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口いっぱいに幸せが広がる! コースの中でも一押しの「ウニの小丼」
ここからはいよいよ寿司のご紹介。
「昼のお任せコース」は先付け3品、握り10貫、巻物1本、お椀、デザート、「夜のお任せコース」は先付け〜一品料理6品、握り10貫、お椀、デザートという構成。
コースの内容は、その日の水揚げ状況によって変わるため、何度訪れても飽きずに楽しめる。
丼で供されるスタイルが特徴的な「ウニの小丼」は、その時期に一番いいウニを、何も味付けせずそのままシャリにのせているため、ウニの味をダイレクトに楽しめる。
この日は北海道余市、キタムラサキウニの子供を使用。クリーミーな舌触りと口いっぱいに広がる磯の風味が贅沢な味わいだ。当然ながら、雑味や臭みなど一切なく、美しい色味そのままのクリアな味とも言える。季節や状況によっては、北海道利尻のバフンウニや、岩手、宮城のウニを提供することも。
早川さん
上質なウニが入った時は「口いっぱいに食べてほしい」と、軍艦巻ではなく小丼でウニをたっぷり出してくれます。しかも極上のウニなので、口の中が幸せでいっぱいに。少しずつ食べるのではなく、ウニを口いっぱいに頬張ることをおすすめします。舌の温度でウニが瞬時にとろけ、旨みのジュースに変わりますよ!
こちらも絶品! おまかせコースの中でも一押しの3品
濃厚肝ソースが抜群! 日本酒によく合う「アワビの肝ソース添え」
こちらもその日一番いいアワビを厳選(この日は宮城産)。鮑の口に酒を流し込んでから3〜4時間かけて蒸し上げ、自家製の肝ソースをたっぷりかけて提供される。口に入れるとふっくらやわらかな弾力を感じた後に、肝ソースの濃厚な旨みと香りが鼻に抜けながら広がっていく。
肝ソースは、鮑の肝を裏漉しし、卵黄と自家製の昆布醤油、マスタードを少し加えたもの。コクと風味がたっぷりで、ソースだけ舐めても酒のつまみになるが、残ったら少量のシャリを入れてリゾット風にアレンジしてくれるうれしいサービスも。
早川さん
千葉県大原産など、その日市場に入った最高クラスのアワビに特製の肝ソースを添えて出します。アワビも旨いけど、ソースも抜群に旨い。日本酒と合います。
自家製ソースがネタを引き立てる「カツオのたたき」
「カツオのたたき」は、千葉県勝浦産などのカツオを、提供する直前に串に刺して軽く炙り、自家製ソースをかけて提供される一品料理。
上質で新鮮なカツオのとろけるような旨みにも驚くが、かなりいい仕事をしているのが自家製ソース。淡路島産の玉ねぎのすりおろしと、昆布の根を一晩漬け込んで煮詰めた自家製の昆布醤油、鰹節を利かせた土佐酢を合わせてドレッシング状に仕上げている。
玉ねぎの甘みとともにニンニクに似た香りが広がり、コクとさっぱり感がカツオの味を引き立てる。
早川さん
新鮮なカツオに、ショウガではなくすりおろした玉ねぎを入れた自家製ソースをのせます。これがニンニクに似た香りで、カツオの味を引き立てます。
甘さと酸味のバランスが絶妙「フルーツトマトとあんずの紫蘇漬け」
最後にお口直しとして供されるのが「フルーツトマトとあんずの紫蘇漬け」。一般的に寿司屋のデザートといえばフルーツの印象があるが、この意外な組み合わせについて聞いてみると。
他店と違うものを出したいと考えていた時に、地元の親しい青果店の社長が提案してくれたのが、静岡産のフルーツトマト「待ってたトマト」だったそう。
青臭さは一切感じず、甘く濃厚な味わいはまさにフルーツ!
また、一緒に添えた「あんずの紫蘇漬け」は、乾燥あんずを前日から戻し、赤紫蘇を入れた蜜に漬け込んだもので、甘すぎずすっきりした後味が口直しにぴったり。年齢問わず女性客に大人気だとか。
早川さん
最後に出てくる口直しの一品ですが、フルーツトマトとあんずの甘さと酸味のバランスが見事。おかわりを食べたくなります。
上質な素材の味をシンプルに楽しめるものと、絶妙な加減でひと手間加えたもの。なんとも満足感の高いコースだが「お酒好きの人は、ぜひ日本酒とともに味わってほしい」と白川さん。
魚同様、新潟まで足を運び、現地でしか味わえない個性豊かな純米酒を6、7種取りそろえているので要チェックだ。
さらに驚くことに、こちらは子供連れもOKなのだ。4名以上で貸切可能なうえ、サーモンやいくらなど、子供が食べやすいメニューも事前に相談を承るという。
一人で気ままに美酒美食を堪能したい人から、小さな子供連れのファミリーまで、誰が訪れてもゆったりいただける最高の寿司。噂が広がって予約が殺到する前に、ぜひ一度足を運んでみてほしい。
※価格は税込