毎朝仕入れるイマイユーを盛り合わせた刺身盛り、1人前は3人分!?
那覇市の港・泊漁港で毎朝仕入れる魚を、大きめにカットした刺身盛り。マグロをメインにサーモンやアカマチが定番で、残りはその日のお楽しみ。一見さんが「たくさん食べたいから大」と注文しようとすると、そのボリュームを事前に説明。実際、目の前に出てきた皿を見て誰もが驚くそうだ。
サガワさん
イマイユーという沖縄方言を「今(イマ)」食べるべき新鮮な「魚(イユー)」と解釈しています。この島で生活する人たちは刺身でもバター焼きでも、魚の種類より「いつ取れたのか」を重要視しているように感じる言葉だなと思っています。この刺身の一切れは箸で持つと重いんですよ。
何個でも食べられる!一口サイズでフワフワの「ミックス天」
分厚い衣が特徴的な沖縄天ぷらは、だいたい細長い形が多い。「糸満屋」の天ぷらはころんと丸い一口サイズ。ほんのり甘くフワフワな衣と可愛い見た目で、大きなポップコーンのようにホイホイ口に運び、あっという間に山盛りを食べきってしまう人が続出中だ。
サガワさん
個人的に好きな食べ方は「醤油+七味」です。「糸満屋」人気の秘密はこの天ぷらにもあり、飲み会はもちろん、おやつや手土産にも重宝されています。電話注文をして買いに来る人の行列が夕方によく見られ、刺身の持ち帰りも大人気です。私も近所に住んでいるので、家飲みの時はよくお世話になっています。
これぞ家庭の味、癖になる苦さとモチモチ感に癒やされる
薬草感覚で食べて欲しいにがなを、地元・新川の花城豆腐と和えた、胃にも優しい二日酔い防止メニューの「にがな和え」。苦さは否めないが、出汁と豆腐で程よく中和された味は癖になる。日本酒やビールにも合いそうだ。
「いもくずぷっとぅるー」は、40〜50代は懐かしがる人も多い、さつまいも粉を使ったローカルフード。ニラなどの野菜を混ぜた薄焼きで、同じく沖縄ローカルフード「ひらやーちー(沖縄式のお好み焼き)」のように、台風になると家庭で作られてきた。おやつにもおつまみにもなり、そのままでも充分に味が付いているが醤油を付けてもおいしい。もっちり食感は、初めて食べた女性や小さな子どもたちを虜にしていく。
今回は紹介しなかった「たこのわさび和え」850円も、刺身タコときゅうりを使った人気のオリジナルメニュー。「魚のあら煮」は1キロで1,100円など、お財布にも体にも優しい料理が並ぶ。近年は全席禁煙となり女性やファミリー層も増えてきた「糸満屋」、飾らないおいしさをこれからも続けて欲しい。
サガワさん
沖縄居酒屋を求める全観光客に紹介したいと思うほど、これこそ沖縄家庭料理だと感じています。最近は口コミで訪れる観光客もいて、素朴な味でリピーターになっていくのだそうです。おそらく私も変わらず通う場所だと思うので、店主のご夫婦には無理せず元気に頑張っていて欲しいと思っています。