ワインと料理のマリアージュって、こういうこと!

本日の一杯に合わせたストーリーのある一皿

本日のグラスワイン1杯にオードブルが付く「開国屋セット」2,000円

サラダやチーズ、ドライフルーツにパン、自家製ゼリーなどを盛り合わせたオードブルは、その日のおすすめワインに合わせて構成。ワインは赤か白を選べるため、チーズひとつをとっても赤ならミモレット、白には白カビチーズと、アレンジしてくれるのもさすが。こだわりが凝縮されたセットで、一杯目からワインと料理の美味ワールドへと導いてくれる。

 

仙臺いろは編集部

まずはこれで乾杯! ほとんどのお客さんが最初にオーダーするメニューです。いわゆる晩酌セットなのですが、いろんな種類をちょっとずつ食べられて、これだけでも満足感あり。

生ワインの場合は+500円。「開国屋生ワインセット」2,500円

「バゲットならあの店」「甘い系はこの店」と、パンは種類によって指名の店があるという渡辺さん。県内のベーカリーをはしごし、何種類ものパンを仕入れている。ワインのおとも選びにはとことん妥協なし。

甘美なうまみが滴る! 仙台牛100%のハンバーグ

「開国屋のハンバーグ」1,500円。メニューには載っていない裏メニュー

ワインと肉。間違いないこのペアリングには、宮城が誇る仙台牛を抜擢。つなぎはなし。塩とコショウ、秘伝のソースを少し加えただけの至極シンプルなレシピは、仙台牛のうまみをダイレクトに味わえる真骨頂だ。

仙台牛の甘みのある脂がたまらない!

ステーキのような満足感、でも、ステーキほど気取らない。何より、この価格で食べられることに感動! たっぷり敷かれた野菜の絨毯も、肉汁が染みていてペロリと食べられてしまう。

 

仙臺いろは編集部

一軒目で訪れた時には必食。マスターがハンバーグを焼き始めると、店内にいい匂いが充満するので、その匂いだけでお酒が進みます(笑)。

美しいディテールに、正真正銘の仙台牛をあらわすシールがキラリ

実は渡辺さん、酒店を継ぐ前は高級スーパーの社員だった。精肉部門を任されていた経験から、ワインだけではなく肉の目利きもできる。プロの目で選んだ肉は、なじみの精肉店で成形をしてもらい、オーダーを受けてから店内のキッチンで焼く。「今からこちらの仙台牛を焼きます」と、焼く前の状態を見せてくれるところにも、食材への真摯なこだわりがうかがえる。

たっぷり野菜や玄米と一緒に、ヘルシーに飲む

野菜と豆がどっさり15種以上も入った「開国屋のサラダ」1,200円

仙臺いろは編集部から「ボリューミーなサラダがある」と聞いてオーダーすると、「ボリューミーかな? 確かに、量が多いとよく言われるのですが、僕にとってはこれが普通の量です」。渡辺さんがそう呟きながら出してくれたサラダは、期待を裏切らないボリューム感!

 

仙臺いろは編集部

量だけではなく、野菜の種類も多い! みんなでシェアして食べるのにぴったり。

野菜は、秋保で無農薬栽培をしている契約農家から採れたてが届く

開国屋セットやハンバーグにも野菜が添えられていたように、料理にはとにかく野菜がふんだんに使われている。それは、「“酒は百薬の長”として嗜み、おいしく元気に飲んでもらいたい」から。そのためには食事が大切!と考える渡辺さんは、できるだけ調味料を使わずに素材を活かし、ご飯は玄米にするなど、カラダ思いの料理に工夫を凝らす。

玄米で炊く「日替わりごはん」300円。写真のキノコごはんほか、小豆ごはんも好評
 

仙臺いろは編集部

バーだけど、野菜から肉、ご飯まで食べられるのがうれしいです。ヘルシー志向のタレントさんも食べ盛りの若手スタッフも一緒に、仕事終わりにみんなで楽しめる貴重なお店。

ワインが飲めなくてもウェルカムなワインバー

ワインバーだから、ワインが飲めない人は行ってはいけない? この店に限っては、答えはノーだ。料理がお目当てでOK。ワインが好きな人もそうでない人も、お互い気遣いなく乾杯できるように、ワイン風やノンアルコールのカクテルを出してくれる配慮もありがたい。

そして、渡辺さんの手ほどきを受けながら、ワインと料理のおいしい出合いを見つけられた時、「ついに」「さらに」ワインが好きになる人も。「一番町 開国屋」は、ワイン通からビギナーまで虜にする懐の広いワインバー。一度は行ってみたい店であり、一度訪れたら通いたくなる店である。

※価格はすべて税込です。

※本記事は取材日(2021年12月3日)時点の情報をもとに作成しました。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のホームページ等で事前にご確認ください。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

撮影:山口 晃
文:池田直美、食べログマガジン編集部