【カレーおじさん \(^o^)/の今月のカレー】2019年12月を振り返る

2019年も終わろうとしています。今月のカレーは、南インド料理の名店、スパイスカレーからスパイスバルに変化した名古屋の超おすすめ店、カレーのみならず焼鳥も最高なスパイスバル、間借りから人気を得て独立店舗を構えたスパイスカレーのお店の4つです。

 

全国的なスパイスカレーの流行と、都内では南インド料理が盛り上がった一年であり、スパイスバルというスタイルが少しずつ全国でも増えてきているという流れも含めて2019年のまとめにふさわしい今月のカレーになったと思います。

 

この盛り上がりが一過性のものにならないよう、スパイスカレーの流行をきっかけに、深くて広いカレーの世界をもっともっと多くの方々に知ってほしいと思っています。今年一年ご愛読ありがとうございました。来年もよろしくお願いします!

【第1週のカレー】ブーム到来中の今だからこそ改めて味わいたい。老舗南インド料理店の名カレー

2019年の東京のカレー事情を見てみると、全国的な流行にともなってスパイスカレーのお店が激増したということのほかに、南インド料理店もかなりの勢いで増えたということも言えるでしょう。​南インドカレーは一般的にイメージされるインドカレーとは違うんだということが多くのカレー好きに知られるようになったのは、2009年に「アーンド​ラキッチン」が開店、そして2011年に「エリックサウス」が開店したあたりの2010年前後で、同時期に南インド料理専門店のオープンが立て続けに​ありました。

 

その時期を第一次南インド料理ブームとするならば、今年は第二次南インド料理ブームと呼べるくらいに南インド料理店が増えた​一年だったと言えるでしょう。​しかし、そのもっと前に南インド料理にこだわり、それを出し続けてきたお店があるのです。「ダバインディア?」と思われる方もい​らっしゃるかもしれませんが、「ダバインディア」の開店よりもさらに前の2002年に開店した「エーラージ」です。​

シェフのラージさんは、多くの名店シェフを輩出した「アジャンタ」の出身。​僕の南インド料理との初めての出会いはエーラージでした。ミールスを頼んでみたらそこには沢山のカレーが並び、ご飯と一緒に混ぜ​ながら食べて行くスタイルにワクワクしたのと同時に、それぞれのカレーのメリハリが凄く、特にマトンカレーのおいしさに驚いたの​を覚えています。​

その後、数多くの南インド料理の名店ができて選択肢は広がったのですが、それでも相変わらず僕の中でトップクラスに好きな南インド​料理店であり続けているお店。現在は開店当時の店舗からすぐ近くの場所に移転していますが、厨房もお店も広くなったことによって​様々な面で安定感が出てきています。​

「ノンベジミールス」

この日は「ノンベジミールス」1,800円と「マトンビリヤニ」1,680円をシェア。ノンベジミールスはエーラージの真骨頂を味わえる看板メニューと言えるでしょう。こちらの内容は日替わりなのですが、この日はほうれん草チキン、そして僕の大好きなモツマサラ、さらに久々のマ​トンキーマという肉カレーとともに、豆カレー、オクラのカレー、キャベツのポリヤル(ココナッツとスパイスの炒め煮)という贅沢な組み合わせ。

 

マトンキーマを食べて​も思いましたが、ラージさんは本当にマトンの扱いがお上手。なんでこんなにおいしくなるのでしょう。​モツマサラもラージさんの自信作だけあって最高です。モツ煮込みもインドカレーも好きな方にとっては究極の組み合わせといえるで​しょう。​

「マトンビリヤニ」

マトンビリヤニは限定メニューなのですが、あったら​確実に頼んでおくべき逸品です。​骨付きのマトン入りビリヤニに、ライタ(ヨーグルトサラダ)、そしてマトンカレーのグレイビーがついてくるセッ​トなのですが、先述した通りここのマトンカレーは最高においしい!

