【第4週のカレーとスパイス】カレーおじさんのイチ押しはコルマカレー! 隠れカレー激戦区の名店「新川デリー」が移転オープン

外観

隠れカレー激戦区である中央区新川において、数多あるカレー店の先陣を切った存在と言える「新川デリー」が2024年2月20日に同じく新川の地で移転オープンしました。

簡単に新川デリーの歴史をまとめると、カレー好きなら誰もが知る老舗「デリー」(1956年開店)にて長年料理長を務めた浅野さんが、のれん分けという形で新川デリーを2001年に開店。現在のようにカレー専門店がひしめき合うようになる前から人気店でしたが、建物大家による土地売却のため2023年7月に惜しまれつつ一時閉店。そしてこの度の移転復活となりました。

内観

最寄駅は茅場町のまま。1番出口より4番出口の方が近くなりましたが、川沿いにあるお店は前店舗からも徒歩圏内。外観はわかりやすくデリーのロゴも見えることに安心感をおぼえます。

コルマカレーのアップ

デリーと言えば激辛のカシミールカレーが有名でありそちらもおいしいのですが、僕が一番好きなのはコルマカレー。

今回は「コルマカレー」1,200円を、ライス(ハーフ)でいただきました。

「コルマカレー」とライス(ハーフ)

玉ねぎの甘みと鶏肉のうまみ、そしてスパイスが三位一体となったカレーは辛いものが苦手な方にも食べやすく、スパイシーなものが好きな方にも満足度の高い仕上がりで、一般的なカレー好きから熱心なマニアまで老若男女に愛される味。この安定感あるコルマと突き抜けた辛さのカシミールの二本柱があるからこその長年の人気なのです。

副菜で味変を楽しむのも◎

卓上にはきゅうりのピクルスと玉ねぎのアチャールもあり、こちらで味に変化を出しながら食べていくのがおすすめ。

ご飯の量は通常で300gとかなり多いのでハーフでも十分。ハーフにすると50円安くなるのもうれしいポイントです。

特徴的なビジュアルのチーズ

移転前は卓上サービスだったチーズですが、移転後は有料トッピング(60円)となっています。このチーズこそが新川デリーらしさだと僕は考えていて、新川デリーを他のデリーよりもさらに好きだと思う理由の一つ。

カレーとご飯の熱でチーズの食感も最高に

どこか懐かしいテイストのチーズはご飯の上にのせてカレーをかけて食べるのがおすすめ。程よくとけたチーズの濃厚さが、カレーライスの満足度をさらに高めてくれるのです。

新川デリーの特徴はチーズのみならずサイドメニューも充実していること。

「シークカバーブ」

「シークカバーブ」400円はオーセンティックなテイストで羊肉のおいしさを堪能できます。これをつまみにビールを飲むのも良いですし、カレーと合わせてトッピングの具として楽しむのも良いでしょう。

見た目が華やかなカレーが増えた令和の現在ですが、シンプルな見た目で圧倒的なおいしさを貫いているお店。行く度にそのすごさに感動します。

日本のカレーの老舗と言えば、インド式のカレーを日本で最初に紹介した「新宿中村屋」、日本最古のインド料理専門店「ナイルレストラン」、数多くの名店のシェフが修業した「アジャンタ」、そして「デリー」が四天王的存在と僕は考えています。その中でも、ナイルレストランやアジャンタはオーセンティックなインド料理を主としているのに対して、新宿中村屋とデリーはそこに日本独自の工夫を加えているカレーが多いのですが、新宿中村屋は純印度式カリーをポリシーとしているのに比べてデリーは自由度が高く、インドカレーという以上に「インド風カレー」だと言え、コルマもカシミールもその範疇にあると言えるでしょう。そういう意味では東京に古くから存在し続けているインド風カレーの元祖とも言える存在がデリーであり、その正統なのれん分け店が新川デリーなのです。

「シークカバーブ」はカレーのトッピングにも、おつまみにも最適

移転前を知る方はもちろん、知らない方も是非行ってみてください。他のデリーとはまた違う、どこかアットホームな魅力が新川デリーにはありますから。僕自身、これからも通い続けたい大好きなお店です。

