【第2週のカレーとスパイス】待望の2号店誕生! 秋葉原の人気店「スープカレーカムイ」の新店が末広町にオープン「スープカレーカムイ 2号店」

秋葉原を代表する人気飲食店の一つにスープカレーカムイがあります。アニメ系の装飾があったり、メイドさんとのコラボがあったりと、お店の雰囲気が何とも秋葉原的なのですが味は本格的で、だからこその人気店です。

元々は神田と秋葉原をつなぐガード下にテイクアウトメインのお店としてスタート。その後、すぐ近くのより広い店舗に移転。どちらも秋葉原と言っても電気街方面ではないエリアだったのですが、この度電気街エリアに2号店がオープンしました。

末広町寄りの場所で以前はコンセプトカフェだった場所の居抜き。内装は以前のお店の雰囲気をあえて残したままにしているのがまた秋葉原らしく、カムイらしいです。2号店の通称は「シンカムイ」というのもらしくて良いですね。

注文は二次元コードからスマートフォンで注文します。メニューを選び、辛さとご飯の量、他のドリンクなどの有無を決めてボタンを押すと「ピコン」という電子音が鳴り、それを受けて店員さんが「ご注文ありがとうございます」と返してくれるのがとても良いです。この手の注文方法だとちゃんとオーダーが入っているのか不安になることも少なくないですし、何より味気ない気分になるのをしっかりとフォローしてくれます。

「ポーク野菜カレー」

頼んだのは僕がカムイのメニューで一番好きな「ポーク野菜カレー」1,265円。辛口のご飯は少なめで。こちらのシェフはスープカレーの本場札幌の人気店で修業を積んだ方。今時のスープカレーというより古き良きタイプの、具材の派手さではなくスープの味で勝負するテイスト。トマトベースのスープは肉と野菜の味わいがとけ込んでいて、これを一口すすれば身体の芯から温まってきます。辛口にしてもそこまで辛くはないのですが、食べ進めるうちに汗がじんわりと吹き出してくるのはスパイスの量をケチっていない証拠。身体が喜ぶおいしさなのです。

トロトロに煮込まれた豚の角煮、素材自体の甘さが引き立った人参。たっぷり入ったブロッコリー、味と食感に変化を出すピーマン、スープがしっかり染み込んだナス、そしてスープのトマトとはまた別に具材のトマトが入ることによって、多層的なトマト感が生まれるのがまた良いのです。

あくまでシンプルに。だからこそ妥協なく。ごまかしがきかないスタイルでここまでおいしいのはなかなかありません。数ある都内のスープカレー店の中でもトップクラスのレベルだといつも感じています。

実は2号店の構想はかなり前からあり、それをシェフから聞いてもいたのですが、今回ようやくの開店となった次第。「川越えるのに13年かかりましたよ」と笑いながら語るシェフの表情には、確固たる自信がうかがえました。

2号店は本店よりも営業日数も営業時間も長いので、より行けるチャンスが増えるかと思います。カフェ的な雰囲気でゆっくりできる本店と、コンセプトカフェ的な雰囲気で秋葉原らしい楽しさがあるシンカムイ。気分次第で使い分けるのが良いでしょう。

【第3週のカレーとスパイス】これからは月曜日以外も食べに行ける! 高円寺発の人気間借りカレー店が久我山に独立店をオープン「げつようび」

間借りカレー激戦区の高円寺においていち早く間借りカレー店として人気を博し、江戸川橋など他の場所でも営業を増やし、各地で人気となっていた「月曜スリランカカレー」が「げつようび」と店名も新たに、スリランカのお正月である4月、久我山の地で独立オープンしました。

商店街の中にとけこんだお店ですが、2階にスリランカの国旗があるので遠くからもわかりやすいです。カウンターメインでテーブルも少しある店内。開店早々に満席となり、行列もできていて注目度の高さがうかがえました。

メニューは日替わりの「スリランカプレート」1,200円〜をメインに、アチャールやデザート、ドリンクも充実していてお酒も楽しめる構成。何しろ今回は間借りではなくご自分のお店ですから、月曜日のみならず他の曜日も、昼のみならず夜も営業しているのです(日・月が昼のみ、金は夜のみ、火・土は昼夜営業)。

「スリランカプレート」

この日のスリランカプレートはカトゥリに盛り付けたえびカレーとカシューナッツカレーに、ご飯にかかったポークカレーとパリップ(スリランカの豆カレー)のカレー4種。副菜も色とりどりの野菜を使ったものが一皿にのった豪華なもの。

シェフが現地で習ったというオーセンティックなスリランカ料理がベースになっているのですが、塩味も程よく強すぎないスパイス感で調和のとれた仕上がり。この辺りはシェフ自身がスリランカに行った際に食べて体調が良くなり、それをきっかけにハマッたというスリランカ料理のヘルシーな部分にしっかりとフォーカスを当てているからこそでしょう。

副菜は茄子のモージュ(甘味と酸味が特徴の揚げびたしにも似たスリランカ料理)が細切りになっているのが個性的であり、食感も良くておいしいです。

「たらこのアチャール」

「たらこのアチャール」400円も非常に面白く、そのまま食べて良し、カレーと混ぜて良し。和の要素も上手に使うシェフのオリジナルの個性が光ったものでした。

食後に「ワタラッパン」(スリランカのココナッツプリン)400円と「キリテ」(スリランカのミルクティー)400円も。

「キリテ」

ワタラッパンはスマイルに見える装飾で可愛らしく、キリテも穏やかな甘みでどちらも癒やされるような味です。

「ワタラッパン」

各地で間借りカレー店やコラボ営業を精力的に取り組んでいたシェフ。いつから独立店舗の構想があったのか聞いてみると「実は昨年末くらいにふと思い立ち、家族からも応援してもらえたので本腰入れて探してみたらとんとん拍子にここが見つかったんですよ」とのこと。