 

数々のお店でマトンカレーを食べてきましたが、今も1、2を争​うくらいのおいしさで、改めて食べてみて感動しました。シナモンの本来上品な香りが上品とはいえないレベルでガツンときて、それが​マトンの荒々しい旨味と見事に調和してえも言われぬ味わいに仕上がっています。​


数年ぶりに復帰したホールスタッフのマリガさんとも久しぶりにお会いできて懐かしいひと時。マリガさんとラージさんの口喧嘩も相​変わらずでなんだか逆に微笑ましい気持ちになりました。初めて2人の口喧嘩を聞いた方は少し驚いてしまうかもしれませんが、これが​通常営業。喧嘩するほど仲が良いというやつです。そうじゃなければ一度退職したマリガさんが復活するわけありませんから。​

 

味についてもお店のスタイルについても、良くも悪くもクセがあると言えるかもしれません。しかしそれにハマってしまったら抜け出​せない強烈な魅力を持っているお店でもあります。事実、僕はこれだけ南インド料理店が増えた今でも、エーラージを愛し続けている​わけですから。​

余談ですがラージさんは大のクリスマス好き。そろそろやってくるクリスマスシーズンには今年もスペシャルメニューを用意してくれ​るのかなと期待しています。

 

※価格はすべて税抜

 

【第2週のカレー】名古屋で大発見! 超がつくほどおすすめしたいスパイス料理店

スパイスカレー大流行の2019年。今やほとんどの都道府県でスパイスカレーが食べられる状態と言っても過言ではないほどお店が増え、それぞれ人気が出ています。​しかし、スパイス料理でお酒を飲めるお店というと、全国的にはまだまだスパイスカレーのようにはいっていないようです。​

 

東京では既にスパイスカレーブームが来る前から、スパイス料理でお酒が飲めるお店がありますし、人気店も多いのですが、スパイスカレ​ーとはまた違った形の魅力があるのでもっと広まっても良い気がしています。

 

そんな中、名古屋の名東区野間町という、最寄の駅から徒歩30分かかる場所にありながら知る人ぞ知る人気店として営業していた「カ​リーカグラ」が、スパイス料理でお酒を飲む形にスタイルを変え、名古屋を代表する繁華街・錦で「スパイス料理&Bar Kagura」として生まれ変わっ​て営業しています。

 

前身の​カリーカグラの大ファンだった僕。移転オープンしたのを知ってから名古屋に行く機会あればそのついでにと思っていたのですが、な​かなか機会に恵まれなかったので、今回はここで食べるためだけに名古屋まで行ってきました。​つまり、それだけの価値があるお店なのです。​

クラブやスナックなどが入るビルの地下の奥にお店はありました。​店内はバーカウンターとテーブル席。清潔感があって程良い広さのスパイスバルといった雰囲気です。メニューを見ると様々なおつまみがあり、最後に「※全てスパイスを使用しています」とあるのですが、カレーがありません。​

「あれ?」と思っているとマスターが「最近メニューからカレー外しちゃったんですよ。カレーがあるとそれだけ食べて帰ろうとするお​客さんが多くて。やっぱり他のスパイス料理も食べてほしいし、お酒も面白いものを用意してあるんで飲んでほしいんですよね。どうして​もカレーを食べたいという方のためには、一応おまかせコースにしてもらえればシメにカレーを出してます」と。​


マスターはサラリーマン時代に友人のインド人宅に招かれ、そこで食べたホームメイドのインドカレーの味に衝撃を受け、「これ​を作りたい!」とインドでホームステイをし、家庭料理としてのインド料理を学ぶということを繰り返すうちに、遂に脱サラしてお店​を開いてしまったという方。​前店舗時代から何を食べてもおいしいのは知っていましたから、それならばとおまかせコースでお願いしました。​

「マサラナッツ」と「スパイスハイボール」

お通しの「マサラナッツ」300円と「スパイスハイボール」700円からスタート。​どちらもおいしくて、最初からスパイスで盛り上げてくれます。​

写真左から、「きんぴらごぼう、」「ほうれん草のバター炒め」「ポテトサラダ」「菜花のマスタード和え」「自家製明太子」

続いて前菜盛り合わせ。​「きんぴらごぼう」「ほうれん草のバター炒め」「ポテトサラダ」「菜花のマスタード和え」「自家製明太子」の5品なのですが、このきんぴらごぼ​うには、衝撃を受けました。​思わず「このきんぴら、めちゃめちゃおいしいですね!」とマスターに話しかけると「作り方はほぼカレーなんで。カレーおじさん\(^​o^)/はこれきっとお好きですよね」と。​はい。大好きです\(^o^)/​

 

