心つかまれる! 武智さんおすすめのメニューをご紹介

見た目も味も別格! 人気のバラちらし寿司は予約必須

バラちらし寿司(2人前)6,000円

元々は修業時代に賄いメニューとして考案したもので、いつしかお店の名物になったという「バラちらし寿司」。トロ、マグロ、海老、白身2種、卵焼き、いくら、きゅうりがあしらわれ、箸を伸ばすのがためらわれてしまう麗しさ。しかし、臆せず口に運べば、ご飯のおいしさにもうっとりだ。刻んだかんぴょう、椎茸、ガリ、そして飛び子が忍ばせられていて、正直、このご飯だけで十分においしい。年末のみ予約販売していた名物だそうだが、今年は10月以降に予約販売も。1人前3,000円、2人前6,000円、4人前11,000円となっている。

 

武智さん

見目麗しくあしらわれたネタ、しっかりと味付けされたご飯。どちらもそのおいしさは言うまでもありません。エイヤと箸を入れ、一緒に頬張ればおいしさが絡み合い、至福のおいしさ。しかし、上にあしらわれたネタで酒を飲み、〆にご飯で大満足。そんな楽しみ方もできる逸品です。

10月以降は予約販売もするそうなので、気になる方はお電話を

クオリティは価格以上! サービスランチもおすすめしたい

ランチも夜のコースと同じ魚体を使用する。ただし、使用する部位を変えたり、漬けにしたりすることでリーズナブルに提供。そして、ランチは食べ応えがあるようにと1貫を約25gのシャリで握るそう。その心遣いがうれしい。

国産生マグロの赤身漬けを握る。湯霜にしてから醤油ダレに漬け込むことで、ねっとりとした口当たりと、かむほどに旨みがにじむ味わいを実現。これがランチで食べられるなんて!
真剣な表情で握る大将。実は笑うと可愛らしい。そのギャップもいいんです
サービスランチ(お椀・デザート付き) 2,000円 この日は、(左から)かんぴょう、赤身漬け、鯛昆布締め、中トロ、炙りトロ、縞鯵、カツオ、平目、白イカという組み合わせ(内容は仕入れによって変わります)。お椀はエビの頭やアラを使った味噌汁のことが多いそう
 

武智さん

目白周辺にいて、気軽においしいお寿司を食べたいとなればまず浮かぶのがこちらのランチ。きちんと江戸前の仕事がなされ、しかも食べ応えある内容で2,000円。一度食べれば、足繁く通うことになるはずです。

お酒と共に楽しみたい。夜の握りは大将にお任せ

ランチにはない、ちょっと贅沢&手間暇かかるネタが楽しめるのが夜のコース。3枚付のシンコは酸味と旨み、そしてほのかな苦みのバランスが心地よい。穴子はふっくらと煮られ、甘さを少し抑えたツメが穴子の風味を引き立ててくれている。どちらも頬張った瞬間、笑顔になる逸品。そしてウニ。塩水ウニが仕入れられる間だけ、つまり夏(6〜9月くらい)の限定美味。ウニ本来の甘さ、香り、とろりとした食感を楽しませてくれる。

左から、3枚付のシンコ、塩水ウニ、穴子
 

武智さん

握りだけのものから一品料理が数種付くものまでコースは6,800円〜4種用意。一品料理とお酒の相性が抜群なのは言うまでもないですよね。試してほしいのが、握りと合わせてお酒を楽しむという味わい方。程よく酢が利いたシャリは、旨み・甘味のある日本酒と相性が良いのです。口に残る酢の感じやネタの脂と日本酒の旨みが絡み合い、余韻を残しながらスーッと消えていくんです。日本酒は香り系から旨み系まで10種ほど用意されているので、まずは好みのお酒で楽しんでみてください。

一度行けばわかる。通いたい極上の町寿司

スタートは屋台で、かつては庶民の味だった寿司が高級なものになって久しいです。技術が上がり、ネタの質が良くなりと素晴らしくおいしくなっているので、致し方なし……な気もします。が、やはり、肩肘張ることなく、気軽に頬張りたいという気持ちも捨てられません。

凛とした外観ながら中に入れば柔らかな雰囲気で、経験豊富な大将が握るこだわりの詰まった渾身の一貫たちを、月に1度は足を運べる価格で頬張れる。きっと常連さんの中には取材を受けて欲しくないなあという方もいるだろうなあ。でも、近いうち私も常連になるんだろうなあ、と予感させる店。それがこちら、極上の町寿司「鮨あさづま」なのです。

※価格は税込です。

撮影:長尾真志
文:武智新平、食べログマガジン編集部