それぞれの個性が光る、こだわりの自家製のパスタ

乾麺も使用するが、具材やソースの味との相性や目指す味で手打ちのパスタと使い分ける。

加えて「特にロングパスタの場合は、手打ち麺という印象が残るように、見た目、食感、味わいを考えながら打っています」とのこと。メインはもちろんだが、このパスタにも秋野シェフの哲学が凝縮されている。

平打ちの手打ちタリオリーニ。ロングパスタはしっかりした歯応えで楽しんでほしい、とセモリナ粉と卵白だけで打っている
手打ちのオレキエッテは強力粉と塩だけで、もっちりとした食感に仕上げている
 

武智さん

ソースと絡まりつつもツルリとした喉越しの良い乾麺もおいしいです。しかし、ソースとの相性をさらに高めた印象深い一皿を目指す秋野シェフのパスタは必食の価値ありです。

具材の個性を生かす。作業の一つひとつが味わいを生む

パスタは具材やソースによって量が変わるが、多くは80gで仕上げている。時間が経っても味わいが損なわれないように、塩は控えめに仕上げる。歓談のための食事の場という利用のされ方も考えてのことだ。

ニンニク、唐辛子を加熱したオイルで使用するヤリイカの1/3を炒めたフライパンに、80gのタリオリーニ、イタリアンパセリを加え混ぜ合わせる
別のフライパンで香ばしくなるまでしっかりソテーしたヤリイカを加え、さらにしっかり絡める。最初から入るヤリイカはパスタにうまみを移すためのもの。ソテーしたヤリイカは香ばしく焼けた香りを立たせるためのもの。フライパンを別にして調理するのが秋野流だ