他の前菜もそれぞれ味もスパイスの使い方もベクトルが違うので、食べ比べて楽しく、おいしく、どんどんテンションが上がってきまし​た。​

「マライティッカとイベリコ豚のタンドリー焼き盛り合わせ」

​続いて焼き物。「マライティッカとイベリコ豚のタンドリー焼き盛り合わせ」です。​これまた最高\(^o^)/​

 

ジューシーなマライティッカはスパイス感優しめ。イベリコ豚は香ばしい焼き具合でスパイス感もしっかりめ。同じ焼き物でも仕上が​りがまるで違う2品を並べてくれる素晴らしさ。​

「羊と牡蠣の麻婆豆腐」

そして次は、「羊と牡蠣の麻婆豆腐」。​ここの麻婆豆腐、最高なんです。​前店舗時代にも麻婆豆腐を食べたことがあったのですが、牡蠣のみじん切りが入ることによって独特の旨みと深みが追加され、新しい​次元に連れて行ってくれるおいしさになっていました。​これは、とんでもない!​

「ジンのソーダ割」

テンションさらに上がってお酒も2杯目。​シークワーサーやオレンジピール、コリアンダーなどを漬け込んだ「ジンのソーダ割」700円を飲んだらこれも最高でテンションが天井知​らず状態に。​

「ポークビンダルー」

そして遂にやってきましたカレー。​「ポークビンダルー」なのですが、普通のポークビンダルーとは違い、キンカン(卵になる前の段階のもの)が入っているんです。​これまた面白く、そして最高においしい\(^o^)/​

「スパイスアイス」

おいしすぎて楽しすぎてボーっとしていたらデザートに「スパイスアイス」まで出てきて意識を取り戻しました(笑)。​カルダモンがほど良く利いてスパイス料理の締め括りにふさわしいデザートでした。​


やっぱり凄いです。​前店舗よりもさらにパワーアップしていました。​名古屋近辺のスパイス好きな方は、ここに行かないのはもったいなさすぎます。​そして全国のスパイス料理マニアは、名古屋にこんなに素晴らしいお店があるということを是非覚えておいてください。​そして、どうせ行くならお腹を空かせておまかせコースを堪能してほしいです。​ちなみにおまかせコース、3,000円からで内容次第で値段が変わってくるのですが、今回のコースは上記の料理が3,500円というお得な価​格でした。​


マスターは「名古屋もスパイスカレーが流行ってきてますけど、スパイス料理はまだまだ苦戦してます」とおっしゃっていました。​スパイス料理で飲み、カレーで締めるという楽しさを知らない方がまだ多いのかもしれません。​しかし、この楽しさを知ったら人生が少しだけ豊かになると思います。​人生を少し豊かにしてくれるお店「スパイス料理&Bar Kagura」。​超がつくおすすめ店です!

 

※価格はすべて税込

【第3週のカレー】新年会にも最適! カレーも焼鳥も最高なスパイスバル

カレー好きの間ではスパイス料理をつまみにお酒を飲み、最後にカレーで〆るというスパイスバル、カレーバーといった業態のお店は既に知られていて人気店も多いのですが、そうでない人には「カレーのお店で飲む」というとま​だ驚かれることが少なくありません。​

 

新年会をやろうということになってカレーのお店を提案しても、「え? カレーって食べてすぐ出ないといけないじゃん。やっぱりお​酒飲むなら焼鳥が一番でしょ!」なんてことを言われて却下されてしまいそうになったり。​しかしそんなとき、僕だったら「なら焼鳥が最高においしいお店に案内するよ」と言いながら、今回ご紹介するお店に連れて行きます。​本駒込にある「コザブロ」がそれです。​

こちらのマスターは築地市場にあった「中栄」(お店は現在豊洲市場に移転)で修業された方。中栄は古き良き日本のカレーライスを出すお店​なのですが、コザブロのカレーは全く違うスタイルです。今どきのスパイスカレー的であり、本格的なインド料理の基礎がしっかりと感じら​れる絶品カレーの数々。それもそのはず。日本における南インド料理の先駆者とも言える渡辺玲さんが主宰するクッキングスタジオ「サザンスパイス」でインド料理を​学んだ方なのです。​

 

「あれ? 焼鳥の話は?」と思った方、ご安心ください。コザブロのマスターは上野ガード下の人気店「やきとり文楽」でも修業して​いたという経歴の持ち主。つまりは料理がとことん好きな方であり、ご自分も食べるのが大好きな方で今も各地を食べ歩いているという信​頼のおける料理人なのです。​


