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入店時から衝撃!人気映画のコレクターズアイテムでいっぱいの店内
映画とおいしいものが大好きな筆者。夢中になって映画を見終わったあとは、スクリーンの向こうにいる憧れのヒーローたちと同じものや世界観を楽しめるものが食べたくなることもしばしば。そんなときに足を向けたいのが、JR新宿駅西口から徒歩5分ほどのところにある「新宿 FLUX SF Dining & Bar」。ここは、映画好きなら店内に一歩踏み入れた瞬間から胸躍ること間違いなしのダイニングバーです。
入り口付近には、迫力満点のバットマンとスパイダーマンの等身大フィギュアが佇み、店内にはプロップ(映画の小道具)のレプリカなど映画ファンなら垂涎のシネマグッズがずら~り! 映画のBGMと予告映像が絶えず流れるなかで、映画作品をモチーフにしたシネマフードとSFカクテルを楽しむことができます。
「新宿FLUX」は、2012年に開店した「SF-BAR 神田FLUX」の姉妹店として、2018年3月にオープン。SF映画に特化し隠れ家バー的な印象の強い神田店に対し、アメコミ色の強いアメリカンダイナーのようなオープンな雰囲気です。
新宿店店長の荒谷大輔さんに、「FLUX」オープンのいきさつを聞くと……。
「もともとはオーナーが映画グッズのコレクターで、いわゆるオタク。よくふざけて“自宅に物を置けなくなったから、代わりの置き場としてバーをオープンした”なんて言っています。でも本当は、“すでに映画好きな人やこれから好きになる人を集めて、楽しくお酒を飲める場所を作っていきたい”という願いがお店の出発点なんです」
と語ってくれました。
店内の展示品は、ほとんどがオーナーの私物。さらに映画仲間から「これ、この店に置いてください!」というラブコールを受けて展示しているグッズもあるそう。
8名くらいまで座れる半個室にはプレイヤーの用意もあり、DVDなどを持ち込めば好きな映画を店内で鑑賞することもできます。
半個室の壁には、たくさんの俳優や監督のサインがあり、眺めるだけでも幸せな気分に。なかには、『ジャスティス・リーグ』でサイボーグ役を演じたレイ・フィッシャーや映画『リング』シリーズの中田秀夫監督、『AKIRA』などの作品を描かれた大友克洋、『GTO』の藤沢とおるのサインも!
食べてみたかった大好きな映画の料理が、現実の世界で楽しめる!
料理メニューも充実している「新宿FLUX」。提供されるメニューは、映画の中に登場した料理へのオマージュや、作品をモチーフにした“シネマフード”です。
「映画のストーリーやキャラクターにまつわるエピソード、イメージカラーなんかを紐づけて、メニューを開発しています。映画を愛するスタッフたちで、何度も試行錯誤しながら作り上げている料理は、どれも自信作ばかり」という荒谷さんたちが精魂こめて生み出したメニューは、名前を眺めるだけでワクワクが止まりません! 実際に食べるとほっぺたが落ちそうなおいしさ。まるで自分が映画の世界に入り込んだような気持ちになれます。
ディーンのベーコンチーズバーガー(税抜1,450円)
大人気の長寿海外ドラマ『スーパーナチュラル』の主人公ディーン・ウィンチェスターの大好物。同作によく登場するアメリカンダイナーで出てきそうなバーガーは、ベーコンのうまみとチーズの相性が抜群! 世界中のハンバーガーを食べてきたオーナーお墨付きの逸品です。
レミーのラタトゥイユ(税抜650円)
『レミーのおいしいレストラン』にも登場する夏野菜の煮込み。そもそも同作の原題は、「Ratatouille(ラタトゥイユ)」なのだとか! じっくりオーブン焼きされた、タマネギ、ズッキーニ、ナス、隠し味のパプリカの甘みが口のなかにじんわり広がります。
死ぬまでに食べたいやわらかスペアリブ(税抜1600円)
『死ぬまでにしたい10のこと』に登場した、いくらでも食べられそうなスペアリブのオマージュ。映画では牛乳に漬け込んでいましたが、「新宿FLUX」ではそれだけでなく、ニンニクやローズマリー、タマネギも一緒に漬け込み、肉をさらにやわらかく、香り高くしています。1時間半煮込んだら、最後にバーベキューソースで味付け。総計3日間も手をかけた極上のひと皿です。
