【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#165】「モダンスパイス 虹の仏」

スパイスカレーの聖地大阪でミシュランビブグルマンを獲得した名店「虹の仏」のシェフである伊東さんが、モダンテイストも含めた自由な創作スパイス料理をコースで楽しんでほしいとスタートさせた「モダンスパイス 虹の仏」。コロナ禍もあり長らく休んでいたのですが、2024年4月15日より、千日前の地に移転して見事復活を遂げました。

お店は久富千日プラザの2階

場所は雑居ビル内なのですが、さまざまな飲食店が軒を連ね、人気店も複数存在する久富千日プラザの2階。

カウンター

復活にあたって予約制のコースのみならず、席さえ空いていればアラカルトの立ち飲みも楽しめるようになったということで、今回はアラカルトからさまざまな料理を食べてきました。

ドリンクはワイン推し。シェフ自身が日本各地で見つけてきた珍しく、そしておいしいワインが取りそろえてあります。

「グラスワイン」

「グラスワイン」700円をおまかせでオーダーすると、徳島産の自社栽培の葡萄でつくったという生産数限定44本のレアなオレンジワインを用意してくれました。非常に飲みやすく、料理の邪魔をしない味わいでありながら個性ある風味。バランスの良いワインです。

「春菊とイチゴのマスカルポーネあえ」

まずは「春菊とイチゴのマスカルポーネあえ」600円を。こちらは春の定番メニューであり、イチゴの甘みと酸味、マスカルポーネの甘やかなコク、春菊の程よい苦みが三位一体となったもの。フルーツ使いの妙も虹の仏の特徴の一つと言えるでしょう。

「ビンチョウマグロのカルパッチョ」

続いて「ビンチョウマグロのカルパッチョ」600円。生魚をスパイス仕立てで調理するお店は今でこそ全国的に少なからずありますが、僕が初めてそれを食べたのは虹の仏でした。和食の経験もあるシェフだからこその逸品で、チャットマサラを上手に使ったカルパッチョは、醤油で食べるよりもおいしいと感じます。

「出汁キーマリエット」

メニューは日替わりでその日仕入れたものから色々と出すということのようですが、定番メニューとしてほぼあるのが「出汁キーマリエット」400円。こちらは虹の仏の看板メニューである出汁キーマをリエット状にし、クラッカーと共に楽しむ逸品。鰹、イリコ、昆布のだしを使用したうまみが爆発したキーマ。虹の仏の出汁キーマの面影はありつつも違った着地点となっているのも楽しいです。

「黒毛和牛ホルモンカレー」と「チャパティ」

〆に「黒毛和牛ホルモンカレー」600円を「チャパティ」200円で。ホルモン煮込みがカレーとなった形なのですが、和食のようでもあり洋食のようでもあり、さらにはインド料理のようでもあるという面白いテイスト。先述したように和食経験のあるシェフなのですが、イタリアンの経験もあり「洋食いとう」という洋食店も手掛けていることから、すべての経験がこちらの料理に活きていることがわかります。

カレーですがつまみとしてワインも進むおいしさであり、チャパティとも相性が良くカレーとしても満足感が高くて素晴らしいです。

他にも色々と大いに食べ、飲み、いざお会計となった時に、安すぎて驚きました。そもそも以前のモダンスパイス虹の仏のコースも内容を考えると安すぎるくらいだったのですが、さらに安い印象です。リーズナブルに一流の料理を味わえる希有なお店だと言えるでしょう。

店内には立ち飲みスペースもあり

店内はカウンターのみ6席。基本はコースメインで椅子席は予約優先とのことですが、立ち飲みスペースもあって気軽に利用できるので、予約するのが苦手なタイプの方にはとてもうれしいお店であり、軽く1軒目としても、はしご酒の〆としても使え、以前よりも多角的なニーズに応えてくれるお店にブラッシュアップ。

とにかくおいしいものを飲み食いすることが好きで、さらにそれを作ることも好きなシェフだからこその、もっと気軽に面白い料理を楽しんでほしいという気持ちから進化したモダンスパイス虹の仏。

大阪のカレーシーンを代表するシェフの新たなる試み。カレー好きのみならず、おいしいもの好き、お酒好きならすべからく要チェックです!

※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部