たまごのコクがしっかり!なプリン

こちらがKEOkeo.のプリン(660円)

そして、この凛とした表情のプリン。食べる前からハリを感じます! しっかりとした弾力があるものの、口あたりはなめらかで、のどをトゥルンと通過していくのが心地よくて……。たまごのコクをしっかり感じるくらい濃厚で甘さは控えめ。カラメルはしっかりとビター。こりゃあおいしい!

苦みの利いたカラメルがたっぷり

期間限定プリンもおすすめ

とうもろこしプリン(880円)

そして、KEOkeo.は定期的に期間限定のプリンが楽しめるんです。取材時の限定プリンはなんととうもろこし(現在は終了)。実は、今夏、巷ではとうもろこしのプリンが続々と出てきており、例外なくKEOkeo.でも食べられました。

コーンなプリンはじめて! とうもろこしたっぷりプリン

プリンをよく見ると細かくとうもろこしが

とうもろこしのプリンは、オーダー時にパルメザンチーズとブラックペッパーを振りかけてよいか確認してもらえました。まっしろな見た目のプリンの上に、炙られたとうもろこしがのせられています。炙られたとうもろこしの香ばしさを楽しみながらプリンをぱくり! 通常のプリンよりもやわらかで甘さ控えめ。スイーツというよりは食事よりで、とうもろこしの自然な甘さを堪能できます。

みたらし団子がちらり

とうもろこしの裏にはみたらし団子が隠れており、もっちりとした食感がアクセントに。

プリンへのこだわりとは?

今回はオーナーの今野さんにお話を伺うことができました。

プリンは甘さ控えめ

プリン王子「ミートボールとドーナツのお店なのにプリンが本当においしいですよね! こだわりのポイントを教えていただけますか?」

今野さん「ありがとうございます! こだわりポイントは、奄美大島産のきび砂糖を使用しているところです。実はドーナツにも同じ砂糖を使用しておりまして、グラニュー糖にすると、プリンとドーナツを一緒に食べた際にプリンだけ甘く感じてしまうのでは?と感じ、ドーナツに使用しているものと同じ糖度の低いきび砂糖を使用することにしました」

店主の今野さん(左)

プリン王子「個人的には甘さ控えめのかためプリンが好みなのでうれしいです。最初からメニューにプリンを用意されていたのですか?」

今野さん「私もかためのプリンが好きで、お店を作る時にはプリンもメニューにしようと思っていました。オープン当初からメニューに入れてました」

プリン王子「店名のKEOkeo.の由来って何なんでしょうか?」

今野さん「現在飼っている愛犬の名前がケオだったのでそこから来ています。このエリアはワンちゃんを飼われている方が多いのですが、ワンちゃんと一緒に過ごせるカフェがそんなになかったので、お店を開くならワンちゃんと一緒に利用できるお店にしようと思って名づけました」

プリン王子「すてきな理由ですね。ちなみにもともと飲食業界にいらっしゃったんですか?」

今野さん「いえ、もともとは別の業界で接客業でした」

ドーナツは数種類から選べる

プリン王子「そうだったんですか! ドーナツもプリンもすごくおいしいので、ずっと飲食業界でやられていたのだと思ってました。なぜお店を始めようと思ったんですか?」

今野さん「もともとお菓子づくりが好きでずっと自分で作っていたんです。私は宮城県出身なのですが、震災の際に誰かの役に立てることが何もできず悔しい思いをした経験がありました。それをきっかけに、もっと人を笑顔にする仕事がしたいと考えるようになり、自分の力でと考え飲食業界への転職も視野に入れていたのですが、なかなか踏ん切りがつかずにいました。そんなときコロナ禍がやってきて。人生は一度きりだし、やりたいことをやろうと一大決心をして今にいたります」

と、優しい笑顔で教えてくれた店主の今野さん。「KEOkeo.」はそんな今野さんの人柄の良さが滲み出るすてきなお店です。そして、今日もたくさんの人を笑顔にしています。

※価格は税込。

文:池畑孝資、食べログマガジン編集部
撮影:佐藤潮