【第5週のカレーとスパイス】スパイス飲みの新スポット! 銀座の名店出身シェフの味をリーズナブルに楽しめる注目店にカレーおじさん大感動「氵」(サンズイ)

仲間と飲みに行こうという話になった際にカレー屋さんで飲もうかと言うと「飲めるの?」と驚かれることが多いのですが、カレーとお酒の相性はとても良いです。味もさることながらカレーにはターメリック、つまりウコンが使われていることが多いので悪酔いしにくくなるとも言われています。

外観

もちろんカレースタンド的なお店でゆっくり飲むことは難しいですが、お酒を飲むためのスパイス料理や〆のカレーが充実しているお店も少なからずあるということはカレーマニアの間では常識となりつつあるものの、まだまだ一般層には浸透していないのが現状です。今回ご紹介する「氵」はまさにそんなお店。2024年1月20日にオープンした新店舗です。

レコードの流れる店内

落ち着いたカフェやバルのような雰囲気。レコードの音が心地よく響く素敵な空間でくつろげます。

カウンターもテーブル席もある

まずは「あん肝とあおさのブルスケッタ」300円(1個)と「炙り〆鰯と野菜サラダ」700円からスタート。これに合うお酒をおまかせで頼んだところ、島根県は出雲の「天穏」900円を燗酒で用意してくれました。

「あん肝とあおさのブルスケッタ」

おつまみはどちらもお酒が進む濃いめの味付け。ブルスケッタやサラダは洋食の雰囲気ですが、その中にあん肝、あおさ、炙り〆鰯という和を感じさせる食材があり、だからこそ日本酒との相性がとても良いのです。

「炙り〆鰯と野菜サラダ」

聞けばマスターは銀座の名店「六雁」で4年、その後日本酒とスパイス料理の人気店である代々木公園の「酒坊主」で1年半働いていたという経歴の持ち主。日本酒の知識も和食やスパイス料理の知識も豊富なことに深く納得しました。

「天穏」

ならばスパイスをメインとした料理も、ということで頼んだのは「サフォークラム肉のスパイスマリネロースト」1,000円。これが絶品!

「サフォークラム肉のスパイスマリネロースト」

ラム肉の味の良い部分がシンプルなスパイス使いによって引き立てられ、マリネすることで肉肉しすぎるクセの部分は抑え、尚且つ消さずに程よく残しているという絶妙な塩梅。肉だけ食べておいしく、添えられた野菜と一緒に食べればさらにおいしいという一品。羊好きにはたまらない料理であり、羊が苦手という方でも羊の魅力に気付ける料理だと言えるでしょう。

〆の「スパイスカレー」700円も2種類。牛すじカレーとバターチキンカレーがあるということでどちらも注文。

牛すじカレー

牛すじカレーは洋食的なカレーに近い味わいで、バターチキンはインドのものよりもスパイスカレー的な仕上がり。カレーもまたお酒の進むしっかりした塩の決め方で、濃いめの味が好きな方にストライクなテイストです。カレーに合うよう硬めに炊いたご飯や添えられた副菜にも手抜きがありません。

バターチキンカレー

デザートに「ふきのとうとナッツのカカオケーキ」300円も。こちらは優しく柔らかいテイスト。ふきのとうの苦みがスパイスのようなアクセントとなっていて良いです。

「ふきのとうとナッツのカカオケーキ」

お会計してみると想像よりかなり安くて驚きました。心配になるくらいの価格だったので思わず「安すぎません?」と聞いてみると、「こちらのエリアの飲食店が平均的に安い価格なので、それに合わせて頑張っています」とのこと。

東長崎駅というと西武池袋線沿いの住宅街にある駅であり、在住在勤の方以外はなかなか利用することが少ない駅かと思いますが、池袋からもすぐです。リーズナブルにスパイス飲み、カレー飲みを楽しみたいならわざわざ電車に乗っていく価値のあるお店であり、電車賃以上にお得だと太鼓判を押しましょう。

銀座の名店、そして代々木公園の人気店で修業したシェフの料理が廉価で楽しめるお店。スパイス好きもお酒好きも、要チェックです。

※価格はすべて税込です。

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部