ワインバーで食べられる仙台牛100%のハンバーグとは?

〈食べログ3.5以下のうまい店〉

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー!
食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。

食べログは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。

点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

そこで、グルメなあの人にお願いして、まだまだ知られていないとっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回はテレビ番組やWEBマガジンなどで宮城のグルメ情報を紹介する『仙臺いろは』編集部に、行きつけにしたいワインバーを教わった。

教えてくれる人

仙臺いろは編集部

仙台放送(フジテレビ系列)で毎週火曜21:54〜情報番組『仙臺(せんだい)いろは』を放送するほか、宮城・東北に特化したグルメやおでかけ、エンタメ、ヘルスケアの最新情報をWEBマガジンとYouTubeで発信している。

ワイン通もビギナーも虜にする「一番町 開国屋」

仙台駅から3つ目のアーケード「マーブルロードおおまち」近くのビル2階にある

宮城の“うまい”も“新しい”も知り尽くした『仙臺いろは』編集部が教えてくれたのは「一番町 開国屋」。「仙台市の中心部、一番町のど真ん中にありながら、静かにお酒を楽しめる隠れ家的な一軒。ワイン知識が素晴らしいマスターとの会話も楽しみのひとつで、ひとりでも気軽に立ち寄れるのも魅力」と、太鼓判を押す。

食べログでの点数は3.18だが、コアなワイン好きを魅了するだけではなく、ここでワインに目覚めるビギナーも多いとか。一体マスターは何者で、どんなワインと料理を提供してくれるのだろう?

※点数は2021年12月時点のものです。

おいしいワインの世界へ誘う案内人がいる

昼は酒店の社長、夜はワインバーのマスター。2つの顔を持つ渡辺浩吉さん

ワインの話になると止まらない渡辺浩吉さん(通称マスター)は、宮城野区平成にある「渡辺酒店」の2代目。父が他界し、32歳で家業を引き継いでまもなく、学びのために通い始めたワインスクールでワインの魅力にハマる。これまでヨーロッパ各地を転々としながら、奥深いワインの世界を旅してきた。

カウンターとテーブル3席のこぢんまりとした店内

「酒は文化で、酒店はその文化を売るのが仕事。ルーツや楽しみ方を伝えていきたい」と、1997年に青葉区本町でワインレストラン「開国屋」を始める。しかし「当時の店は100席もあって僕には大きく、自分が伝えたい世界を表現するのが難しかった」という理由から、2007年に規模を縮小して移転リニューアル。現在の「一番町 開国屋」が生まれた。

豊富な経験により磨かれた審美眼と人脈で、入手困難な限定生産品や年代ものまで揃う

客一人ひとりの好みや気分、雰囲気に合わせて、ワインを丁寧に選んで提案してくれる渡辺さん。グラスに注いだ後は、香りや味わいを引き出すためにスワリング(クルクル回す動作)を行う。ワインのポテンシャルを呼び起こし、よりベストな状態で客前へ。この細やかな提供スタイルこそが渡辺さんの真髄で、移転してより磨きがかかっている。

「いいワインは振れば振るほど、花が開くように香りが立ってくるんです」(渡辺さん)

希少な生ワインは絶対に飲んでほしい

「生ワイン」1,200円(グラス)。ライチや洋ナシのようなフルーティーな香りに心が弾む

生ワインとは、加熱処理や濾過をしない、酵母が生きたワインのこと。じっくり熟成させて楽しむワインとは対照的に、ブドウ本来の香りやフレッシュな味わいが魅力だ。ローマで初めて生ワインを飲んだ渡辺さんはその味に惚れ込み、日本でも飲めるようにしたいと、輸入販売の会社を立ち上げてしまったほど。

 

仙臺いろは編集部さん

仙台、いや東北で生ワインを飲める店はここだけだと思います。通なワインながら、クセがないので飲みやすく、ワインが苦手な人や初心者にもおすすめ。

酵母が生きたフレッシュな生ワイン。にごりや微炭酸を含んでいるのが特徴

生ゆえに温度管理が難しく、ワイナリーでしか味わえないレアなワイン。提供できるのは、酒への造詣が深い渡辺さんだからこそ。現在は山梨県甲州市のワイナリーから、できたてを瓶詰めしたものが毎年11月に届く。在庫がなくなる前に、ぜひ飲みに行きたい。