〈New Open News〉
毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!
銀座 炎 田むら(東京・東銀座)

2025年8月、東銀座駅から徒歩3分の場所に、日本料理店「銀座 炎 田むら」が誕生しました。テーマは「薪×炭×ゆらぎ」。伝統的な技法と現代的な感性を融合させた、唯一無二の日本料理を味わえます。手がけるのは、これまで「グランド ハイアット 東京」「コンラッド東京」、さらにアマンリゾーツ「アマネム」で総料理長を務めた稲葉正信氏。「アマネム」で提供した朝食は、海外メディアで「世界最高のホテル朝食」の一つにも選ばれた実績があります。「銀座 稲葉」「麻布台 粋 稲葉」に続く、待望の3店舗目がこの「銀座 炎 田むら」です。

同店で腕を振るうのは、これまで稲葉氏の右腕として活躍してきた田村勝宏氏。「コンラッド東京」で和食統括料理長、「JANU東京」で副総料理長を歴任した実力派で、豊富な経験と磨かれた技術を活かし、枠にとらわれない独創的な和食体験を創り上げます。

店内は黒を基調とした落ち着きのある空間。カウンター8席の中央には炎が揺らめく薪釜が据えられ、薪や炭の香りが立ち込めます。目で炎を眺め、耳で木がはぜる音を聞き、香りを感じながら、まさに五感で味わう食事が楽しめます。さらに、6名用と2名用の個室も完備しており、静かで優美な時間が流れる設計で、記念日や接待など大切なひとときにも最適です。

土・日・祝日のみ提供されるランチコースは9,700円と14,900円の2種類。メインは肉か魚を選べます。お造りやすり流し、天ぷらなど、旬を盛り込んだ八寸は、一皿ごとに趣向を凝らした小皿に並び、目にも鮮やかで多彩な味わいを堪能できます。

ディナーは31,500円のコースを用意。和食の基本を大切にしつつ、薪や炭を巧みに取り入れた田村氏ならではの料理が並びます。「お凌ぎ」として提供されるスペシャリテ「鮪 薪の香り」は、漬けにした中トロを薪火で炙った握り。口に含むと薪の香りが広がり、鮪の旨みが噛むほどにあふれ、薄切りのいぶりがっこが絶妙なアクセントを添えます。

続く「お造り」は酒盗の卵黄ソースや昆布ダレなどで多彩な味の変化を楽しませ、「御椀」では出汁の深い旨みを堪能。さらに、ガラスの蓋に炭の香りを閉じ込めた「焼物」は、蓋を開けた瞬間に煙とともに立ち上る香ばしさに心を奪われます。厳選された旬魚の甘みと食感を際立たせた逸品です。

特に印象的なのが「ヒレ肉の枝焼き」。柿の木の枝に刺したヒレ肉を薪火で炙り、塩を振って手渡しされるスタイルは、まるでバーベキューのマシュマロ焼きを大人仕様にアレンジしたよう。遊び心にあふれた演出の中にも、繊細な火入れの技が光り、肉本来の旨みを存分に引き出しています。

メインの「黒毛和牛サーロイン」は、薪で火入れしたすき焼き仕立て。甘みのある自家製ブリオッシュやトリュフ入りスクランブルエッグ、野菜のソテーとともに楽しめます。そのままでも、好みの具材をブリオッシュにのせてオープンサンド風にしても、複層的な旨みを味わえます。

〆は艶やかな「雪椿釜炊き御飯」。おばんざい2種、香の物、御椀が添えられます。おばんざいは季節ごとに替わり、鮮魚の胡麻醤油和えや鰻の蒲焼、牛タンシチューなどが登場。大徳寺納豆を用いた牛タンシチューは、バターや赤ワインを使わず軽やかに仕上げ、野菜の甘みと牛タンの旨みが際立ちます。ご飯との相性も抜群で、最後まで箸が止まりません。

食後の甘味には、残暑の時期にふさわしいかき氷を提供。目の前で氷が削られていく様子を眺めながら、マンゴーマスカルポーネ、宇治抹茶、かぼすヨーグルトなどから選べます。ふんわりと削られた氷に上品な甘みが広がり、食後の余韻を優しく締めくくります。
五感を揺さぶる食体験を楽しめる「銀座 炎 田むら」。記憶に残るひとときを過ごせる、特別な日に訪れたい注目の新店です。
食べログレビュアーのコメント

『とっても穏やかで居心地抜群でした。
カウンター前にある囲炉裏で炎の揺らぎを感じながら食事が楽しめます。
ディナーコースは31,500円。お値段以上にとっても満足度が高かったです。
まずは先附二種からさすがの満足度。
「手毬毛蟹酢」は丸っとした毛蟹の身を贅沢にも一口で。これ最高のスタート。次の「雲丹と馬鈴薯饅頭」も濃厚贅沢。
お凌ぎでは薪で炙られた中トロの鮪握りにいぶりがっこを添えた一品が登場。これもとってもおいしい。香ばしさと脂の甘み、いぶりがっこのアクセントが絶妙。
御椀には葛打ち鱧を使用。出汁の深みとふわふわ食感の鱧、冬瓜の具合が優雅で滋味深く、身体に染み入る一椀。これでお酒飲めます。
焼物の鰻たれ焼きは、薄くパリッとした皮と驚くほど柔らかい身が特長。万願寺唐辛子や茗荷甘酢漬けなどの組み合わせも印象的。
中皿は新潟産“焼きなす”という名前の茄子を薪でじっくり焼いた逸品。とろける旨味と香ばしさが抜群でおいしすぎました。
強肴には黒毛和牛サーロインすき焼き仕立て。ヒレ肉の炭焼きも出され、さらにトリュフ香るスクランブルエッグや自家製ブリオッシュと共に楽しむ贅沢な構成。ブリオッシュも含めて料理のレパートリーが多くて作るの大変そうですが、高い完成度なのはすごい。
食事として提供される「雪椿釜炊きご飯」は、新潟のコシヒカリ最高峰。「鮪・鯛・烏賊の胡麻醤油和え」と「牛タン大徳寺煮」のおばんざい2種と共に提供され、香の物や留椀も含めて最後まで手抜きなし。
甘味は、かぼすヨーグルトかき氷とマンゴー・シャインマスカットの水菓子。特にかき氷は厨房で自ら削るパフォーマンス付きで、爽やかかつ印象的に締めくくられました。
田村氏の技術と演出力、薪焼きに対するこだわりが一皿一皿に宿る極上コースでした』(lilly_りりぃさん)

