【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#52】「天国麺飯」
日本人が好きな食べ物は何かAIで分析した結果、1位がラーメン、2位がカレーとなったという記事を読んだことがあります。それが本当に正しいのかどうかはさておき、いずれにせよラーメンとカレーは人気の上位に入ってくる食べ物であることは間違いありません。実際この二つを同時に食べられるお店も少なくないですよね。ラーメン専門店がサイドメニューとしてカレーを出すことはしばしばありますし、ラーメンとカレーとどちらも看板メニューにしているお店もあります。しかしカレー専門店がラーメンを出しているとなると極端に少なくなります。
今回ご紹介するのは元々カレー専門店だったお店がラーメンも手がけているという以上に、ラーメンとカレーをどちらも看板メニューにしてリニューアルした「天国麺飯」です。
歴史を簡単に辿ると、元々ここは「ギュービッグ」という焼肉専門店でした。それが同じ建物の2階の広い場所に移転し、空いた1階は「ハングリーヘブン」というグルメバーガーのお店にリニューアル。こちらも人気が出て駅前へ移転。その後空いた場所には「最高おにくセンター」という肉バルが入ったのですが、これがコロナ禍でバル営業ができなくなり、ランチタイムにカレーを始めました。そこでカレーに開眼したシェフがカレー専門店としてリニューアルさせたのが、以前の連載「今週のカレー」でも紹介した「スパイスフォース」。行列のできる人気店となりましたが、シェフが体調を崩してしまい閉店。その後「辛麺サソリ」という辛口まぜそばのお店としてリニューアルしたのですが、こちらがさらにパワーアップした形のリニューアルで今の天国麺飯に生まれ変わったのが2022年1月のこと。
ちなみに今出てきたすべてのお店はGBWという同じ会社による運営となり、ハングリーヘブンを立ち上げたシェフと、スパイスフォースでカレーを生み出したシェフ、そして辛麺サソリで麺を手がけ始め、天国麺飯で腕を振るうシェフは同一人物なのです。紆余曲折あるお店ですが、だからこその今のスタイルと言えるでしょう。
まずは二枚看板のひとつである「天国 カレーライス」900円をいただきました。こちら、ラーメンスープも使用したオリジナルのスパイスカレーにチャーシューや味玉が加わり、さらにキムチがのるのは肉バル時代の名残であり、最も注目してほしいのがコーンビーフカレーものっているところ。
このコーンビーフカレー、僕がコロナ禍の中で生まれたカレーとして最も気に入ったカレーなのです。手作業でほぐすという手間暇かけまくった自家製コンビーフをカレーに仕立てたもの。肉のうま味が凝縮されているのがカレーのスパイスによってさらに増幅されていて、とにかく感動的なおいしさなのです。
スパイスフォースからサソリにリニューアルした際もカレーまぜそばはありましたが、コーンビーフカレーはありませんでした。それがここで復活したのです。めちゃめちゃうれしい!
メインのカレーも以前より奥深さとほのかな苦味がおいしさにつながっていてさらに個性的なものとなっていました。夢中になって平らげるとシェフが「実は3月からカレーラー麺も出そうと思ってるんですよ」と。「めちゃめちゃ食べたい!」と伝えると「実は今日もできるんです。作りましょうか?」と言ってくださったので、カレーライスを食べた後にもかかわらず頼んでしまいました。
これがまた最高においしかった!「カレーラー麺」1,100円(予価)は海老塩を使ったラーメンスープにカレースパイスが加わり、札幌の海老だしスープカレー的な味わいのしっかりと海老を感じるカレーラーメンです。カレーラーメンにも色々ありますが、このスタイルと味はカレー専門店だったからこそのクオリティ。とんでもなくおいしいです。しかもこのカレーラーメンにもコーンビーフカレーがのっているんですよ! これを少しずつスープに溶かしながら食べていくと、海老のうま味に牛肉のうま味も加わって幸せ度合いが増幅します。凄い!
ラーメンとカレーライス、どちらも力を入れているからこそ店名に麺と飯がつくわけですが、その気合と熱意が確かに味に表れていました。カレーライスを食べた後にもかかわらず、カレーラーメンもペロリと食べてしまえる程のおいしさ。逆だったとしても同様でしょう。そこまで食べられないよと言う方にはミニカレーライスもありますのでご心配なく。麺も飯もどちらも是非食べてほしいお店です。
天国にいるかのような心地にさせてくれる麺と飯を味わえる「天国麺飯」。要チェックです!
※価格はすべて税込