〈2025 食通が惚れた店〉

前年に引き続きインバウンド需要は高まりましたが、飲食業界も物価高騰の波に押され、それでも負けずに踏ん張った大荒れの1年でした。

そんな2025年に、グルメ情報を熟知した有識者が惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「3,000円以下のお手軽グルメ」「おすすめのお取り寄せ」をうかがいました。

今回は、年間100店以上の焼肉店に通う焼肉作家、小関尚紀さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

小関尚紀
焼肉作家。通称:YAKINIQ。お肉博士1級。MBA(経営学修士)。焼肉店には年間100店舗以上通い、焼き方を研究している。海外渡航60カ国。 焼肉好き伝説の番組 BS朝日『美女と焼肉』(2022年3月終了)の初期レギュラー。著書に『焼肉の達人』(ダイヤモンド社)、『世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書』(KADOKAWA)、『「即判断」する人は、なぜ成功するのか?』(サンマーク出版)。新著に『大人の「牛肉」教養』(三笠書房)がある。

2025年のベスト焼肉

Q. 2025年、最も印象に残った店と料理を教えてください

A. 「焼肉ホルモン 亀萬」の「刺し盛合せ」「亀萬ミックスホルモン」です

マッシュグルメ
「刺し盛合わせ(牛ハツ・ガツ・コブクロ)」968円   出典:マッシュグルメさん

たまプラーザの奇跡と言われた「炭火焼肉ホルモン うらら」の姉妹店で、2023年7月オープンの大衆焼肉店。「ホルモン焼」とだけ書かれた暖簾をくぐると、きれいな内装ながらノスタルジックな雰囲気です。
とにかくおすすめしたいのは内臓メニュー。王道のスター部位、特選タン、特選ハラミももちろん食べてほしいのですが、コスパを実感できるのは「刺し盛合せ」と「亀萬ミックスホルモン」。
「刺し盛合せ」は、鮮度を主張するかのように艶やかで色鮮やか。牛ハツは断然、辛子醤油で、ガツとコブクロは醤油にニンニクとしょうが、ネギで食べてほしいです。

tsukalog31
「亀萬ミックスホルモン 塩」大1,958円   出典:tsukalog31さん

「亀萬ミックスホルモン(塩・味噌)」大 3〜4人前は、仕入れ状況によりますが牛小腸、ツラミ、タン下、上ミノ、牛ハツ、豚タン、豚ハツ、テッポウ、豚レバー、カシラなどが入っています。塩なら酒をあおり、味噌なら白飯を無限に掻き込みたい衝動に駆られます!
お財布に優しいコスパ高の良店で、気軽に行きたい、こんな焼肉店が近所にあれば通いたいなという思いを体現した、リピート必至の焼肉店。

Vagrant
焼肉ホルモン 亀萬   出典:Vagrantさん

2年で「食べログ 焼肉 EAST 百名店」にのぼりつめ、川崎ナンバーワンの焼肉店になった「炭火焼肉ホルモンさわいし」のポスト店は「焼肉ホルモン 亀萬」かも!?

アンダー3,000円のお手軽グルメ

Q. 2025年に食べた〈3,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「焼肉KAJIYA」の「自家製バンズの炭火焼ハンバーガー」1,680円です

「自家製バンズの炭火焼ハンバーガー」※要予約 撮影:ジェイムス・オザワ

「梶屋牛」は、鹿児島県の種子島で梶屋拓朗さんが生産する個人名ブランド牛。ミネラルを豊富に含んだサトウキビと牧草、天然飼料、そして名人・尾崎宗春さんの指導で経産牛を再肥育した牛です。
バーガーのハンバーグに適するよう、梶屋牛の赤身と脂を独自配合し、店内で挽き肉にするこだわりよう。炭火で焼き上げたハンバーグ、バターマスタードを塗ったほんのり甘みを感じる自家製バンズ、チェダーチーズ、サラダ菜を挟んで完成。シンプルですが、ほぼ肉を食べていると言っても過言ではありません。
ランチではハンバーガー、フライドポテト、グリーンサラダ、自家製ピクルス、スープのセットで提供されています。ハンバーガーの肉は160g。足を運ぶ価値のある肉肉しいボリューム満点のランチメニューです。

2025年のお取り寄せ

Q. 2025年に出会った、人におすすめしたいお取り寄せを教えてください

A. 「牛匠 上田」の「但馬玄/但馬牛 ローストビーフ(200g)、特製タレ付き」です

「但馬玄/但馬牛 ローストビーフ(200g)」3,456円(別途送料) 写真:お店から

肉好きフーディー憧れの銘柄牛「但馬玄」。比較的手頃に味わえるのが、このローストビーフです。
但馬玄は、不飽和脂肪酸や一般的には含まれないと言われるオメガ3脂肪酸を含んでいて、凝縮されたお肉のうまみはもちろんのこと、サラサラした上質な脂は、口に含んだ瞬間にとろけるマグロのようで、融点が非常に低いということで有名です。さらに、うまみの指標であるアミノ酸の中のグルタミン数値が高く、甘みの主な特徴となるアラニンの数値も高い! 数値的にも裏付けされたうまみと甘みを凝縮した但馬玄のモモ肉(赤身)のローストビーフは、実際おいしかったです。
但馬玄のローストビーフを食べる時には白飯にも登場していただきましょう。多めに盛った白飯に2~3mmにカットしたローストビーフを放射状に並べ、特製ダレ(無添加の醤油ベース)を投入し、わさび(別途購入)をのせます。ローストビーフ丼にして豪快に食べてこそ味わい方の本領発揮です。おせちに飽きたら、但馬玄のローストビーフ丼で!

購入方法:オンラインショップにて

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込です。
※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

文:小関尚紀、食べログマガジン編集部