッツァレラ」(モッツァレラチーズ・フルーツトマト・フレッシュバジル)

「サンドウィッチ・モッツァレラ」 は、売り切れ必至の人気の一品。一口かぶりつくと、まるでモッツァレラとトマトのサラダをそのまま食べているかのような存在感! 土台となるバゲットが、味も食感もしっかりしているからこそ、これだけフレッシュで味のある具を受け止められるのでしょう。もはや完成された一品料理といった満足感です。

そして最後は再びシンプルな一品。

【その5】「ジェズ・デュ・ペイ・バスク・レトロドール」(バスク・キントア豚サラミ・バター・レトロドールオリジナルバンズ)

「ジェズ・デュ・ペイ・バスク・レトロドール」(バスク・キントア豚サラミ・バター・レトロドールオリジナルバンズ)

先に紹介した、オテイザ氏が復活させたキントア豚のサラミをふんだんに使った「ジェズ・デュ・ペイ・バスク・レトロドール」。

小さいサイズのバンズからはみ出るサラミ!

小麦の香り・キントア豚の塩味と脂の旨味・バターの風味、それぞれがしっかりと存在しながら、サンドウィッチとして見事に組み合わさっています。

VIRONのサンドウィッチは、土台となるバゲットのおいしさはもちろんのこと、具材の一つ一つの旨味がすごいので、どれも余計な味付け無しのシンプルな構成でめちゃくちゃおいしいのでしょう。

まさに究極のバゲットサンド! 皆さんも渋谷にお越しの際はお土産にもぜひ。

※価格はすべて税抜

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※本記事は取材日(2021年3月1日)時点の情報をもとに作成しています。

取材・文:小宮山雄飛

撮影:GENIUS AT WORK