どこか脇役感のある「スープ」。メインになることは少なく、メニューに載っていても注目されないことが多いだろう。しかし、スープというものは、かなり手間暇かけて作られていることが多い。その店独自の味わいが反映されやすく、食材の旨みもギュッとつまっている。この連載では、名店のスープに焦点を当てていきたい。

人気沸騰!ハンバーガー専門店の“濃厚クラムチャウダー”

今回訪れたのは、東京・芝公園のハンバーガー専門店「マンチズ バーガー シャック」。2006年にワゴン販売を開始し、2011年に店舗を構えたこちらは、“肉好きを120%満足させるハンバーガー”をコンセプトに、自家製にこだわっている。パテやポテト、ハンバーガーに挟むベーコンまで、手作りしているのだ。アメリカンヴィンテージで統一された店内には、香ばしく肉が焼ける匂いが漂い、食欲が掻き立てられる。

出典:itoken46さん

そして、今回紹介するのが、メインとなるハンバーガーとの相性が抜群で、夏場でも注文が絶えないという「ニューイングランド風クラムチャウダー」。

出典:ケン太ウロスさん

2011年に店舗を構える際に、「メニューにスープも加えよう」と開発が始まった。アメリカといえば、クラムチャウダー。オーナーの柳澤裕は、あらゆる店のクラムチャウダーを食べ歩いたが、感動するほどのものには出会えず、「それなら、うちの店でどこにも負けないクラムチャウダーを作るだけだ」と、さらに気合が入ったという。

 

「ニューイングランド風クラムチャウダー」のこだわりは、すべて手作りというところ。冷凍の食材は使わず、ベシャメルソースもバター・小麦粉・牛乳が膨らむように丁寧に絡め、毎日仕込んでいる。店自慢の自家製ベーコンを刻んで加え、肉の旨みでコクを出しているところが、他にはない魅力。

 

しっかりめの味付けになっているところも、ポイントだ。その理由は、「どのハンバーガーにも合うように」とのこと。店内のテーブルには塩、こしょうが置かれているが、まずは使わずに味わってみてもらいたい。ギュッと詰まった旨みが、口いっぱいに広がるだろう。

 

テイクアウトでも買うことができるが、持って帰ったら、鍋に移して火にかけ、一度沸騰させると店で食べる時と同じ状態になる。鍋がなければ、電子レンジで1分半ほど温めてもOKだ。温かい状態で食べてこそ、そのスープの本質がわかるというものだ。

出典:ミトミえもんさん

初めて訪れた客から「こんなクラムチャウダー、食べたことない!」と評価された「ニューイングランド風クラムチャウダー」。徐々に涼しくなってくるこれからの季節、ぜひ濃厚な味わいを楽しみに行ってみてはいかがだろうか。