【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#135】「早稲田メーヤウ

大学のすぐ近くにある飲食店は、その大学の学生はもちろん卒業生にとっても思い出の味であり、ソウルフードとして愛され、卒業してからもその味を求めてついつい食べに行くというのもよくあることですね。かく言う僕も大学在学時にカレーにハマった人間です。大学が神保町にあったのでソウルフード的なカレー店が沢山あり、今でも思い出すと色々なお店に食べに行くのですが、早稲田大学の卒業生にとって思い出の激辛カレーといえばそれはメーヤウということで異論は無いでしょう。

1997年に開店し、早大生のみならず激辛フード好きやカレー好きにも愛され、2017年まで人気店として営業を続けたものの後継者がいなかったという、いたしかたない理由で閉店してしまいました。メーヤウ自体はほかにも店舗があるのですが、早稲田のメーヤウはほかとはまた違う立ち位置の存在で、独自の愛され方をしていたということもあり、閉店後も復活を望む声が上がり続けていました。それに応えるようにしてキッチンカーでの営業や間借りカレー店として一日限定で復活をした時は、それぞれ長蛇の列ができたほどです。

そんな早稲田メーヤウが場所を西早稲田駅のすぐ近くに移して復活したのが2020年の春。元々早稲田メーヤウの常連だった方達が協力しあい、元店長さんの監修のもとにその味を復活させたのです。つまり、元ファンが後継者となって復活したという形。これはほかのカレー店でもしばしばあることですが、最も幸せな復活の形ではないかと個人的には考えています。何故ならそのカレーに愛と思い入れがある方が作っているから。愛も思い入れもあるからこそ正しく味を継承し、スタイルを継承できるのです。

商売だけが先行してはうまくいきません。気持ちが重要なのです。めでたく復活したのは良かったのですがその時期がコロナ禍とぶつかってしまい、現在はテイクアウトとデリバリーのみ、キャッシュレスでの営業となっています。開店当初は支払いの方法も限られていたのですが、最近になって支払い方法も増えてきたということで行ってきました。久々の早稲田メーヤウ。

メニューは「チキンカリー」1,000円と「ポークカリー」1,200円のみ。最近では時折限定メニューとしてほかのカレーが出る日もあるようですが、レギュラーメニューとしてはこの2本立てとなります。看板メニューはチキンなのですが、僕はここのポークが昔から大好きなんです。久しぶりの早稲田メーヤウでしたから、思い入れのあるポークカリーを注文。ちなみに支払いはSuicaで精算しました。

「ポークカリー」

鼻腔をくすぐるスパイシーな香りをかげば、早稲田駅前の2階にあった当時のお店の雰囲気も一緒に脳裏に蘇ってきます。カレーの中には大きくカットされ、よく煮込まれた角切りの豚肉が2つ、ごろごろと入っています。じゃがいもとゆで卵もついており、シンプルながらも満足度が高い具材感。

一口食べてみればしっかりした辛さ。最近は辛いカレーのお店もかなり増えたので、現代においては激辛とまではいかないかもしれませんが、20年前は確かに激辛でした。舌に痺れを感じるくらいの辛さ。だからこそ引き立つ豚肉の甘味とうま味。ご飯との相性が抜群に良いです。おいしい! 辛い! おいしい! 夢中になってかきこみ、一瞬で平らげてしまいました。食べるのは一瞬でも、食べ終わった後も余韻の残る辛さであり、印象に残る味なので幸せな気持ちに浸れる時間は長いです。

僕は早大生だったわけではないので足繁く通ったというほどではないのですが、早稲田の隣駅である高田馬場に縁があるので、ここの味を思い出すと時折足を延ばして食べに行ったお店です。そんな僕でも郷愁にかられる味なのですから、大学時代にこちらに通った方にはたまらないと思います。当時の味を知る人には懐かしく、知らない人にとっても個性ある味で時代を問わないおいしさのカレーだと言えるでしょう。

名店の復活。喜ばしいことです。新たな地でまた多くの方に愛されていくことを願ってやみません。

※価格はすべて税込

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は、感染症対策の実施と人混みの多い場所は避けるなど、十分にご留意ください。

※本記事は取材日(2020年10月17日)時点の情報をもとに作成しています。

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/