一流のみが認められる街、そして日本一格式のある繁華街とされる街、銀座。同伴後、銀座の出世街道を銀座のホステスと歩く、これって男性なら一度は経験してみたいシチュエーションですよね（多分……）。

 

「今すぐは無理かもしれない。でも成功した暁には……」

 

しかし、いざ同伴する機会が訪れたとき「いい店知っているよ。きっと気に入るから予約しておくね。」と余裕綽々で言える男性ってどのくらいいるんでしょうか。

 

「ど、同伴ってどこに行けばいいんだ!?」と慌てふためく人の方が多いんじゃないでしょうか（これはこれでキュンとするけれど）。

 

でも、プレッシャーを感じているうちは、同伴の“ド”の字も楽しめない！　せっかくお金を払うなら“ド”ヤッとしたい！

 

そんな愛すべき紳士たちに、優しく手を差し伸べてくれたのが「まだむ蝶」のフジコママです。

 

「ん？　フジコママって？」

 

フジコママは「ぎんざ紫」、「サロン・ド 慎太郎」出身、銀座に来て10年。2017年1月、10年来の仲間である理香ママ（「グレ」、「サロン・ド 慎太郎」出身）と共に、念願だった自分のお店を銀座にグランドオープンさせた方。

 

画面の前で、「……はぁ。」とぼうぜんとしている読者の皆さま。大変失礼致しました。とにかく、同伴で使えるお店を勝手に紹介したいと思います。

 

その前に、まずは皆さまの「？」を解決すべく、年齢不明、性別不詳、「妖怪」が褒め言葉と、謎の存在でしかない、フジコママ（♂？）の生態を解明します。

 

フジコママ（ときどき理香ママ）がわかる5つのキーワード

 

1：フジコとの出逢いは突然に……

 

編集部、以下・編　そもそも、フジコママはいつ“フジコ”デビューしたんですか？

 

フジコママ、以下・フ　水商売一本で生きていこうと決意した日がフジコになった日です。飛び込みで「サロン・ド 慎太郎」へ面接に行ったんですけど、その日は台風でした（笑）。

 

そこからはとんとん拍子。オーナーに「名前どうする？　フジコとナツコどっちがいい？」って聞かれて、「え～わかんない、わかんない、じゃあフジコで。」みたいな。ナツコじゃないでしょ。元気っ子なわけでもないし（笑）。

 

あれよあれよと決まったので「ああ、どうしよう。フジコになっちゃったよ。お母さんに報告しなきゃ。」って不安を抱えて帰宅しました。

 

編　母親にわざわざ知らせるなんて、なかなか律儀。喜んでくれました？

 

フ　複雑な心境だったみたいだけど、応援はしてくれました。でも、お店に呼んだことはありません。先輩に「親もどんなことしているのかわかってはいるけど、聞くのと実際見るのとは全く違うから絶対に呼んじゃダメよ。」って教えてもらって、今でも守っています。

 

編　そういう粋な不文律みたいなことで、守っていることってありますか？

 

フ　守っていることとは違うかもしれないけど、おかまの世界にも上下関係があるから、きっちりしてないとダメだとはいわれますね。義理人情の世界です。

 

編　筋を通さないとすぐに淘汰されるのは万国共通ですね……。

 

2：酒の一滴は血の一滴

フジコママと理香ママ

 

編　「夜の蝶」ってお酒が強いイメージですが。

 

フ　嗜む程度で……。

 

理香ママ、以下・理　うそですよ、これ！

 

フ　毎日浴びるほど飲んでいます……（笑）。二日酔いも毎日、いやほぼかな？　二日酔いの朝は辛ラーメンを作って、鍋でそのまま豪快にガッて。嫌だわ～。恥ずかしいわ。

 

編　たくましいおと……、いや、失礼。たくましい女性ですね。理香ママはそんなことない？

 

理　時々、記憶をなくすくらい……。おとなしいものです。

 

フ　普段カラオケしないのに、酔っぱらうと歌うんですよ。誰にも求められてないのに（笑）。サザンオールスターズさんの『TSUNAMI』とか。モノマネもする。求められてないのに（笑）。

 

理　お客様にスパルタで叩き込んでいただきました。Charaさんの『やさしい気持ち』もできます。でも、お店に来てリクエストするのはやめてください（笑）。

 

（『TSUNAMI』の話をしているとき、理香ママの口元が無意識に桑田佳祐さん風になってました。あの唇を開ききらない口の感じ！　あぁ、見せたい。また、『やさしい気持ち』の話が出たとき、フジコママがボソッと「優しい気持ちって大事」とひと言。何かあったのでしょうか!?　お店に行くときは“やさしい気持ち”で接してあげてください）

 

3：銀座は神社、ホステスは巫女

 

編　休日の過ごし方が気になります。やっぱりお酒を？

 

フ　それはもちろん（笑）ですけど、神社へ行っています。近所の神社には毎日足を運んでいますね。

 

関東なら鹿島神社が大好き。3カ月に1回訪れて、平穏な日々を過ごせるお礼と現状報告をしています。

 

「まだむ蝶」のコンセプトはパワースポットなんですよ。前のお店のオーナーに「私たちは巫女よ。だから吸い取りなさい、悪いものを。」って言われたんです。つまり銀座は大きな神社だと。

