この夏は冷やしアジ月間! 今週だけの「スペシャルカレープレート(カレー3種盛り)」
山本さん
なかなか来られないのでとりあえず3種盛りを頼みます。どれを食べてもおいしい。
カレープレートは南インドの定食であるミールス風の構成。週替わりで登場する3種のカレー以外に、ライス(バスマティ&日本米ミックス、ブラックチャナ)やパパド(豆粉のチップス)、ダール(ココナッツと豆のカレー)、付け合わせ野菜&アチャールがセットになっている。
こちらは福岡出身の高木さんが地元名物「ごまさば」にインスパイアされたという、アジ刺しの漬けが具材の主役。水切りした豆腐、塩もみしたキュウリなどは、宮崎の郷土料理「冷や汁」をイメージしたものだ。
アジの干物や骨による出汁が香り、油分は控えめ。さっぱりとした口当たりで、たしかに日本食を彷彿させるが「創作的になり過ぎないよう、クラシックなカレーに15°くらいヒネりを加えています」と高木さんが言うように味わいは正統派。マスタードシード、クミン、フェンネルなどを巧みに使い、本格的なカレーに仕上げている。
「南インドの料理って、ちょっとずつ色んなものを食べるのが好きな日本人の感覚と似ているんです」と優しい口調で話す高木さん。その性格が反映されてか、どのカレーも辛さ控えめの優しい味わいだ。オカヒジキ、ナス、ダイコンなどが入った「ベジタブルサンバル」も素材の良さが引き立っていた。
豚肩ロースらしい力強い旨みと食感が活かされていたのが「ピーマンポーク」。シナモン、カルダモン、クローブなど、丁寧にスパイスをローストすることで引き出された心地よい苦味が、ピーマンの自然な苦味と絶妙に調和していた。
カレー以外の小皿料理からもスパイスの無限の可能性を感じる
南インドのカレーと言えば、混ぜるほどにおいしさが深まるのも醍醐味だろう。こちらの3種盛りの場合は、今まで隠れていた酸味が強く感じられたり、意外な香りが引き立ったり、混ぜるほど重層的になるというより、組み合わせ次第で繊細に変化する印象だ。
「素材やスパイスが反発しないよう気を使いつつ、組み合わせは即興的な部分も多く、自分でも予想外の風味が引き立つこともあります」と高木さん。レモンを丸ごと使用したピクルスや浅漬けのようにさっぱりしたアチャールなど、プレートの付け合せだけでも幅広い味変が楽しめるが、タマゴやチキンのピクルスといったトッピングを加えるほど、その多彩さは何倍にも広がっていく。
山本さん
普段チャイはあまり飲まないのですが、ここのは甘すぎず大好きです。
「BLOCK HOUSE 水曜カレー」のすべての料理に共通するのが、非常に繊細なスパイスの香り。入念に計算しつつ、抽出する方法や時間を使い分け、魅力的な香りだけをバランスよく引き出していることが分かる。
食後にいただいた「丁寧に作ったアイスチャイ」も、まるでカクテルのように香りがエレガントで、味わいはクリアだった。季節により風味を変えるそうなので、寒くなってから飲んでみるのも良さそう。
今シーズンからは「夜の水曜カレー」として17:30〜19:00の営業もスタート。早い時間でカレーは売り切れてしまうそうだが、小皿料理と酒の組み合わせをじっくり味わうだけでも良いひとときが過ごせるだろう。近日中に、冷凍カレーの販売も開始するとのことで、こちらも楽しみだ。