ファッション誌や広告、アパレルブランド「idem(イデム)」をディレクションするモデル・村田倫子。お酒好きを公言する彼女が気になる飲み屋を調査しパトロールする連載。「同世代の人にもっと外食、外飲みを楽しんで欲しい!」と願いを込めてお送りする連載32回目は、200種類以上の日本酒がリーズナブルに味わえると評判の「蕎麦と日本酒 八福寿家 恵比寿店」をパトロール。
呑み屋パトロール vol.32「大好きな日本酒とそばで、今年一年頑張った自分を労おう」の巻
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/F0AF19D2-7AAF-4694-9332-7278E2A0A033-1024x768.jpeg)
さて、今年も残り僅かですね。なんだか覚束ない印象の2020年。すぐ隣の人の温度を改めて愛おしく、大事に思えたそんな日々。きっと、さまざまな障害に辛抱強く耐えた人が多かったはず。そんな今年の締め括りには、今日までの日々を紡いだ私とあなたにご褒美を。一年の最後くらい、自分を存分に甘やかそう。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/B5A894CC-4128-4E08-A367-60D1883F9231-1024x768.jpeg)
さて、私のご褒美とくれば、大好物の日本酒。 200種以上の日本酒たちに心置きなくどっぷり浸かれる、都内の楽園「蕎麦と日本酒 八福寿家 恵比寿店」へ。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/63AF9F46-9C24-47B0-B80D-7765F494634F-1024x768.jpeg)
日本酒のラインアップ200種以上は恵比寿一の品揃えだとか。しかもそれらの飲み放題コース(2時間・3,000円)も完備。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/B568B1E4-DA8A-49BF-BD1B-7F9A418A25E8-1024x768.jpeg)
品質管理と提供技術の高さが認められたお店だけで飲める「パーフェクトエビス」など生ビールも含め、本格焼酎、1合900円までの日本酒が飲み放題なのだ。人気銘柄の日本酒が楽しめる飲み放題はなかなかないので、有難い。ここら辺の相場ではあり得ないような価格で、人気の、そして珍しい日本酒とも出合える。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/243C4E3F-ACBE-4686-805D-7A1C8F2E6ED5-1024x768.jpeg)
純米酒にこだわり、全国各地から200種以上を常備した品揃えは圧倒的だ。どの子をチョイスすればいいのかお悩みのそこのあなた、ご安心あれ。日本酒専用のメニューリスト「さけぼん」が卓上の強い味方。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/39D22E27-5EA5-4B4C-9CF3-00F55C67DFB9-1024x768.jpeg)
初心者にも優しく、丁寧に日本酒をレクチャーしてくれる最高の参考書。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/970491C0-0944-4333-8989-4D847A23D40D.jpeg)
乾杯は、真っ赤に燃えるようなエチケットが印象的な「而今 純米吟醸 朝日」一合 1,200円。かなり希少な「而今」だ。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/003E9073-30C5-4688-9877-FE5CC4D6FF4E.jpeg)
ちょっとこの子が一合で1,200円ってどうゆうこと? 一合だよね、グラスじゃないよね? まるで、レアポケモンをモンスターボールひとつ投げで易々とゲットしちゃった気分。あまりに良心的すぎて自分の目を疑うレベルだ。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/F86BD8DB-25A9-4FD3-8FFB-AB0086432D32.jpeg)
瑞々しくフルーティー、そしてキレのある酸と心地よい苦味がたまらない。 乾杯からなんて贅沢なのだろう。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/DE1EBA84-F424-400F-ADAC-410628574127.jpeg)
そしてやってきたのは、「自分で作るおまかせ炙り焼きセット~3種盛り」820円。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/F9A2E409-929B-48AE-94A4-234630505221.jpeg)
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/451B61EC-E083-4D28-B2ED-137BEB44EE34.jpeg)
本日の海の幸は「しまあじ」「ホタルイカ」「ウルメイワシ」。そんな3種と共に運ばれてきたのは、炭火のミニコンロ。セルフで炙りを楽しむユニークなおもてなし。卓上で自分好みの具合に焼き上げる。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/ED54977F-9688-497B-B8F0-99ADF07D1546.jpeg)
立ち上る香ばしい香りもお酒もお供に。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/F160D607-2629-4561-9334-9925E881F4B2.jpeg)
「日本酒にピッタリだよ」と、店長の一押しと聞いて頼んだのは「野菜スティック」680円。
