【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#82】「ゼロワンカレー」
大阪のカレー人気店が東京に進出という形は数年前から少しずつ増えてきていますが、支店が東京にできたわけではなく、大阪の店舗を閉めて東京への完全移転を果たすお店も出てきました。今週ご紹介する「ゼロワンカレー」もまさにそんなお店です。
大阪のカレー激戦区谷町六丁目駅近くで間借りカレーからスタートし、当初は大阪スパイスカレーを作っていたのが、南インドへ行ったことをきっかけに南インド料理にシフトチェンジ。谷町四丁目駅近くで独立してお店を開店し、激戦区の中でも大人気店となり、「食べログ カレー 百名店 WEST」にも選ばれ、大阪のカレー好きに知らない人はいないほどの有名店となりました。
それがわざわざ東京へ移転。どうしてなのかマスターに理由を聞いてみると、前のお店の広さだとカレーやスイーツなど、出せる料理のバリエーションも限られてしまい、もっと広い所で良い場所はないものかと大阪のみならず全国で探した結果、東京・三田駅近くの現店舗にたどり着いたそうです。
確かにお店は大阪時代よりかなり広く、厨房も立派。無粋な話ですが、その分家賃も相当高いのでは? と考えてしまいますが、もちろんそれも含めて勝負に出たということでしょう。その意気や良し! そしてもちろん、無謀なわけではなく、勝算も十分にあってこそ。南インド料理ではありますが、そこにオリジナリティがしっかりとあるのです。これは東京にも無いし大阪にも無い、ここでしか食べられない独創的南インド料理といえるでしょう。
今週僕が食べたのは「二種盛りミールス」1,890円。選べるカレーは、「スモークラム肉のビンダルー」と「本日のフィッシュカレー(イカとサンマのモイリー)」をセレクト。
まずラムビンダルーですが、カレー自体にもラム肉がゴロゴロと入っている上に、スモークしたラムがさらにのっているというラム三昧。ラム好き、肉好きにはたまらないカレーです。
そしてイカとサンマのモイリーも、サンマは先にグリルすることによって臭味を飛ばし、香ばしさを追加。この一手間がしっかりとおいしさにつながっています。
凄いのはカレーだけではありません。副菜もとにかく手が込んでいます。「サンバル」(豆と野菜のカレー)は、インド南西部の州であるカルナータカスタイルの優しい甘さ。「ワダ」(南インドの甘くないドーナツ)の揚げ具合も程良く、ココナッツチャトニと良く合います。「ベルプーリ」(インドのスナック)にはフルーツが入っているのが面白く、麺料理はカルナータカの州都であるバンガロールスタイルの野菜を合わせたもの。さらには「ダル」(豆カレー)や「アチャール」(インドの漬物)もついてくる豪華版!
お値段だけ見ると高く思うかもしれませんが、これだけ手の込んだ料理が色々と並ぶのですから決して高くはありません。そして食べればむしろお得だということがわかるでしょう。これだけでも大満足だったのですが、こちらのお店はスイーツにも力を入れているとあれば、デザートも食べないわけにはいきません。「季節のフルーツソースのフロマージュブラン」500円をいただきました。
甘さ控えめのしっとりしたフロマージュブランにほのかな塩味のクッキーがのって食感も楽しく、フルーツソースも程良い甘味と酸味で最高のデザートとなりました。
大阪時代も大好きなお店でしたが、広くなったことによって大阪時代にできなかった色々を心ゆくまでできているのを感じ、大阪時代よりもさらにパワーアップしているのは間違いありません。ここにしかない唯一無二の個性派南インド料理。カレー好きなら食べておかねばならない逸品です。そして甘いもの好きならデザートも忘れずに。幸せの上に幸せが上書きされて、強く記憶に残るでしょう。
※価格はすべて税抜