神田のオフィス街に現れた、老若男女が夢中の餃子店

“ちょっとした非日常感”を醸し出す、ピンク色の「餃子」のネオンサイン

神田、小川町、淡路町……、周りを見渡せばオフィスビルが立ち並ぶこのエリアに、突如現れた原宿にあるようなパステルカラーの建物。若者向けの店に違いないと思ったら、意外にも近隣の会社員、はたまた年配のご夫婦も訪れ、店はいつも賑わっています。こんなにも老若男女を夢中にさせる理由はいったい何でしょうか? 興味津々で入ってみることにしました。

扉を開けると広がる“トーキョーギョーザクラブワールド”にテンションMAX

ひときわ目立つパステルピンク×パステルグリーンの外観

神田小川町のオフィス街に女性ウケ間違いなしの店ができました。入り口には「餃子」と書かれたピンクのネオンサイン、軒には「好吃(ハオツー)」と言いながらビールを片手に餃子を食べるおじさんのイラスト。さぞかし若者人気の店かと思いきや、どうやら近隣の会社員も扉を開けて中に入って行くではないですか。これは見た目が可愛いだけのチャラい店ではなく、おいしくて楽しい“当たりの店”なのでは?

内装もパステルピンクとパステルグリーンが基調

中に入ってみれば、思わず「素敵!」と叫んでしまいたくなるほど可愛くてお洒落な空間に、ワクワクが止まりません。ところどころペンキがはげたカウンター、スナックにあるような電飾看板、壁に貼ったメニューやフォントをわざとバラバラにしたポスターなど、“作り込まない”感じは本場の飲茶店さながら。そのほとんどがスタッフの手作りだというからさらに驚きます。

スタッフのDIYで完成させた内装

レトロな雰囲気の反面、支払いは完全キャッシュレス。この過去と現代が共存したような世界観にテンションは上がりっぱなし!

こうなると次に気になるのは当然、料理ですね。では早速ご紹介しましょう。

おいしいだけじゃない。見た目も可愛らしい料理の数々

ひと皿280円から! 驚愕コスパの絶品メニュー

写真の手前が「よだれ水餃子」3個380円、奥が「翡翠えび餃子」3個380円

メニューは「水餃子」「餃子」「米飯・麺」「副菜」「点心」「甜品」に分けられ、よだれ鷄のタレをかけた「よだれ水餃子」、ほうれん草を練りこんだグリーンの皮が“映え”な「翡翠えび餃子」、豚の角煮をふかふかの中華パンに挟んだ「トンポーロー」など、どれもそそられるものばかり。何と言っても「トーキョーギョーザクラブセット」以外はひと皿280円〜600円で、おおよそ平均380円というコスパにびっくりです。

一見さんもおひとり様も、まずは「TGCセット」から注文を

おひとり様なら「トーキョーギョーザクラブセット」980円がオススメ!

「トーキョーギョーザクラブセット」略して「TGCセット」とは、こちらの一番人気の餃子と小籠包を一緒に盛ったスペシャルメニュー(写真上)。焼き餃子2個と焼き小籠包1個、生姜醬で和えたもやしのジンジャーナムル、さらにお好きなドリンクが1杯付いて980円とは、なんてお得感満載なのでしょうか。初めての人、おひとり様には特にオススメです。

噛めば肉汁があふれ出すのでご注意を!

特筆すべきはオフィス街で女性も多いからと、餃子にニンニクは使っていないこと。だから、生姜の風味と野菜の甘みがむしろしっかりと感じられ、肉汁たっぷりの餃子餡は誰からも好かれる味わいに仕上がっています。また、餃子を焼く油はオリーブオイルを使用。これなら体に優しく、においも気にせず好きなだけ食べられます。

〆の焼きそばもハズせない!