 

飲みに来てくださったお客様の悪いものを落として楽になってもらえる飲み屋さんにしたいです。うふふ。

 

編　理香ママも行くんですか？

 

理　行きます。でもフジコとはあまり行きません（笑）。というのも、先日、神社へ行く話をフジコにしたら「私も行く。」って言うから「一緒に行こうよ。」って誘ったんですけど「ごめん、そういうのはひとりで行くから。」ってかたくなに断られたんです。

 

フ　おひとりさまが大好物です。うふふ。ご飯もひとりが多いし。

（同伴にお薦めのお店を教えてもらう企画なのにそれじゃ困る。うふふと微笑まれても……と焦る編集一同）

 

理　ちょっと寂しかったから、別日に「あしたって暇？」って内容を伝えない誘い方をしたんです。少しイジワルしたくて。案の定「ちょっと用事がある。」って断られたから「そっか～。BIG BANGのライブがあって、チケットもう一枚あるんだけどな～。」って。

 

フ　そしたら「え!?　それは行きたい。というか行く！」ってね（笑）。即決です。

 

編　わかりやすい！　用事は大丈夫でした？

 

フ　はい。ネイルサロンだけだったんで（笑）。

 

編　孤高のフジコ、簡単に敗れたり。

4：座右の銘は「至誠」

 

 

編　フジコママと理香ママはどうして一緒にお店を出したんですか？

 

理　実は、「恵比寿でスナックをやらないか？」というお話を他で頂いていて。でもひとりでやっていける確証がなくて、心細かったので悩んでいました。そしたら、同じタイミングでフジコが「お店やらない？」って。

 

フ　一緒にやるなら理香かなって。とかいって。ふふふ。やっぱりすべてタイミングですから。

 

編　ということは、座右の銘を選ぶとしたら「タイミング」？

 

フ　座右の銘なら「至誠通天」ですかね。極めて誠実なこと、またその心みたいな言葉です。必ずお天道さんは見ているみたいな。本当かはわからないけど、そう思えば頑張れるから。

 

編　確かに。「これはちょっと」みたいなマナーが悪いお客様にも「至誠」を心掛けていますか。

 

フ　そういうお客様は“臭い”が付くから、縁が続かないようにする。程よい距離感ですかね。もちろん自分の行動と照らし合わせて反省するときもあるけれど、ないときもあるから。

 

編　物事を俯瞰で見ているんですね。後学のために教えてほしいのですが、もし言い掛かりを付けられたら、どうやって対処していますか？

 

フ　えっ、うそでしょって。

 

間の悪い自分、恨む。今日はタイミング、悪い日。明日に期待、さようなら。

 

ありがとうございません!!

 

って

 

全員（爆笑）。

 

5：１に体力、２に体力。３、４、５に体力

 

編　理想のママ像ってありますか？

 

フ　妖怪になりたい！　「あいつ妖怪だぜ」って指さしてほしい。既にいわれ始めているけど（笑）。年齢不詳でいたいです。

 

編　不詳って褒め言葉ですよね。妖怪を目指すフジコママが、水商売をしていて「最高！」と思う瞬間ってありますか？

 

フ　何も考えずに眠れるとき。大体二日酔いだからすがすがしい朝は迎えられないけど（笑）。家に着いたら、ベッドに倒れて完全燃焼状態で寝ます。

 

編　毎回リングの上で灰になっているような……。

 

フ　本当にそうです。大体みんなアスリート系。とにかく体力が大切な仕事です。テクニックやセンスがあったとしても、結局ね。

 

編　フジコママの体力ゲージが限界突破するときってあります？　やっぱり恋？

 

フ　いや～ん、ないからわかんない（笑）。1回は恋をしてみたいです。それが目標。私なんて素敵な恋のお話を聞いてばっかり。

 

編　じゃあ2017年の抱負は恋をすること？

 

フ　いえ（笑）。酉年なので食い散らかして、飛躍したいですね。バッと。

 

編　ですって。食い散らかされたい人は、まだむ蝶へ急ぐべし！

 

そして、お待たせしました。やっとフジコママお薦めの同伴店を紹介しま……と思ったら、フジコママについての記述が長くなりすぎたので、詳細は後編で。

 

「じゃあ読まなくていいや」はご容赦ください。フジコママの「ありがとうございません」雄たけび攻撃と食い散らかしに遭いますよ。

 

今回はフジコママの生態を徹底解剖したので、次回（2017/4/5）はフジコママ的、同伴にお薦めのお店を紹介します。乞うご期待！

 

写真／松岡敦飛

「まだむ蝶」   フジコママ、理香ママを筆頭に美人のニューハーフやらゲイのお坊さんやら、個性豊かな面々が勢ぞろい。まだむ蝶へ行けば、濃厚な夜が過ごせること間違いなし。 住所：東京都中央区銀座7-6-11 ミクニ銀座7ビル9階 電話番号：03-6264-5007 営業時間：20時～ラスト 定休日：土日祝日 セット料金：8,000円～　※消費税別、サービスチャージなし ボトル　12,000円～ クレジットカード：VISA、Mastercard、Diners Club