そんなお店なのでメニューも多種多様。まず焼鳥を中心とした串焼きが最高においしいので外せません。そしてアチャール(インド料​理で様々な食材をオイルやスパイスで漬けたもの)の数々も魅力的。他にもスパイスを使ったおいしいものだらけ。​

写真手前から時計回りに、「ウズラ卵のアチャール」「スパイシーコールスロー」「和牛レバーのアチャール」

まず前菜として「ウズラ卵のアチャール」480円、「スパイシーコールスロー」380円、「和牛レバーのアチャール」580円をセレクト。​

 

和牛レバーのアチャールは週替わりメニューだったのですが、これが絶品! 上質な和牛レバーを使用しているため臭味は無く、レバー特有の濃厚​な旨味がスパイスでブーストされていて、まったりとした舌ざわり。おつまみとして完璧なものでした。​淡白な味わいが魅力のウズラ卵、そしてさっぱりしたスパイシーコールスロー、それぞれ違ったおいしさで、連れていったカレー初心​者の仲間達も皆大喜び!​

写真右から「大山鶏」「オーストラリア産ラム」「ネギ焼き」

串焼きは「大山鶏」250円(1串)と「オーストラリア産ラム」250円(1串)を人数分。そして「ネギ焼き」300円(2串)をオーダー。焼き具合は​流石に人気店の出だけあって完璧。これがスパイスによる下味がついていて、肉のおいしさを引き立てているのですからたまりません。​

「天然ブリのスパイス焼き」

さらに畳みかけるように頼んだのが「天然ブリのスパイス焼き」1,080円。青魚とスパイスの相性は非常に良いのですが、それを再確認させてくれるおいしさでした。居酒屋メニューもスパイスによってお洒落においしく変身​しているのが楽しいです。​

「​チキンカレーとラムキーマビンダルーの2種合いがけ」

シメにはもちろんカレー。「​チキンカレーとラムキーマビンダルーの2種合いがけ」900円(Sサイズ)と、「サメカレーと週替わりの黒ひよこ豆とコプリーヌのカレー​炒り番茶風」1,000円(Sサイズ)をシェア。​

 

チキンはスリランカ風のサラサラタイプの万人がおいしいと思えるバランス。ラムキーマは西インドのゴア地方の名物であるビンダルー仕立てで程良い酸味と辛味が心地よいです。そしてサメカレーはイン​ドカレーとタイカレーの良い所取りのオリジナル。このレギュラーメニューのカレーが全て完璧においしい上に、週替わりメニューで​は攻めた新作を出してくるというのがまたマニア的にもたまりません。​

「サメカレーと週替わりの黒ひよこ豆とコプリーヌのカレー​炒り番茶風」

この週のメニューは、イタリア産の黒ひよこ豆とコプリーヌ(ササクレヒトヨタケ)を、南インドはケララスタイルをベースに京都の焙り番茶を合わせたという独創的すぎるカレーでした。野菜カレーなのですが野菜のみとは思えない深みと旨味。焙り番茶を使っている​からこそのスモーキーなテイストがたまらない逸品で、「こう来たか!」とニヤニヤしてしまいました。​


スパイスバルですからお酒も色々取り揃えてあります。スパイスを使用したお酒もありますし、定番のビール、ワイン、ウイスキー、​焼酎、日本酒と多種多様。個人的にここの「ラムチャイ」800円がお気に入りなんです。​

「ラムチャイ」

カレーで〆た後ですが、甘いものも食べたくなって「自家製アイスクリーム」380円とラムチャイをデザートにいただきました。​自家製アイスはカルダモンとペッパーというスパイスを使用したもの。程良い甘さに程良い刺激と香り。これにラムチャイ、最高に合​います。おいしいカレーの後のおいしいデザートって、何て幸せなのでしょう!​

「自家製アイスクリーム」

今回はカレー、スパイス料理初心者の友人を連れて行ったのですが、以前にも同じような人達を連れて行ったことがあり、毎回確実に​喜んでもらえています。つまりはマニアじゃなくても楽しめるおいしさであるということ。​そしてすべての料理の安定感、週替わりのカレーの斬新さはマニアも皆唸るクオリティの高さ。行く度に発見と驚きのあるお店です。

 

​明るくてお洒落なお店なので女性でも安心。それでいてお洒落すぎないので僕のようなおじさんでも心配はいりません。​こんなお店で新年会。最高の年の始まりになること間違いなしです!

