【2軒め】丁寧に作り込まれたケーキがずらり「ラ カンドゥール」

 

食べログマガジン編集部

こちらのお店も行列ですね!

 

猫井先生

こちらも人気店ですからね。その上、コロナ禍で入店する人数制限を行っているので、大変です。

 

食べログマガジン編集部

こちらはどんなケーキ屋さんなんですか?

 

猫井先生

オーナーパティシエの安藤康範さんは、調理師の専門学校を卒業後「ヒルトン名古屋」に入社。その後4年間フランスで修業され、帰国後は国内のお店で再び修業。横浜の洋菓子店「デフェール」でシェフパティシエを務められ、2016年こちらの店をオープン。ちなみに店名は、フランス語で「愚直・純粋」の意味だそうで、店名のとおり丁寧に作られたお菓子が並びます。

 

食べログマガジン編集部

丁寧な味わいのケーキが楽しめそうですね! おすすめはどのケーキでしょうか?

 

猫井先生

ふわふわのショートケーキも人気ですが、個人的には伝統的なケーキがおすすめです。今の季節だと「パリブレスト」「マルジョレーヌ」「サヴァラン」などはいかがでしょうか?

 

食べログマガジン編集部

「パリブレスト」「サヴァラン」は有名ですが、「マルジョレーヌ」は初めて聞きました。それぞれどんな由来のケーキなのでしょうか?

「パリブレスト」520円
 

猫井先生

「パリブレスト」は、1891年、パリ—ブレスト間の自転車レース開催を記念して作られたお菓子です。自転車の車輪を模したドーナツ形のシュー生地に、プラリネ(ナッツ)のクリームを挟み、上にアーモンドスライスをトッピングしたものですね。こちらのお店では1人用のプチガトーに仕立て、リング状のシュー生地の中にカスタードクリームを絞り込むという凝った作りとなっていますね。プラリネのクリームが濃厚な味わいです。

 

食べログマガジン編集部

だから丸い形をしているんですね! サヴァランはお酒のイメージが強いですが、合っていますか?

「サヴァランエキゾチック」600円
 

猫井先生

そうですね、サヴァランはラム酒を使用したケーキです。こちらのサヴァランは時期によってアレンジされており、例えば今年の夏はヴェリーヌ(グラスデザート)仕立てになっていました。グラスにラム酒をたっぷりと浸み込ませたブリオッシュ生地を入れ、南国フルーツのジュレを加えて、ココナッツクリームをトッピング。スポイトで「追いラム酒」ができるようになっていて、THE大人のケーキといった一品ですね。

 

食べログマガジン編集部

お酒好きにはたまらないですね! そして、気になる「マルジョレーヌ」ってどんなケーキですか??

「マルジョレーヌ」560円
 

猫井先生

確かに、あまり一般的なケーキではないかもしれません。元々は、料理人の神様と言われたフェルナン・ポワンのレストラン「ピラミッド」のデザートとして考案されたものですが、その店で修業した料理人でさえ再現するのが難しいと言われた、いわくつきのケーキですね。

 

食べログマガジン編集部

そんなに作るのが難しいケーキなんですか?

 

猫井先生

私はこのケーキを作ったことがないので何とも言えませんが、チョコレートクリーム、生クリーム、ナッツクリームをナッツの生地に挟んだものですね。このナッツの生地が曲者で、熱いうちに切らないと上手く切れないとか、2~3日自然放置してしっとりさせるとか、扱いが面倒なようです。こちらのお店では、ヘーゼルナッツのプラリネクリーム、チョコクリーム、生クリームをヘーゼルナッツのダックワーズ生地に挟んで、穏やかでバランスのとれた逸品に仕上げられています。

 

食べログマガジン編集部

日本で売っているお店もそんなに多くなさそうですね。これはマストでゲットせねば!

 

猫井先生

前編の最後は、和菓子のお店を紹介します。来た道をそのまま、仙川駅南交差点に向かって引き返し、交差点の2本手前のやや細めの道(商店街のメインストリートの次の道)を右に曲がり進みます。

【3軒め】小豆の魅力を最大限に引き出す新星「餡の輪 (アンノワ) 」

 

食べログマガジン編集部

白い壁が可愛らしい外観のお店ですね。

 

猫井先生

和菓子の新星ですね。店主の松本さんは学生時代に海外でホームステイをした際、現地の人々に紹介できる日本の文化の知識がないことを痛感。ご実家が和菓子店ということもあり、和菓子で日本文化を伝えようと修業を開始。小田原の和食店が立ち上げた和菓子店などに勤務した後、2018年にこちらのお店をオープン。小豆の炊き方を徹底しており、商品によって小豆の種類や火加減、炊き時間を細かく変えられているそうです。

 

食べログマガジン編集部

あんこ好きな人への贈り物として良さそうですね!まず押さえるべきはどのお菓子ですか?

「どらやき」270円
 

猫井先生

まずは「どらやき」ではないでしょうか? ふんわり、ふっくらした生地に、つぶ餡の組合せ。つぶ餡は大粒の大納言を使用し、豆の皮に含まれる渋み成分を取り除くために茹で汁を捨てる工程である「渋きり」を最小限にして、小豆の味をしっかり残した餡となっています。

 

食べログマガジン編集部

丁寧な工程を経ておいしい餡が出来上がるんですね。

「薯蕷(じょうよ)うさぎ」310円
 

猫井先生

お土産や贈り物なら、見た目も可愛らしい「薯蕷(じょうよ)うさぎ」もおすすめです。あっさりとした餡に柚子がアクセントに加えられています。

 

食べログマガジン編集部

白くてころっとしたビジュアルが可愛いです!

「絹あずき」290円
 

猫井先生

ほかにも、ミニサイズの滑らかな水羊羹「絹あずき」や練り切りもおすすめですよ。こちらのお店の商品は、どれもあっさりとした上品な甘さが魅力です。

「桔梗」390円

後編では、地元で愛されるドーナツ屋さん、名店の伝統を受け継ぐパティスリー、創業50年の老舗の名店などを廻ります。お楽しみに!

※価格はすべて税込です。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2021年9月15日)時点の情報をもとに作成しています。

撮影・取材:猫井登

文:猫井登、食べログマガジン編集部