教えてくれる人

はなとも
日本スイーツ協会認定のスイーツコンシェルジュ。スイーツ専門のライターとしてさまざまなweb媒体で記事を連載中。著書「スイーツ男子はなともの I love パンケーキ」(KADOKAWA)、はなとも監修パンケーキミックス粉、その他、監修商品やコラボメニューなど多数。前職はお花屋さんという異例の経歴を持つ。

埼玉県桶川市にある老舗和菓子店「五穀祭菓をかの」。職人が一つひとつ丁寧に作る和菓子は、古き良き時代と現代が融合した唯一無二の味わいです。中でも葛粉で作るアイスは、今までにない食感が楽しめるとあって、若い世代にも大人気。和菓子好きならずともぜひ食べていただきたい逸品です。

10年赤字を黒字に転換。元ギャル女将が挑む新たな挑戦!

「五穀祭菓をかの」は、JR桶川駅から徒歩3分とアクセス抜群。昔ながらの洋菓子店や呉服屋が並ぶ、駅通り商店街にあります。1887(明治20)年の創業以来、桶川の地で和菓子を作り続けている同店。“洋菓子を手に取るような感覚で、和菓子も馴染みのものに”をモットーに、和菓子の入口になるようなお菓子を製造し販売しています。

6代目・榊 萌美さん

6代目の榊 萌美さんは大学時代、ギャル系のアパレルショップで働いていました。そんな時、たまたま会った同級生の母親に「お店は継がないの?」と聞かれ、小学生の頃「お店を継いで親を楽にさせてあげたい!」と言ったことを思い出し、幼い頃の自分の言葉を信じてみようと大学を中退して家業を継ぐことを決意。当時は負債が何千万円もあり、直近の10年間は赤字続きだったそうですが、萌美さん考案の商品が爆発的にヒットし黒字へ転換。そして「若い世代にも和菓子の良さを知ってもらいたい」という思いから、2021年に自身のブランド「萌え木」(オンラインのみでの販売)を立ち上げました。

古き良き日本の和菓子が並ぶ店内

店内は和の趣を感じる落ち着いた雰囲気。その場でも味わってほしいとのことで、4席ほどのイートインスペースが用意されています。

ショーケースには、どら焼きや羊羹、ロールカステラなど、さまざまな和菓子が並んでいます。季節にもよりますが、約70種類の和菓子を用意しているそうです。

職人が丁寧に作る和菓子は、どれも美しく繊細なものばかり。食べた人に笑顔になってもらえるよう、心を込めて一つひとつ手作りしているそうです。今回はそんな同店の数ある和菓子の中から、僕がおすすめしたいとっておきの3品をご紹介します。