 

※価格はすべて税抜

 

【第4週のカレー】もう食べた? 高円寺の人気カレー店に副菜&スパイスたっぷりの新メニューが登場

2019年のカレー界を振り返ると、スパイスカレーの全国的な認知度と需要が高まったということが言えるでしょう。事実、TVや雑誌などのメディアでスパイスカレーが取り上げられる回数は各段に増えました。元々は大阪を中心に盛り上がり、広がったスパイスカレーという文化。それを定義すると色々と細かくなってきてしまうのですが、共通して言えるのは「自由である」ということ。それは作り方も自由ならお店としてのスタンスも自由であることが少なからずあり、そのひとつが「間借りカレー」という営業方法です。

 

普段はバーなどをやっている飲食店の空き時間を間借りしてカレーのお店を営業するというスタイルは、大阪では枚挙にいとまがないほど存在し、東京でもその数はおよそ2年前と比べると倍増したと言えるくらいに増えました。間借り営業で人気を得て、そこから独立して自分のお店を構えるという流れは既に大阪の人気カレー店でよく見られる形。そしてその形が東京でもかなり増えてきています。東京におけるその形の先駆け店と言えるのが、今回ご紹介する高円寺の「スパイスカレー青藍」です。

店主の梶田さんは子供の頃からのカレー好き。大学時代に銀座の「ナイルレストラン」のカレーを食べて衝撃を受け、さらにカレーやインド料理に傾倒するようになったそうです。学生時代から料理が趣味だったこともあり、サラリーマン時代に仲間内限定で自作のカレーを振る舞うイベントを初めたのが2014年。それが好評となり、2016年から西早稲田「ブイプラス」で月に一回「西早稲田サンデーカレーライス」というイベントをSNSで告知開催し、カレーマニアの間で話題になっていました。

 

そして2017年夏。遂に脱サラし、高田馬場「バル014」で2カ月限定のランチ間借りカレー営業を開始。当初はフラっと行って食べられる雰囲気だったのが、そのおいしさが一気に広まって1カ月もすると早い時間に売り切れる人気沸騰具合となりました。そこから準備期間を経て2017年11月、高円寺の今の店舗を開店。そして今は行列もできる人気店になったという、間借りカレーサクセスストーリーを完璧に歩んでいるお店です。

 

一皿ごとに注文が入ってからスパイスをテンパリング(スパイスの香りを油にうつす工程)したり、トッピングのチーズは自ら削りたてを出したりと、手間隙惜しまないからこそのおいしさ。シンプルにカレーライスも楽しめますが、副菜がたっぷりのった定食がおすすめです。

「スパイシービーフカレー定食」

この日は平日限定の新メニュー「スパイシービーフカレー定食」1,300円をいただきました。ご飯少なめだと30円安くなるという配慮もうれしい限り。(写真はご飯少なめです)

 

開店時からのレギュラーメニューである「チキンカレー」は爽やかなスパイス感、「ポークジンジャーキーマ」は奥深い旨味が特徴なのですが、スパイシービーフはがっつりスパイシーでありながら奥深さもしっかりと感じさせる実にゴージャスなカレー! 牛肉の持つ甘味と旨味が野菜とスパイスによって膨れ上がっていて、一口食べると無意識に笑顔になるようなおいしさです。

白菜柚子切昆布や紫色キャベツ塩昆布などの、和を感じさせる副菜と一緒に食べることによってさっぱり感も得られ、刺激的でありながら優しく、濃厚でありながらさっぱりもしているという、どこをとっても死角の無い完成された一皿。素晴らしいなぁとしみじみ感じます。

 

既にマニアなら知らない者はいないという程の人気店ですが、この新メニューはまだ食べていないという方も少なくないのではないでしょうか。一度行ったからといって満足せず、これを機にまた行ってみてください。行くほどに、食べるほどに理解度が深まり、新たな感動を味わえるカレーですから。そしてまだ食べたことがないという方、このおいしさを知らないままでいるのはもったいないですよ!

 

※価格はすべて税込

 

 

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/