麺を噛むごとにつけ汁と絡み合う至福の味わい

美しく整えられた麺に、2種のチャーシューとメンマ、芽ネギがトッピング。下部は昆布水に浸っているのが見える

まずは麺だけを一口。しなやかな食感と、小麦のふくよかな旨みがダイレクトに感じられる。これは昆布水の妙というより、そもそも麺の扱いが上手だからだ。たとえば冷水での締め方にも一理あり、麺の繊細なうまみを表現するなら氷水で急激には冷やさない。

そしてつけ汁に浸し、一気にすする。ピリッとした刺激のすぐあとに、凝縮感のある醤油とスープの旨みが口いっぱいに。昆布水をまとった麺はキュパッと、シュルッと流れ込み、噛むごとにつけ汁と絡み合いながら至福のおいしさへといざなう。

 

山本さん

オーダーしてから調合されるつけ汁は辛さとダシが利いていて、ただ辛いだけではなく旨みが豊かでクセになります。辛さはなかなかありますが、どんどん食べ進めたくなるおいしさ。スープ割りもできますし、いつも飲み干してしまいますね。

山本さんはトッピングのおいしさにも言及。前述のチャーシューのほか、とろりと絶妙な塩梅に仕上げられた「味玉」(150円)もお気に入りだ。こちらも羅臼昆布ダシ仕立てで、豊かな旨みと卵黄の凝縮感がたまらない。

 

山本さん

ラーメン用に研究されたチャーシューの旨さには安定感がありますし、清涼感を演出するカイワレ大根(現在は芽ネギ)との相性も抜群。あとは「味玉」もよくトッピングします。

定番の「鶏そば」や10月提供開始予定の塩にも注目

定番の一杯が、この「鶏そば」1,050円。麺のゆで時間やスープと醤油ダレの配合などは異なるが、基本的にはつけ麺と一緒だ

常時開発に余念がない山口さん。「次のリニューアルは辣式(らぁ麺やまぐち 辣式 本店)ですかね」とも話すが、10月にはここ「らぁ麺やまぐち」で塩ラーメンの提供を考えているとか。これはちょっとしたニュースである。久しく同店を訪れていない人も、ぜひ生まれ変わった一杯を食べてみてほしい。

※価格はすべて税込。

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取材・文:中山秀明
撮影:齋藤ジン