これがインドネシアのポピュラーな定食「ナシチャンプルー」だ!

そんなサテリリットを主役に据えたナシチャンプルー(定食)が完成しました。沖縄のチャンプルーとも同じ「混ぜる」を意味しますが、決してご飯とおかずをぐっちゃぐちゃにするのではありません。おかずをご飯にのっけたり、サンバルを付けたりと、色々合わせながら楽しむものです。

ナシチャンプルーは1,000円。こんなに手間をかけたおかずがモリモリなのに、安すぎる……!

おかずは、鶏もも肉の煮込み、ルンダン(牛肉と金時豆のスマトラ風煮込み)、ラワール(蒸しインゲン豆とバリニーズスパイスの和え物)、アヤムサンバルマタ(鶏ムネ肉とバリ島サンバルの和え物)、茹で卵のブンブーメラのせなど単品メニューをアレンジした6種。

特に緑色の「ラワール」がめちゃくちゃおいしくて、作り方を根掘り葉掘り聞いてしまったほどです。家で絶対再現できないけど(笑)。

 

猫田さん

ラワールはインゲン豆とホウレンソウをニンニクやショウガ、唐辛子などで和えた料理で、ココナッツのシャキシャキ感がクセになります。ビール下さい!と言いたいのを我慢しました。

写真右の、添えられたサンバルマタもめちゃ辛&めちゃ旨で、ご飯につけたり肉にのせたりして使い尽くしました。

基本的にインドネシア料理は辛くないのですが、このサンバルマタは青唐辛子が入っていて爽快な辛みがあります。レモングラスの香りも利いているので辛いもの好きならそのまま食べても。

 

猫田さん

このサンバルマタ(生チリソース)も販売しています! 100g 500円。自宅でインドネシア飲みができますね。

日本でも食べられる店は少ない伝統料理「ペペスイカン」とは

ランチメニューに「ペペスイカン」とあるので何なのか聞いてみたら、「多分これがある料理店は日本でも少ないね」とのこと。マグロやハマチなどをバナナなどの葉で包み、ハーブと共に蒸し上げたインドネシアの伝統メニューです。

魚の下処理や蒸し上げに時間がかかるので、そんじょそこらのインドネシア料理店ではあまり出していないのだとか。

この日はハマチを使い、例のブンブークニンとともにバナナの葉で包んで網の上で蒸し焼きに。レモングラスの良い香りが立ちのぼります。

 

猫田さん

さっきつくねの隣で焼かれていた四角い物体は、ペペスイカンだったのですね! 蒸し焼きに結構時間がかかるらしい。

ペペスイカンもライスとサンバルマタ付きで、890円

けっこうマニアックな料理ではありますが、「インドネシアで食べたあの味を!」と、目当てに来るペペスファンも多いそうです。ディナーでも単品でいただける人気メニューだとか。

ソースが魚にしみ込んでおり、身がホクホク。葉の香りが付いてエスニックな味わい

葉をぐしぐしと開けると湯気と共にハーブの良い香りがほわ~んと。ハマチやマグロなどの臭みがある魚もハーブ効果で全くにおいを感じない。安価な魚をおいしく食べる知恵から生まれた料理なのでしょうね。これもライスにオンしたり、サンバルで味変したりと楽しめます。

「本場よりおいしいのでインドネシア人もビックリです」とイ・ワヤンさん

近所の方は「バリ料理だから」というより「おいしいから」食べに来るのだそう

ランチもディナーも地元の方が多いそうですが、わりと高齢者も多いこのエリアで受け入れられているのかしら……?と疑問を投げかけましたら、「おじいちゃんおばあちゃんもよく来ます。こないだは、80歳近くの女性が4人で食べに来ました」というからビックリ。

なんでも、「いつも気になってたので試しにみんなで来てみた」とのこと、しかもナシゴレンを食べて「あら~おいしい」と喜んでいたそうです。確かにインドネシア料理って日本人の口に合いますよね!

しかもイ・ワヤンさんは「肉や魚は日本の新鮮ないいものを使っているので、多分現地よりおいしい。インドネシア人もビックリです(笑)」とのこと。日本に住んでいる同胞もよく食べに来るそうです。

 

猫田さん

私は夜も行ったことがありますが、「テンペゴレン」(大豆肉の揚げ物)、「マルタバク」(スパイシーなクレープ)、「テロンカラサン」(焼き茄子のイエローココナッツソース)など未知の美味だらけでした!

※価格は税込。

撮影:東谷幸一
文:猫田しげる