清澄白河・渋谷・千駄ヶ谷で出合える「スペシャルティコーヒー」のおいしい店

【清澄白河でコーヒー】マイナーなスペシャルティコーヒーとの出合いを求めるなら最適!

2015年の「ブルーボトルコーヒー」日本上陸を皮切りに、大きなムーブメントを巻き起こしたサードウェーブコーヒー。日本には元から良質なコーヒーを提供する喫茶店文化が根付いていたこともあってか、一過性のブームにはとどまりませんでした。単一のエリアで育てられた、いわゆるシングルオリジンのコーヒー豆を扱う焙煎所が増え、それを扱うコーヒースタンドや小規模カフェも、今ではすっかり身近な存在になっています。

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地域密着型の本格コーヒー店として地元の人から愛される「ARiSE」   出典:tomomin826さん

そんなカルチャーを牽引する「コーヒーの街」として知られるのが清澄白河。このエリアにはサードウェーブ以前から、個性豊かで高品質な、いわゆるスペシャルティコーヒーを扱う、2013年創業の「ARiSE (アライズ)」がありました。

オーナーは老舗コーヒー豆卸売会社で10年間も焙煎士として経験を積んだプロフェッショナル。2021年7月にはテイクアウト専門の新店舗「ARiSE COFFEE PATTANA (アライズ コーヒー パッタナー) 」もオープンさせています。

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建物右側にあるのが「ARiSE COFFEE PATTANA」   出典:3litt55さん

場所は、東京を走ることを目的にデザインされた自転車ブランド、トーキョーバイクの旗艦店「TOKYOBIKE TOKYO」の一角。レンタルバイクも利用できるため、近隣を散策する際の拠点としてもおすすめです。

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出典:ayuay53さん

店名にあるパッタナーとは、発展や進歩を意味するタイ語。その名の通りタイをはじめ、フィリピン、ベトナム、ラオスの農場などから独自ルートで直接仕入れる、貴重なアジア産スペシャルティコーヒーを多数取り揃えています。世界的に認められている中南米やアフリカのコーヒー豆と遜色ないクオリティなのだそうですが……果たしてどのような味わいなのでしょう。

スペシャルティコーヒーが一般に浸透してきたことにより、これまで味わったことのない産地のコーヒー豆との出合いも増えてきました。清澄白河には、ほかにも名店が点在しているので、散策がてら飲み比べてみるのも面白いでしょう。

【渋谷でコーヒー】なめらかソフトクリームと個性派コーヒーを堪能できるミヤシタパーク

再開発により新施設が次々と誕生している渋谷駅周辺。2020年の夏には駅の北側、JR山手線沿いに伸びる全長約330mの新ランドマーク「ミヤシタパーク」がオープンしました。18階建てのホテルをはじめ、ハイブランドが軒を連ねるショッピングエリア、レトロな飲食店が並ぶ渋谷横丁など、施設は多岐にわたります。その最たる特徴は地上4階にあたる屋上が公園になっているところ。飲食物の持ち込みも可能ですので、都会の風を感じながら、じっくりとスペシャルティコーヒーを味わうこともできます。

写真:お店から

施設2階にある「MIYASHITA CAFE +softcream (ミヤシタカフェ)」では、蒸気圧を利用するサイフォン式の器具で淹れたスペシャルティコーヒーを提供。

エスプレッソで淹れるカフェラテと、水出しアイスコーヒー
エスプレッソで淹れるカフェラテと、水出しアイスコーヒー   写真:お店から

花のように香り豊かなグアテマラ ペニャ・ロハや、飲みやすく甘い香りのルワンダ シーラなど、コーヒー豆は人気の焙煎所兼カフェ「WOODBERRY COFFEE ROASTERS」から仕入れたシングルオリジンが中心です。

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いちごショートのソフトクリーム   出典:さくらいまさゆき(masa)さん

コーヒーと合わせて味わえるのが、福岡発のDaimyoソフトクリーム。ソフトクリーム界のフェラーリと呼ばれるイタリア製の高級マシンを使用することで、マシュマロのように軽やかな食感に仕上がっています。世界各地のソフトクリームを食べ歩いたというオーナーが、試行錯誤の末に生み出した傑作なのだとか。

コーヒーフロート
コーヒーフロート   写真:お店から

極め付きはDaimyoソフトクリームをスペシャルティコーヒーにのせたコーヒーフロート。さまざまな最先端のカルチャーがミックスされてきた渋谷に相応しい贅沢かつ斬新なメニューと言えるでしょう。

【千駄ヶ谷でコーヒー】完全キャッシュレスでスマートに。新しいテクノロジーを巧みに取り入れるダガヤサンドウのコーヒースタンド

 綾弥スイーツ
出典: 綾弥スイーツさん

千駄ヶ谷駅から北参道駅にまたがる通称ダガヤサンドウは、洗練された街並みが評判。落ち着いた大人たちの定番デートスポットであり、コーヒースタンドやカフェの激戦区にもなっています。その閑静な裏路地に、突如として登場するスタイリッシュなお店が「キタサンドウコーヒー(KITASANDO COFFEE)」。スマホ決済サービス「メルペイ」の元取締役が立ち上げた次世代型のコーヒースタンドです。

2019年のオープン時から、完全キャッシュレスを採用。専用のスマートフォンアプリも独自開発しており、オーダーから決済まで事前に済ませれば、待ち時間なくスマートに商品を受け取ることができます。

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バッチブリュー(機械で淹れたコーヒー)だけでなくコールドブリュー(水出しコーヒー)も揃う   出典:ysasaさん

取り扱うのはエチオピア イルガチェフェやコロンビア サンチュアリオなど、常時5種類ほどのスペシャルティコーヒー。湯量、蒸らし時間、注ぎ方など、人間が行う理想的なハンドドリップの動きを忠実に再現する全自動マシン、ポアステディを導入することで、スピーディかつブレのない味を実現しているのだそう。

テーマのひとつとして掲げているのが、リアルビジネスとテクノロジーの融合。個人の好みに合わせてコーヒー豆を提案するWEBサービスなど、さまざまな試みが進められています。

スペシャルティコーヒーが定着したことで、より個性的な進化を遂げている都内各所のコーヒー店。サードウェーブコーヒーの流行ではアメリカから大きな影響を受けましたが、今度は日本が革新的なコーヒー文化の発信地になるかもしれませんね。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2021年8月20日)時点の情報をもとに作成しています。

文:佐藤潮、食べログマガジン編集部