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パンラバー ひのようこさんが教えてくれた、日帰りパンの旅 in 千葉
パンラバーは千葉を目指す!? 〈こんがりパンだパンクラブ〉のひのようこさんをナビゲーターに迎え厳選した3店をお届け。
ひのさんに聞く、“千葉パン”の魅力
あれも食べたい、これも食べたい!個性派パンの大豊作地帯
近年、個性溢れるパンが並ぶ店がいくつも出現し、全国のパンラバーが熱い視線を注ぐのが千葉エリア。ファミリー層が中心の郊外ならではのバラエティに富んだ品揃えや、都心の店にはないリーズナブルな価格帯ほか魅力たっぷり。
ナビゲーターは「夏の鎌倉とおいしいパン」でもおすすめアドレスを教えてくれた、〈こんがりパンだパンクラブ〉のひのようこさん。「私の出身地でもある千葉には、時間をかけてもまた行きたくなるような、個性的なパン屋さんが多いんです。一口に千葉といっても広いので一回ではなかなか回り切れないとは思うのですが、休日のドライブのコースにしてみたり、遠足気分で訪れたりするのはいかがでしょうか。お散歩にぴったりの公園や海岸も多いので、焼きたてのパンを買って、外の空気を感じながら食べるといった“千葉パン”ならではの楽しみ方もできます」。今回はそんな生粋の“千葉パン”ラバー、ひのさんが厳選した3軒をご紹介。第3回は、全国からパン好きを魅了してやまない松戸の名店「バックシュトゥーベ ツオップ」に迫る。
全国からパン好きが集まる名店で、ひのさんのお気に入りパンを発見!
松戸(小金原)「Zopf(ツオップ)」
北小金駅からバスで約10分。決して便利な場所とは言えないのに、千葉県内のみならず日本中からパンラバーが集まる名店としてその名を轟かせている「Zopf(ツオップ)」。
ひのさんにその魅力を伺うと、「千葉県のパン屋さんを語るときに外せないのがこちらのお店。店内にはいると、ハード系から定番の菓子パン、サンドイッチまでずらりと並ぶパンに囲まれて、今日は何を買おうかと毎回ワクワクさせられます。仕事柄、日々様々なパンを食べていますが、どんなときに行っても、“あ、これ食べたい!”と思えるパンに出合えるのです」だとか。
それもそのはず、「パン焼き小屋」を意味する「バックシュトゥーベ」からイメージしたという少し薄暗い木造の店内には、常時200種類ほどの焼きたてパンが並ぶ。週替わりや月替わりのものも含めると、ラインナップは400にも! 総リーダーの上田怜さんは「必ずお気に入りを作って帰ってもらえる」と胸を張る。
目移りしそうなほどのラインナップのなかでもつい手を伸ばしてしまう、ひのさんの“定番メニュー”をご紹介。
ひのさんのスタメンパン
ザックリ食感とスパイス香るカレーが自慢のベストセラー
「カレーパン」
ひのさんの一押しは、なんと毎日600〜700個を売り上げるという、ツオップを代表する人気者「カレーパン」。挽肉、金時豆、マッシュルーム、フライドオニオン、それに15種類のスパイスを使ったカレーを、ちょっと甘めのパン生地で包み込み、外にまぶしたパン粉がザクザクになるまで揚げてある。とにかく数が出るので、店頭に並ぶのは常に揚げたてだ。(230円)
ひのさんも「カレーパンは揚げたてを、冷める前にぜひ! 揚げ色濃い目でザクッと香ばしい生地と、スパイスの香りが良いカレーは、おすすめした人みんながファンになります」とコメント。プレーンなカレーパン以外に、カツの入った「カツカレーパン」(260円)も! パン粉はカレーパン用に開発したものだそう。
オリジナル酵母を使ったバゲットは、大人も子ども楽しめる味のバランスが魅力
「パンオフリュイ」
カレーパンと並んでひのさんが「あれば毎回必ず買います!」というパン。フランス産小麦と、ぶどうから採取したツオップオリジナル酵母を使ったバゲット生地には、ブルーベリー、クランベリー、胡桃が詰まっている。「噛むほどにドライフルーツの甘味や酸味、クルミのほろ苦さが口の中に広がります」と上田さん。もっちりしているけれど食べやすいので、ハード系好きの大人も、ふんわり好きの子どもも楽しめる。(260円)
焼きたてパンをさらにおいしく! クラシカルな欧州家庭料理が楽しめるカフェメニュー
「ルーエプラッツ ツオップ」のカフェメニュー
ひのさんが「パンとお料理を楽しめるカフェのメニューもおすすめ!」と太鼓判を押す、2階のカフェ。なんと朝は7:00から朝食メニューが食べられる。フランスの家庭料理をイメージしているというメニューは、季節に合わせた野菜たっぷりのもの。5日間塩漬けにした豚バラ肉を3時間煮込み、キャベツやじゃがいも、大根、人参を加えた「ポテ」(1,139円)はまさに絶品。クリーミーな「若鶏のマスタードソース」(1,250円)や、豚肉をトロトロになるまでじっくり煮込んだ「豚肉の無花果ソース煮」(1,389円)などは、ソースをパンで拭って食べられるようにと考案されたものだそう!
1階から焼きたての多彩なパンがやってくるのも、このカフェの大きな楽しみ。「プレート」にはバゲットやベーグルなど、料理に合わせたパンの盛り合わせがついてくる。「お気に入りをチェックして、帰りに1階で買って行っていただければ。10種類以上のパンに3種類のペーストやジャムがついた『Zopfパンセット』(666円)や、ライ麦パンに挑戦してみたいけれど、1個買って帰るのには勇気がいる、という人のために『ライ麦パンを楽しむ』(1,111円)というセットも用意しています」(上田さん)。
取材班が見つけた、「あ、これも食べたい!」
“甘パン”派も納得の、各種デニッシュ
ツオップは甘いパンも充実。さまざまな果物やチーズなどと合わせた、個性豊かなデニッシュは、さっくりした歯ごたえと、滑らかな口どけの生地が自慢。「チーズのデニッシュ」は自家製アーモンドクリームと、毎朝一番に作られる甘さ控えめのカスタードクリームの上に載せられたクリームチーズが好相性。カスタードクリームとフルーツを組み合わせた、バターたっぷりのブリオッシュ類もおすすめ。
SHOP INFO
パンと暮らす毎日の幸せを実感できる、賑やかな空間
次々と焼きたてが追加されるテーブル。種類の多さに圧倒される!
テーブルの上には多彩なパンが常時200種類ほど。2000年に代替わりし、「ツオップ」として装いも新たにオープンした時に、平台に並べる現在のスタイルになったとか。ベーグルサンドやラップ、ボリュームたっぷりのおかず系サンドイッチなども充実。仕事帰りの男性陣にも大人気!
「ルーエプラッツ」とはドイツ語で「くつろぎの空間」の意味。
2階のカフェは、アンティークの家具や建具を使った、温かみのあるインテリアも魅力のひとつ。1階の世界観を反映させた空間に下げられたペンダントランプのシェードは、ヴェネツィアで作ってもらったもの。心地良すぎて、つい長居したくなる!
取材・文:山下紫陽
写真:ミヤジシンゴ