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食通が選んだ今月のおいしい料理
新型コロナウイルスの流行により、私たちの行動には制限が生まれ、飲食店もまだまだ苦戦を強いられています。こんなときこそおいしいものを食べて明日への活力に、そして、飲食店を元気にしていきたいですね。
そこで、グルメ情報に精通している方々に、今月いちばんおいしかったお店や料理についてアンケートを実施。「今月の一皿」「2,000円以下のお手軽グルメ」について教えていただきました。
今回は、食べロググルメ著名人の大木淳夫さんにお答えいただきます。
教えてくれる人
大木淳夫
「東京最高のレストラン」編集長
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最高のレストラン」編集長を2001年の創刊より20年に渡り務めている。その他の編集作品に「堀江貴文 VS.外食の革命的経営者」（堀江貴文）、「新時代の江戸前鮨がわかる本」（早川光）、「にっぽん氷の図鑑」（原田泉）、「東京とんかつ会議」（山本益博、マッキー牧元、河田剛）、「一食入魂」（小山薫堂）、「いまどき真っ当な料理店」（田中康夫）など。
好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事も務める。
今月のベストワン
Q. 今月行ったお店の中で〈一番おいしかった食べ物〉を教えてください
A. 「鮨 一喜」の赤身漬けです
2万円を超える高級寿司が当たり前になっていますが、昨年くらいから、1万円台ながら高額寿司と変わらないクオリティのお店が登場してきました。そんな中で出会ったのが、昨年8月に開店した千歳船橋の「鮨 一喜」。38歳の親方は和食店で約10年修業後、寿司の世界へ。「ずっと寿司屋に憧れていたんです。お客様の顔を見ながら仕事をしたくて」というだけあって、なんとも人好きのする雰囲気。初めてでも安心です。
コースは13,000円。この6月から2,000円アップしましたが、使える食材が増えてストレスが減ったとのこと。それでもこの値段ですから、驚くべきコストパフォーマンスでしょう。肴ではキャリアを生かした「焼き胡麻豆腐」などを繰り出し、飽きさせません。そして日々研究を重ねる握り。赤身は漬けにして、ワサビではなく、和がらしをかませています。この調和が素晴らしく、笑みがこぼれます。手巻きで食べる最後のかんぴょう巻きまで、素材を見極めながら、何が最高なのかを追求する姿勢は素晴らしく、これからも何度も通いたくなる期待の寿司店でした。
2,000円以下のお手頃グルメ
Q. 今月食べた中でおすすめしたい、2,000円以下のグルメを教えてください
A. 「マトリキッチン」のチキンストロガノフ（単品900円）です
昨年10月、銀座にオープンしたロシア料理店の人気メニューです。夜も単品でいただけますが、ランチだと1,100円でサラダ・ボルシチ・飲み物または小菓子がついてきます。これほど美味なボルシチがセットに入っているというのはあまりにもお得です。
メインのチキンライスは、まずその美しいフォルムと色合いに目を奪われます。ドーナツ形のバターライスに美しいオレンジのソース。頼んで良かった！と思うはずです。食べ始めると、濃厚なクリームをサフランが香るバターライスがしっかりと受け止め、スプーンを持つ手が止まりません。あっという間に食べ終わってしまうのですが、満足感はかなり高いです。夜のコストパフォーマンスも素晴らしく、というか安すぎるくらいで、銀座では絶対に知っておきたいお店といえるでしょう。