生野菜? あまりこの子との相性の良さは感じたことはないけど、秘密は付け合わせの味噌にあり。 鰹節、葱、秘伝のあれこれ……丁寧に煮詰めてお店で調合したオリジナルの味噌。日本酒推しの厨房で錬金術的に生まれたそれは、びっくりするくらいお酒が進む。マヨネーズと混ぜ合わせてディップしたらもう……、危険なおいしさ。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/FE58FAA8-D846-485F-9FB1-5822FB5C0747.jpeg)
続いて「蕎麦屋の“だし”巻き卵」680円。そば屋には、自慢の“だし”がある。 二種類の鰹節から丁寧に丁寧に取っただしに、ざる汁という蕎麦のつけ汁を合わせた秘伝の種。そんな魔法を卵に絡ませて、空気をたっぷり含んだフカフカのだし巻。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/7A528B8F-D9EC-48EC-B0FC-767DE0BF7E36.jpeg)
とろっとふわっと、幸せな口当たりにくらり。重なる上品なだしの旨味に更にとろける。 この辺でもう一杯。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/BD6A0B87-C589-413C-B902-1DDF6B732464.jpeg)
「會津宮泉 純米酒」180ml 800円。旨味と酸味がバランスよく、キリリとしたキレのある後味。クリアな風味なので、どんな料理とも仲良く手を繋ぐ。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/948D9E39-0FB5-4B8F-AC33-E9729636EA8B.jpeg)
予想よりも迫力のビジュアルでやってきた、新潟が誇るご当地グルメ「栃尾揚げ」740円。一般的な油揚げの約3倍の大きさがあることから、「栃尾の油揚げ」とも呼ばれている。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/42CFF79A-2069-49E6-A57A-C3D4474BC2B3.jpeg)
サクサクで食べごたえのある厚揚げと、食感と香りを引き立てる香味が、お腹の調子もリズム良くテンポアップさせる。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/DEE4BF25-3E8A-47E2-BB68-5A06B1C24B5D.jpeg)
テリッとツヤッな輝きを纏ってやってきたのは、大吟醸の酒粕と自家製味噌を合わせた酒粕味噌にじっくり漬け込んだ「ハーブ豚」1,280円。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/FB377CCB-9E50-4B57-B33C-E9F88B7B0F7E.jpeg)
柔らかでしなやかな身、じゅわんと染み込んだ甘味がたまらない。高貴な生姜焼きがあるならば、きっとこんな感じ。これを丼にしたら、ご飯は何杯進むことだろう……。お米が恋しくなる罪なお肉ね。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/28B1D111-33CD-4362-8FDD-75487F1718FA.jpeg)
旨味がしっかりしたこの子には、フレッシュで豊かな香りとスイートな味わいがとろけ合う「KURO KABUTO」180ml 800円との相性が抜群に良い。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/F0AF19D2-7AAF-4694-9332-7278E2A0A033-1024x768.jpeg)
料理に合わせてワインのペアリングのように日本酒を楽しめるのも、ここ八福寿家の醍醐味。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/0FDF99B2-C330-4690-8CBF-85C431AC5723.jpeg)
さて、〆にはやっぱりそば。自慢のおだしと、北海道空知産のそば粉を使用したこだわりの一品は、常連さんからも人気の高い「おろし納豆そば」1,180円でいただこう。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/417C3913-0B00-4C3F-B3BE-847FA0D33637.jpeg)
腰のあるしなやかな麺、絡まり纏う具材たち。十分満足したはずの胃袋に、つるりと流れて心地よい。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/DC51D457-BAC8-410D-B920-F6960A1700B6.jpeg)
はじまりから、〆まで、完璧な演目たち。そして、何と言ってもそれらを盛大に盛り上げる、意識高めな日本酒たち。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/79CFFF16-F35B-42FF-A8DC-8D7670C6C006.jpeg)
心とお腹を満たし、そしてお財布にも実に優しい。ちょっとここは、本当は誰にも教えたくないくらいの日本酒のパラダイス……。一年の最後だもの、いつもここに立ち寄ってくれるあなたと私でおいしいをハピシェアしましょう。
![](https://magazine.tabelog.com/wp-content/uploads/2020/12/2020-12-14-23.57.47-1024x805.jpg)
みなさま、今年もありがとうございました。 この自由な連載が3年間も愉快に続いているのは、のんべぇで食いしん坊なあなたのおかげです。(同志! だいすき!)
来年は、もっともっと自由に楽しくなるはず。そして、隣にお酒とあてがあればよりハッピー! そんな日々にこれからも、一緒にささやかな祝杯をあげていきましょう。よいお年を。
※価格はすべて税抜