今日から使えるギョーザプランニング

餃子の魅力にとりつかれ、気づいたら648日(9月3日現在)餃子を毎日欠かさず食べています。

この記事では、そんな私の日常の“ギョーザプランニング”をお届けする事で、「今日このギョーザ食べに行こうかな!」と思っていただくために書く、全編妄想の記事です。

Vol.12 もしも、大学生から「就活をせずに起業しようか、迷っています!」と言われたら?


連日暑さが続き、残暑といえども30℃超えが続いています。餃子とビールがまだまだおいしい季節が続きますね。そんな中、先日イベントで知り合った大学生から相談がきました。「起業したいのですが、まずは企業に就職をした方が良いのでは?と周りから言われて迷っているんです」と。

 

そんな人生の転機にも、信じてやまない餃子の力を借りて、社会人の先輩としてギョーザプランニング! 改めてお伝えしますが、この記事は全編妄想記事です。さあ妄想スタートします!

ギョーザプランニングは喜ばせたい相手を考える事から

「“ターゲットインサイト”って何ですか?」と、大学生から質問されました。知っている横文字をドヤっと並べるのは広告業界の悪い癖。相手の気持ち、つまり「伝えたい相手が心の奥底で本当に考えているであろう事」を“ギョーザプランニング”では最初のステップで考えます。今回は進路に悩む男子大学生の悩みと深層心理をイメージしていきます。

「起業」と「就活」の狭間

「ゼミで数社の企業研究をして、インターンも経験したのですが、僕なりに社会課題を解決したくて、就職でなく起業しようと考えているんです!」と語る彼。自分が就活をしていた10年前には考える事ができなかった選択肢。大学生でここまで進路が明確な事に驚きます。

 

ただ彼はこう続けてくれました。「公務員の両親は、いきなり起業じゃなくて、まずは一般企業に就職したら?と。もちろんその意見も分かるんです」。両親の心配する気持ちを理解しているからこそ、彼は迷ってしまうのだと分かってきました。

自分が信じる事を貫く「マニア」であれ

いきなり起業をする事にご両親が心配するのも分かるし、僕が親なら同じようにアドバイスをしてしまうだろう。だけど、今は時代も変化していて、いつでもリスタートできる時代であるとも感じています。だからこそ「起業して早く社会課題を解決したい!」という彼の本音を何よりも大切にして欲しいんです。

 

そこで僕は、自分が信じる事を妥協せずに続ける「マニア」な餃子店に連れて行く事で、彼自身が信じる道へと進めるように後押しをしたいと思い立ち、今回のコンセプトが明確になりました。

悩める大学生の背中を後押しするための餃子とは?

彼の起業への一歩を後押しするために選んだお店が、西荻窪にある「ギョウザマニア」。自らを「マニア」と言い切るあたりに餃子への覚悟を感じます。


「なぜ西荻窪?なぜ餃子?メニューの五たてって何?」と、店に入るやいなや大学生は疑問を持つはず。早速その真意を少しずつ伝えていきます。

オーダーを受けてから皮を伸ばし包む、手間隙をかけ過ぎた餃子

「ギョウザマニア」最大の特徴は、何と言っても全ての餃子を作り置きせずに、注文を受けてから皮を伸ばし、一つ一つ手包みしていく事。このあえての手間隙こそがお店の真髄であり、美味しさの秘密です。

なぜこんなに面倒な事をするのでしょうか? 原点はオーナーの天野さんが北京で勤めていた際に、屋台で出ていた餃子屋さんでの体験から。「注文してから皮を伸ばして手包みする工程と、出来上がった餃子の美味しさに感動しました。レシピではなくて、この体験自体を日本の人にも味わって欲しい」。そんな想いと体験を北京から持ち帰り、ギョウザマニアのコンセプトが決まったそうです。

天野さんが“感動体験”を大事にし続ける事でお店を成功させたという事を彼には伝えたいです。同じように、彼が感じている「社会課題を解決したい!」という強い想いもきっと間違っていないはず。だから、信じて突き進んで欲しいんです。

「マニア」であり続ける事で出来上がる餃子

「本当にそれが正解なのか?」とあらゆるレシピや料理の常識を1つずつ疑い、幾度となく実験を繰り返してきた天野さん。しかしこれで完成ではなく、今もなお研究は続いています。

 

「自分たちが信じる事を続けていれば、決まりきったレシピは関係ないんです。信じる事を繰り返すだけです」。この信念こそ僕自身が伝えたい事であり、彼の迷いや不安を消す糸口になってくれればと思っています。

ギョウザマニアの餃子ストーリーに触れてもらったところで、すかさずメインの餃子で大学生のお腹を満たします。

 

なんとも綺麗な羽根です! できたての皮は他では出合った事がないほどのモチモチ感。さらに皮の美味しさを引き立たせるため、餡に入れるキャベツから水分をこれでもかと出し切り、肉の旨みは全てキャベツに吸収させます。

こちらの餃子はタレをつけなくても十分美味しいですが、オススメは特製ラー油。干し海老の風味が辛味と相まって餃子の旨さを倍増させます。

もちろん水餃子も皮から伸ばして一つ一つ手包み。モチモチの食感はそのままに、ツルッとした舌触りがたまりません。こちらは中国の黒酢をかけて。

いつも餃子を考える「マニア」であれ

「いつも餃子の事を考えている状態がギョウザマニアでしょうね。人とは違う事をあえてやり続けていきたいです。結果として、自分たちの餃子がお客様にとってわざわざ食べに行きたいと思う体験になったら最高ですね」と天野さん。

 

就活だけでなく働き方にも正解がない今の時代。なんとなく周りに歩調を合わせるのではなく、自分が感動し信じたものにチャレンジする事は何にも代えがたい経験になるはずです。思いを貫く事で、周りまで動かすような人になってくれる事を彼には期待しています。

今回のギョーザプランニング

今回のギョーザプランニングは、起業と就活の狭間で悩む大学生に向け実施しました。ギョウザマニアの餃子に込められた熱量で、起業の後押しができたらいいなと。なんなら僕も励まされた気がしました。

 

さて、「誰かを誘って西荻窪に餃子を食べに行こうかな! 」と思ってくれた人がいたら、今回のプレゼンは大成功です。僕も早速また食べたくなってきました。

取材・写真・文:池山千尋