「上海焼きそば」480円

そして、〆には海鮮だしでさっぱりとした「上海焼きそば」を。もやしと水菜と赤ねぎのシャキシャキ感もさることながら、エシャロットチップスの食感がたまらないのです! 屋台の焼きそばを彷彿とさせ、味の決め手は生姜と花椒。これは間違いなくヤミツキになります。

店のキャラクター「好吃(ハオツー)おじさん」はいたるところにいます

テーブルには「辣油」「醤油」「酢」の他にタイのチリソース「シラチャー」が置いてあります。アメリカで話題という「シラチャー」はクセがない辛さで、どんな料理でも相性抜群! どうやら上海焼きそばにたっぷりかけるのが常連さんの中で流行りだとか。最初はマイルドに感じますが、本格的な辛さが後からジワジワとやってきますので、かけ過ぎにはご注意ください。

まだまだあります! 通いたくなる理由

どれにしようか迷っちゃうカラフルなお酒がずらり

左から「ガリサワー」380円、「クリームソーダハイ」480円、「バイスサワー」380円

この店にはもうひとつ、通いたくなるワケがあります。それはこのアイデアあふれるドリンクです。メニューに「クリームソーダハイ」なんて書かれていたら、つい頼んでみたくなるもの。目の前に置かれたドリンクは、どこから見てもクリームソーダですが、飲んでみるとほのかにアルコールを感じ、しかもめちゃくちゃおいしい!

桜色が魅力の「ガリサワー」は、本当に生姜の甘酢漬けが入っています。ビネガー好きなら絶対ハマってしまうでしょう。シソエキスが入った「バイスサワー」も、アルコールに弱い方に人気です。

左から「花椒レモンサワー」「上海ハイボール」「四川トマトサワー」各380円

こちらはアルコールに強い方向け。まずはトマトサワーに花椒が入った「四川トマトサワー」で喉を潤し、クラフトジンのようなフローラルさが特徴の「花椒レモンサワー」を数杯。ほろ酔い気分になったところで、最後に紹興酒をソーダ割りにした「上海ハイボール」でキメる。これが、お店オススメの流れだそう。

3名から貸切できる2階スペース

明るくて広々と使える2階の貸切スペース

実はこの店にはもうひとつの楽しみ方があります。それは2階の貸切スペース。料理は宴会コースのみとなっており、「よだれ鶏」や「肉味噌もやし」などの冷菜4種から始まり、「小籠包」「餃子」「焼売」が5種類、「上海焼きそば」に「杏仁豆腐」までのフルコースに飲み放題付きで2時間4,000円・3時間5,000円(ともに1人分の料金)。なんと3名から利用可能なのです。

棚に並ぶ自家製シロップも好みで配合できます

料理は順番に提供されますが、飲み物はセルフサービス。2階にしかないクラフトジンなど、置いてあるものはすべて自由に使えるので、オリジナルドリンクを開発してみるのも良いかも!

広々としたスペースはテーブルだけでなくソファもあり、まるでおうち感覚で楽しめます。

心が躍る“ちょっとした非日常感”が満載

老若男女問わず一年中食べたくなるもので、単一料理として魅力的な「餃子」。その「餃子」を主軸に、昔からある誰もが知る味に今っぽさをプラスした料理をワクワクする空間で食べたら、もっとおいしくなるはず。これがこの店のコンセプトである“ちょっとした非日常感”です。

おいしいだけじゃない、思わず写真を撮りたくなるドリンクや好奇心をかきたてる空間、ここには人々の心をつかむ楽しい仕掛けが待っています。

※価格はすべて税込

トーキョーギョーザクラブ
住所:東京都千代田区神田司町2-17-10 REALBBQ bldg 1F
TEL:080-6746-5882
営業時間:17:00〜22:00
定休日:日曜
食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13242393/

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は、感染症対策の実施と人混みの多い場所は避けるなど、十分にご留意ください。

※本記事は取材日(2020年3月25日)時点の情報をもとに作成しています。

写真:佐藤 潮
文:高橋綾子