〈これが推し麺!〉

ラーメン、そば、うどん、焼きそば、パスタ、ビーフン、冷麺など、日本人は麺類が大好き! そんな麺類の中から、「これぞ!」というお気に入りの“推し麺”をご紹介。そのこだわりの材料や作り方、深い味わいの秘密に迫る。

今回訪れたのは、食べロググルメ著名人・門上武司さんが教えてくれた京都・清水五条にある「suba」。大ぶりのエノキダケの天ぷらがどんとのった「エノキダケ天そば」を紹介する。

教えてくれる人

門上武司

1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。

モダン&ネオな立ち食いそば

京阪電鉄清水五条駅から徒歩8分程度のところにある、立ち食いそば店「suba」。おしゃれな立ち飲み屋?カフェ?と思える外観で、時には行列ができる人気店だ。2021年末のオープンで、2024年には東京にも進出し、渋谷に「SUBA VS」が開店している。

店は女性客でにぎわう

オーナーは鈴木弘二さん。フルーツサワー専門店「sour」や自分で鶏を焼く焼鳥店「炭火焼く鳥 ソリレス」など、さまざまな新業態の飲食店を京都に出店し、業界の話題をかっさらってきた人物だ。

内装は、町家をいかしながら、打ちっぱなしのコンクリートや陶芸作家・橋本知成氏の大きな石の作品をカウンターにするなど、アートのような空間だ。

カウンターにおそばを置くと天板が斜めで傾くことも話題に

いただけるそばは立ち食いそばらしく、かけがメイン。だしにはうるめ、鰹、鯖、利尻昆布を使用。何度も作り直し、関西らしくやさしい味わいの飲み干せるつゆを目指したという。だしによくからむようにそばは二八の細麺。やわらかく食べやすい仕上がりになっている。大きなカニカマの天ぷらや飛騨ジャンボなめこ、三関せりと揚げ餅をのせたそばなど、厳選素材を使いつつも、インパクトのある見た目もユニークなメニューがラインアップしている。

15種類以上が揃う冬のメニュー
ワインもスタンバイ。本日の自然派ワインはグラスで800円。西隣にある系列店ワインバー「sumi」のセレクト。ビール、日本酒、すだちサワーなども揃う
 

門上さん

東京のジャーナリストに教えてもらい出かけました。町家の造りをいかしたシンプルな改装には感心しました。