飲食店の場所探しは本当にタイミング次第で、何年も見つからないという話も少なからず聞く中、こんなにスムーズにオープンできたのはシェフのポジティブな明るさと人柄あってこそでしょう。

今後も別の場所でのコラボ営業などは不定期でも継続していきたいとのことなので、こちらの新店舗をメインにこれからの活動にもますます目が離せませんね。

【第4週のカレーとスパイス】油の代わりのだしが利いてる! ダイエッター&トレーニーにも食べてほしい、最強ヘルシーカレーが高田馬場に登場「Curry Kitchen CACA」

僕は毎日毎食カレーを食べているのですが、それを話すと「太らないの?」と聞かれることも少なくありません。カレーは太るものという認識があるからでしょう。実際は太りやすいカレーと太りにくいカレーがあります。昔ながらのルウで作るカレーは油も小麦粉も多く使いますし、揚げ物と一緒に食べたりすることも少なくないので、そのようなカレーは当然高カロリーで太りやすいのですが、南インドのカレーやスリランカのカレーには野菜も多くヘルシーで低カロリーなものもあり、そのようなカレーは逆に太りにくいカレーとなるわけです。

いずれにしても基本的にカレーは油を使ってスパイスの香りを引き出す料理ですから、油は控えめにはできてもゼロにすることはなかなか難しいです。ゼロにすることはできても味が悪くなってしまいがちだからなのですが、その油を使わずに作ったという最強のダイエットカレーを高田馬場で見つけました。

店名は「Curry Kitchen CACA」。間借りカレー店が入れ代わり立ち代わり入る場所で2023年3月にオープンしたお店です。新宿ゴールデン街や高円寺という間借りカレー激戦区で営業していたお店が高田馬場に移転した形になります。

こちらの「NOライスヘルシーカリープレート」1,000円がそのダイエットカレー。油を使わずに作ったという豆カレーに、温玉、鶏胸肉トッピング。ご飯の代わりに豆腐が盛り付けられています。502kcalというのもうれしいのですが、さらに凄いのは一皿でたんぱく質が60.52gも含まれているということ(いずれもお店調べ)。

「NOライスヘルシーカリープレート」

減量をする際に特に気をつけないといけないのは、筋肉量を減らさずに体脂肪率を下げるということなのは意外と知られていません。食べる量を減らすダイエットは、体重は落ちやすいのですが、そこで落ちているのは脂肪以上に筋肉であることが少なくないのです。筋肉が落ちると基礎代謝が落ち、リバウンドしやすい体になってしまいます。リバウンドせず健康的に痩せるためには、たんぱく質をしっかりととりながら脂質と糖質を抑えること。これが実に難しいのです。

特にカレーは先述したように油が必要不可欠。糖質はご飯を少なくすればその分減るのですが、油を減らすことが難しい中、こちらのカレーは油は使わずだしを使うことによって味の深みとスパイスの香りを調和させ、満足度の高いカレーに仕上げているのです。

豆のホクホクした食感も良く、低温調理でしっとりとみずみずしく仕上がった鶏胸肉がたっぷりとのるので食べ応えもあります。豆カレーと豆腐で植物性のたんぱく質、鶏胸肉と温玉で動物性のたんぱく質、どちらもバランス良く大量に摂取できて、カロリーが低いという夢のようなカレーなのです。

チーズやスパイス爆弾をプラスして味変
トッピングのスパイス爆弾

変化を出すためにチーズトッピング(100円)したり、スパイス爆弾(100円)を追加したりすれば飽きずに何度も食べることもできます。スパイスをデスソースで丸めた球を、だしでといてカレーや具材に少しずつかけていくと、辛さのみならずほのかな酸味も加わって良い味変となります。

とにかくこのカレーは発明と言っても良いレベル。ダイエッターのみならず体を鍛えているトレーニーにもおすすめです。

「カツカレー」にハンバーグとチーズをトッピング

もちろんダイエットが関係無い方には、欧風カレーもあればスパイスカレーもあります。がっつりいきたい方は欧風カレーベースの「カツカレー」1,000円に「ハンバーグ」200円とチーズをトッピングしてカロリーを気にせずお腹いっぱいカレーを楽しんだり、月替わりのスパイスカレー2種(たけのこと豚の醤油バターキーマ、ヨシキリザメのフィッシュカレー)を「あいがけカレー」1,300円として食べてみたり、さまざまなニーズに応えてくれるお店です。

「あいがけカレー」

僕自身色々と食べたのですが、やはり一番気に入ったのはNOライスヘルシーカリー。ちょっと食べ過ぎてしまった翌日や、トレーニングをした日に食べると罪悪感もなく、実際にカロリーも低いのでとても良いです。

シェフは俳優になることを夢見て上京し、演劇活動のかたわらさまざまな飲食店でアルバイトをする中、カレー専門店で働いていた際にカレーもアートだと衝撃を受けてハマり、カレーの道へ方向転換したという方。元俳優だからこその体型管理の意識から生まれたダイエットカレーとも言えるでしょう。

ダイエッター、トレーニーでカレー好きな方、要チェックですよ!

※価格はすべて税込

写真・取材:カレーおじさん\(^o^)/

文:カレーおじさん\(^o^)/、食べログマガジン編集部