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〈2019 食通が惚れた店〉
平成から令和へと元号が変わった2019年。外食シーンにおいても、新しい時代の幕開けを感じさせる飲食店や、グルメにまつわるトピックスが盛りだくさん。そこで、グルメ情報を熟知した方々に、2019年に最も感動したお店について教えてもらいました。「2019年のNo.1」「2,000円以下のプチプラグルメ」「2020年の注目店」をそれぞれご紹介します。
今回は、フードジャーナリストの岩谷貴美さんにお答えいただきました。
教えてくれる人
岩谷 貴美
フードとビューティーのジャーナリスト。雑誌、ラジオ、TVを中心に活躍するほか、企業のコンサルティングや商品開発、百貨店催事のプロデュース、食コンテストの審査員も行う。食のジャンルは、和食からフレンチ、イタリアン、中華にスイーツまで。1日にフルコースを3回、スイーツに関しては20~30品食べることも日常茶飯事。
2019年のNo.1飲食店
Q 2019年に行ったなかで、〈最も感動した飲食店〉はどこですか?
A 帝国ホテル東京「ラ ブラスリー」です。
2019年の4月に38歳の杉本雄氏が第14代東京料理長に就任し、話題になった帝国ホテル。地下1階にある「ラ ブラスリー」では、その杉本雄東京料理長が腕をふるったメニューを楽しめるフェアが何度か開催されました。フランスで13年間研鑽を積み、ヤニック・アレノ氏やアラン・デュカス氏のもとで働くという輝かしい実績を持つ杉本氏は、良い意味で日本人ばなれした方。そのお人柄が表れたお料理やデザートは、遊び心があり大胆でありながらも繊細さがあり、明らかに新たな風を感じるものばかりでした。伝統と格式を重んじる帝国ホテルが、令和というこの新たな時代に杉本氏の采配で、どんな革新を遂げるのか、今後も楽しみです。
Q そのお店で〈印象に残った一皿〉は?
A 「前菜」です。
そのビジュアルは、まるでフランス菓子のプティガトーのよう。真っ白なアスピックは、魚や肉の煮汁を冷まして固めた煮こごりです。そのアスピックの中から、真っ赤なオマール海老が現れるサプライズ感もお見事です。