小池克臣が推す「予約困難予備軍」の焼肉店

ナビゲーターの小池克臣さん

巷には「予約困難」な焼肉店がたくさん存在している。口コミやメディアへの掲載など、予約困難となる要因はさまざまだ。本連載では肉バカ・小池克臣さんに早めに押さえておくべき「予約困難予備軍」の焼肉店を焼き方のポイントとともに教えてもらう。

教えてくれる人

小池克臣
横浜の魚屋の長男として生まれるも、家業を継がずに、外で、家で、肉を焼く日々を送る。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、ほぼ毎晩、牛三昧。その様子をInstagramYouTubeで発信中。著書に『肉バカ。No Meat, No Life.を実践する男が語る和牛の至福』(集英社刊)。公式ブログ「No Meat, No Life.」。

住宅街に密かにオープンしたばかり! 通いたくなる話題の焼肉店へ潜入

小池さんが今回紹介する店は、今年リニューアルしたばかりの「天城黒豚の店 橋本ホルモン」。和牛焼肉をこよなく愛する小池さんが「豚が新鮮で本当においしくて驚いた!」というブランド豚のホルモン焼肉がメイン。神奈川県JR橋本駅から少し住宅街にある隠れ家的焼肉店は、“わざわざ”遠出してでも行く価値のある、予約困難店予備軍に相応しい一軒だ。

1月に店名を変えてリニューアル

三度の飯は“和牛焼肉”と言っても過言ではない小池さんが今回推すのが、天城黒豚の希少部位をはじめとする鮮度のよいホルモンを食せる「橋本ホルモン」。「フライデーソックス」という名で人気を博した大衆焼肉の名店が、店名を改め、今年1月上旬にリニューアルしたばかりとあり、さっそく伺った。

外観 写真:お店より

駅から住宅街に向かうメイン通りに位置するお店は、細長く広い店内。ウッドのテーブルや、洒落たインダストリアルな雰囲気がイマドキだ。黒板には“本日の希少部位”などのメニューが掲げられている。ひと通り楽しめるコースメニューから、好きにアレンジできるアラカルトまでそろう。

 

小池さん

鮮度のいいピカピカの天城黒豚ホルモンが入荷するお店があると聞きつけ、足を運んだのがきっかけです。名立たる料理人たちが絶賛する天城黒豚は、何でこんなに違うんだろう!?と思うほど、レベルが桁違い。だから、お手頃価格で新鮮な本物の豚ホルモンがお腹いっぱい食べられるこちらは、少し都心からは遠いけれどオススメせずにはいられませんでした。

名店の料理人たちからの信頼が厚い「天城黒豚」のホルモン焼肉とは?

ブランド豚「天城黒豚」に、数々の名店がこぞってラブコールを寄せ、仕入れているのはなぜなのか?今回、生産者である「金子畜産」代表・金子さんに、小池さんが話を伺うことができた。金子さんが手掛ける伊豆の農場で生産されている「天城黒豚」の誕生秘話は、豚の仲卸業をしていた金子さんが、9年前に農場を買収したことに始まる。卸の経験を活かして、おいしい理想的な豚を育てて作り上げることに魂を注いだという。検疫の担当者が驚くというほど、清潔でキレイな豚舎、値は張るが良質な配合の餌に見直し、豚の腸内環境を整えることで、健康な内臓状態のおいしい肉質を作り上げた。自ら、朝4時起きで毎週農場へ向かい、手間暇かけて作業をして、きちんと卸先へも食べに出向き、味をチェックする。只ならぬ努力が、頭から尻尾まで、脂の質も別格な豚を完成させているのだ。

「金子畜産」社長/生産者・金子渉さん

こちらの店が凄いのは、金子さんとの関係値も会社も近いがゆえに、どこよりも早く特別に鮮度のいい「天城黒豚」が入荷する。朝締めの豚が5~6時間後にはもう店頭ですぐに食べられる。そんな理想的でフレッシュなホルモンだからこそ、価値がある特別な焼肉店なのだ。

 

小池さん

いくら食べても、もっと食べたくなる味わいの豚の理由を、直接金子さんから伺って感銘しました。育てるところから選ぶところまで、すべてご自分でこだわり抜いているからこそ、妥協がない銘豚が完成しているのだと思うと、本当に凄いです。絶対に誰もできないことを金子さんがやっている自信があるからこそ、品質や信頼に繋がっている。また食べるのが楽しみになります!