【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#64・特別編】人気カレーイベント「THE CURRY UNIVERSE」レポート
ひとつの店舗を、異なる飲食店とシェアしてカレー店を営業する「間借りカレー」という言葉もすっかり一般層にまで定着しつつある昨今。先日、東西間借りカレーの人気店が一堂に会し、その味を食べ比べることが出来るというイベントが東京・馬喰横山にあるホステル「CITAN」で開催されました。
人気店が集結するとあって、開場前から長蛇の列が出来るほどの集客。最長では2時間以上待った方もいらしたようで、やはり今、カレーが本当に注目されているのだなと再確認しました。イベントはDJによる音楽の中でカレーを食べられるというもの。カレーの美味しさと音楽の心地良さの相乗効果で、お客さんも皆笑顔でした。
この日集まったお店は、東京の間借りカレーの古株といえる渋谷「ケニックカレー」、間借りカレーの聖地・新宿ゴールデン街での間借り営業で人気に火が付き、今は東新宿で実店舗営業中の間借りカレー卒業生「サンラサー」、高田馬場と高円寺で間借り営業をしている「Sho Curry」、そして大阪からは、メディアでも大人気の「堕天使かっきー」。
最後に、会場を提供した、言わば間貸し主である「CITAN」もイベント特製カレーを振る舞い、5つのカレーを食べ比べることができました。三者三様ならぬ、五者五様のカレーはどれも美味しく、カレーの進化と楽しさを感じさせるものばかり。
ケニックカレーは看板メニューの「ケニックキーマカレーと魯肉飯のあいがけ」1,000円。お店と変わらぬ美味しさに大満足です。
サンラサーは「バイマックルーキーマカレーと鯖キーマのあいがけプレート」1,200円。タイのハーブをインドのカレーと合わせるそのセンスと、確実に美味しくしあげる腕は流石です。
Sho curryは「マトンブナ(羊肉のカレー煮込み)」と、ケララ出身の若きインドシェフ・ヴィシュヌさん特製の「チキンカレー」各500円。こちらはそれぞれハーフサイズでいただきました。このイベントの中で、ナンで食べられるカレーはこのメニューのみ。オーセンティックな美味しさで見事な差別化ができていました。
CITANは「チャイニーズキーマカレー」(ハーフサイズ)500円。ここ数年で人気急上昇の中華系カレーです。花椒の痺れのみならず、トウチーによる深みも加わり、ナッツの食感も楽しく、他の名店に負けない美味しさでした。CITANは普段のメニューにもカレーがあるのですが、だからこそですね。
そして注目度の最も高かった堕天使かっきー。「鯛×鶏×豚のスパイストリプル清湯スープ」「本マグロとホタルイカのスパイス炊き込み飯」「苺スパイス酢味噌のぬた添え」がセットで800円。メニューからして意味が分かりません(笑)。しかもこれにトッピングで「飯がけスパイス漬け日本酒」100円がつけられるという。さらに意味不明ですよ(笑)。
食べてみても頭が混乱するんです。「なんだこれ?」と思いながらも、食べ進めていくと「よく分からないけどとても美味しい!」という結論に達する摩訶不思議な料理。カレーなのかカレーじゃないのかも分からないのですが、日本酒をかけてみると不思議とカレー感が強まり、食べ終わった後の口中は美味しいカレーを食べたんだという満足感に浸れるものになっていて、堕天使かっきーの天才的な変態(褒め言葉)ぶりを東京のカレーマニアに見せつける結果となりました。
また、イベントでは僕と、カレー大好きで知られる人気モデル村田倫子さんによるカレートークも行われ、若い世代のお客さんも集まってくれて、次世代のカレーを支えて行くであろうカレーマニア、カレーファンが着実に増えていることも実感しました。
このようなイベント、大阪では多数あるのですが東京ではまだまだ少ないです。しかし、今回の大成功も踏まえて、これから徐々に増えて行くと確信しています。カレーは音楽やファッションなど、他のカルチャーとの親和性が非常に高い食べ物です。だからこそ、もっともっと面白くなっていく可能性を秘めています。
他文化との融合ははからず、イベントにも出ないで求道的に己の味を突き詰めていくような名店も存在します。同時に、柔軟な発想とフットワークの軽さでカレーの新しい楽しみ方を提示していくお店も少しずつ増えてきており、そのどちらもカレーの世界には必要不可欠だと思います。
カレーは元々、自由度の高い食べ物です。様々な楽しみ方があってしかるべきもの。カレーがさらに楽しい文化となっていきますように!
※価格はすべてイベント限定&税込