【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#83】「ベンガルタイガー」
日々おいしいカレーを求めて様々なお店へ食べに行っているのですが、久しぶりに感動するお店と出合いました。JR千葉駅から徒歩7~8分の場所にある「ベンガルタイガー」です。
店名だけ見るとベンガル料理のお店かと想像しますがさにあらず。ではどんなお店なのかというと、インド料理とほかの国の料理をかけ合わせたモダンインディアンのお店と言えるでしょう。しかし普通のモダンインディアンではありません。モダンインディアンというと高級志向なお店がほとんどなのですが、こちらは驚くほどカジュアルな価格でモダンインディアンを楽しめる、全国的に見ても希少なお店なのです。
シェフはインドの西ベンガル出身で、インド、マレーシア、シンガポールと、アジア各国でその腕を振るってきた方。5つ星ホテルのヘッドシェフをつとめたこともあるという折り紙付きの実力者です。そんなシェフが作る料理の数々は、インド料理のオーセンティックな部分はしっかりと残しながらも、オリジナリティ溢れるモダンインディアン。
まずは「フィッシュ65」をオーダー。単品だと820円なのが、通常610円のハイボールをつけたセットだと1,150円になるというお得な組み合わせがあったので、セットでいただきました。65とはインド料理で、その語源には諸説ありすぎて結局どれが正解かわからないのですが、簡単に言えばスパイス唐揚げです。チキンやカリフラワーの65が一般的。
それがこちらではフィッシュで65を作るという個性派。魚は何かというとワカサギです。確かにワカサギの唐揚げはおいしい。その発想で65。食べてみればこれがまた最高においしいじゃないですか! サクっと香ばしく揚がったワカサギはスパイスでクセすら旨味に変わっていて、お酒のおつまみとして完璧です。
メインに頼んだのは店名を冠した「ベンガルタイガーバターチキンカレー」。こちらは通常1,080円でパラタ(インドのパン)が付くセットメニューなのですが、プラス200円でパラタをマレーシア料理のロティジャラに変更できるということで、ロティジャラでいただきました。このように元々リーズナブルなメニューがさらに安くなるセットサービスが随所にあるのがうれしいところ。そして安いだけではなく最高においしいのですから本当に驚きの連続です。
バターチキンといってもほかとは一味違います。こちらのバターチキンは濃厚なバターチキンカレーの上に、芽葱、アマランサス、四川花椒菜を合わせたものをあしらい、その上にエディブルフラワーで飾り付けしたというアーティスティックな一皿。見た目だけではなく味も素晴らしいんです。フレッシュな野菜がのることによって濃厚でありながらもしつこくないバターチキンとなり、野菜の食感で変化が出るので飽きずに最後まで食べられます。
そしてロティジャラがまた良いじゃないですか。サクサクした食感にほのかな甘味。これだけ食べても良いスナックですし、バターチキンとの相性も良いです。もうこれだけで最高だったのですが、最高ならばもっと色々と食べたくなるわけで。マレーシア、シンガポール料理もお得意ということだったので、「シンガポール風チキンライス」1,200円もオーダー。
これがまたこちらの期待を超えてくるおいしさで驚きが止まりません。チキンの上にはきゅうりを細かく切ったものがのり、バターチキン同様に食感的にも味覚的にも良い変化を出しています。そして、一緒についてくるチキンスープがまた絶品。鶏肉の旨味がしっかりと出ていながら雑味は全く無し。じわじわとそのおいしさが五臓六腑に染み渡る感覚です。
料理によって使う野菜はその時々に応じて変わってくるそうです。それも季節感だったり、旬を考えてよりおいしいものを提供したいという考えからでしょう。
個性もあっておいしくて、お店の雰囲気も接客も素晴らしくて、しかも安い。こんなお店なかなかありません。千葉カレー界の至宝です。わざわざ行く価値のある名店ですし、僕もまた電車を乗り継いでわざわざ行くことになるでしょう。
※価格はすべて税込