幸せのティラミス(税抜650円)
『幸せのレシピ』で“神々の食べ物”と表現されたほどおいしいティラミスを、さらにアレンジした自慢の一品。なめらかさややわらかさを追求し、形が崩れないくらいギリギリの食感を追求しています。舌で味わう至福に、身も心もとろけそう……。
さらに、新しいメニューを随時研究中。新メニューはスタッフみんなでアイデアを出し合うだけでなく、お客さんに「どんな料理が食べたいですか?」とアンケートをとることも。興味津々に次のメニューを尋ねると、「シークレット」とほほ笑む荒谷さん。
「今後は月替わりのメニューなどもとり入れていこうと思っているので、気にしながら楽しみに来店していただければ……」
お酒が飲めない人も安心!ノンアルコールにも変更可能なSFカクテル
多くの映画作品や登場キャラクターがモチーフになっているSFカクテル。『ターミネーター』が大好きで『スター・ウォーズ』ならエピソード6推しのバーテンダー・柳澤一樹さんが気をつけているのは、どのカクテルも「飲みやすく、みんなが楽しめる味わい」であること。
お客さんに楽しんでもらえるように、キャラクターや作品の背景をひもといて、カクテルとして再構築。リキュールの名前がヒントになることもあるそうです。
さらに、映画好きだけど、お酒はあまり飲めなくて……という人でも楽しめるよう、多くのカクテルがノンアルコールに変更可能。
「できる限りノンアルコールにも変更できるようにしています。できないものは、お酒しか入っていないようなカクテルや、『007』シリーズのように作品イメージにアルコールが欠かせないようなものだけです」(荒谷さん)
「ノンアルコールにするときも、カクテルの色があまり変わらないように心がけています。せっかくこの店に来てくださったのだから、お酒が飲めない人でもキャラクターのカクテルをノンアルコールで楽しんでいただきたい」(柳澤さん)
ジェダイ(写真左、税抜850円)、スパイディ(写真右、税抜950円)
「ジェダイ」は『スター・ウォーズ』に登場するジェダイの青とライトセーバーが魅力の、さわやかでとっても飲みやすい一杯。神田店で一番最初につくられた、「FLUX」を代表するカクテルです。
「主人公のルーク・スカイウォーカーにひっかけて、スカイウォッカを使っています」(柳澤さん)
「スパイディ」は青いリキュール「タランチュラ」とクランベリージュースでスパイダーマンのスーツをイメージ。レモンピールで蜘蛛の糸を再現した、写真映えが素晴らしいカクテル。
「テキーラの風味がきいているので、かわいらしい見た目のなかにもスパイダーマンのような強さが隠れています」(柳澤さん)
今後も注目映画の公開に合わせて、新作カクテルが続々誕生! 新しい映画やキャラクターを舌でも楽しめるぜいたくな体験!
働くスタッフも映画ファン!好きが広がる出会いの場所に
「『FLUX』のスタッフは映画好きで接客好き。映画が好きという気持ちを共有したい人が多いんです」と荒谷さんが言うように、店員さんに映画について尋ねれば、こちらがうれしくなるほど情熱的にその魅力を語ってくれます。制服の胸に輝く映画のピンバッジを見れば、どの作品のファンなのか一目瞭然。
「好きな映画は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と『スター・ウォーズ』。グッズに囲まれて毎日楽しい」と語る、店長の荒谷さん。
「映画好きは間口が広い。“レンタルはよくするよ”という人や“公開日は映画館に絶対行きます”という人、どちらも映画好き。なので、その人たちが楽しめる場所、映画の世界を体験できる場所でありたいというのが、このお店のテーマ。そこが一番の野望です」(荒谷さん)
“映画文化に貢献したい”というスタッフの思いが、ビシバシ伝わってくる「新宿FLUX」。観たい映画があるときや映画鑑賞後にフラリと寄りたい、エンタテインメント精神にあふれたお店です。
映画に関係する記念日や曜日などで割引のある日も多いので、来店前はTwitterやFacebookを要チェック!