食べ歩きを趣味にして早数年、毎日のように誰かから「今度○○行くんだけど、おいしいお店知らない?」と連絡がくるのにももう慣れた。今回は京都編。

 

今、京都で話題の“変化球立ち飲み屋”に迫る

京都でおすすめのお店は?と聞かれれば、あの肉料理の名店、誰もが知っているあの料亭、甘いものが食べたければあそこ、Barなら…と色々思い浮かぶが、今一番おすすめしたいお店は、僕の大好きな立ち飲み屋だ。

 

昼12時から京都の粋人が集まる「たつみ」もおすすめだが、今回は更にディープなお店を紹介したいと思う。

水・金限定!地元京都人の集い場「堀川 鳥岩」

場所は京都府庁から程近い堀川通り沿いの商店街に店を構える「堀川 鳥岩」。昼は鳥肉屋、水曜と金曜の夕方のみ立ち飲み屋として営業するお店だ。

 

営業日が限定的なだけあって、狙って行くか、偶然日程が合えば必ず寄りたいところ。

 

この店を知ったのは、京都で飲み歩く先輩からの情報。「面白い店があるから行かない?」と言われれば絶対行きたくなるのが食いしん坊の性だ。

 

待ち合わせは夕方5時過ぎ、雨が降る京都の街をタクシーで向かうこと数分、ここだよ、と着いた先は商店街の鶏肉屋さんだった。

まだ外は明るいが、既に先客が1組いた。先輩は慣れたようにショーケース越しにハイボールを注文。大人のポテサラ、焼鳥数本、3ヶ月に1度、本日の大将の気まぐれメニューというフォアグラのソテーも頼んだ。営業日は週2回、3ヶ月に1度のタイミングに当たるなんて僕は運がいい。

注文が終わると、手作りの番号札をもらった。大将ラブ。こういうのにテンションが上がるのは食いしん坊の証。フォアグラと一緒にバゲットいる?と聞かれれば注文するしかない。

 

待つこと数分、きたきた、これこれ、と言わんばかりの焼鳥達とフォアグラのソテー。

串は小ぶりだが、これで1本100円。ポテサラも200円。バゲットもあたたかく、こだわりが嬉しい。

 

雨ということもあり、今日は人が少ないな、と思っていたら18時を過ぎる頃にはどこからともなく集まってきた呑んべえ達で道路に溢れる程の賑わいとなった。

 

店先に置かれた古いDVDプレイヤーからは懐メロが流れ、皆口ずさみ、体を揺らす。

 

皆笑顔だ。注文もお会計も皆行儀よく並ぶ。あぁ、いいなぁ、この雰囲気。

 

入店から1時間が過ぎ、随分と混んで来たため、僕らは次のお客に席を譲ることにした。こういう店では長居しないのもマナー。

 

帰りには出席簿と書かれた可愛いスタンプカードを貰った。大将、また来るね!

さぁ、次の店に移動しよう。目的のお店は鳥岩から歩いてすぐ。昼は木材屋、夜は立ち飲み屋という「酒場 井倉木材」だ。
京都の夜はまだまだ続く……。

 

文/グルメガネ

国内出張のエキスパート、グルメなメガネのサラリーマン。人懐っこさと傍若無人が同居する人たらしの手法で、今宵も知る人ぞ知る地元グルメを堪能する。