『この日いただきましたのは、税込31,500円のおまかせコースで、その内容は、
①先附 手鞠毛蟹酢
1口サイズの手毬は毛蟹の身たっぷり、蟹味噌のムースと生姜酢との織り成す味わいに口福に満たされるのでした
②先附 雲丹と馬鈴薯饅頭
薪で炙った佐賀県産のサン海苔で馬鈴薯饅頭、雲丹を巻いていただきますと、香りと味わいとを楽しませていただきました
③お凌ぎ 鮪 薪の香り
続いては薪で炙った鮪の漬けの握りに、いぶりがっこをのせて供されました。口中から鼻腔へと抜けていく香しさ、とろけるような鮪、いぶりがっこもよいアクセントとなった、いつまでも飲み込みたくない美味しさでございました
④お造り 炙り伊佐木サラダ仕立て 炭の香り
仕上げに炭をあてて、そのまま蓋をして瞬間燻製のように仕立てて供されました
その蓋をあけますと香しさが広がりました
美しい伊佐木の下には紫玉葱や万能葱、酢橘のサラダが敷かれ、オリーブオイルが合わせて供されました。とてもさっばりと美味しく、夏バテ気味の身体に嬉しい1皿でございました
⑤御椀 葛打ち鱧
田村大将の見事な鱧の骨切りを拝見した後、梅肉をのせ、冬瓜と合わせて鰹昆布に鮪節も加えた出汁で満たされた御椀となって供されました
やさしい味わいの中に力強さも感じる出汁は、五臓六腑にしみいりました
鱧はフワフワ、冬瓜はほどよい噛みごたえで出汁がよくしみていて、海と大地の旨味のハーモニーを堪能させていただきました
ここで田村 生酛 純米をいただきました。
⑥焼物 太刀魚塩焼き
薪でじっくりと焼かれた千葉県産の太刀魚、そめおろし、万願寺唐辛子の焼き浸し、茗荷の甘酢漬けと合わせて供されました。太刀魚はフワフワ、とけてしまうよううな驚きの焼き上がり、なんて美味しいのでしょう
万願寺も美味しく、茗荷は瓶詰にして販売していただきたい美味しさでございました
⑦中皿 焼茄子
こちらも薪で遠火と、終盤は近火で焼き上げられて供されました。
鰹節の風味とともに、口中でトロっととろけるような茄子の旨味を楽しませていただきました
⑧強肴 黒毛和牛サーロインすき焼き仕立て
肉は本来はサーロインだけのはずが、まず木の枝に刺して薪で焼かれたヒレ肉がサーブされました
その原始時代のような、そのいただき方に己の消え去った野性味を覚醒させられたよう
そしてメインのお皿にもサーロインだけでなく、本来プラス料金なはずのヒレ肉の姿も確認、トリュフ入りのスクランブルエッグ、野菜の炒め、そしてこちらも驚かされた焼きたてのブリオッシュをさらに薪で仕上げたものが合わせて供されました
たしかな肉質、薪の遠火と近火による絶妙な火入れ、しっかりとした味付けというバックボーンのある、サーロインとヒレの食べ比べは、得も言われぬ美味しさを堪能させていただきました
スクランブルエッグはトリュフがたっぷりてで芳醇な香り、贅沢な味わいでございました。ミニトマトや玉葱、椎茸などの野菜も美味しくいただきました
最後はブリオッシュに野菜、スクランブルエッグ、そしてサーロインをのせての、控えめに言って、絶品の味わいを楽しませていただきました
ここで茨城県の月の井酒造店の親子よるお酒、有機米純米酒 和の月80生酛原酒と彦市 純米大吟醸を飲み比べさせていただきました。
⑨食事 雪椿釜炊き御飯 おばんざい二種 留椀、香の物
〆は魚沼産コシヒカリの最高級ブランド・雪椿の釜炊きご飯、なんてツヤツヤで美しいのでしょう
合わせるおばんざい、まずは鮪と鯛、烏賊、いくらの胡麻醤油和え、こちらはピーナッツバターも隠し味に濃厚でご飯にのせると、絵になり、そして得も言われぬ口福を与えてくれるのでした
さらにSTAUBで仕上げられました、牛タンの大徳寺煮が供され、テンションが上がりました。ビーフシチューのような風貌、その味わいはしっかりと和テイスト、濃厚でご飯泥棒の美味しさでございました
胡瓜と大根の香の物、味噌汁もとても美味しくいただきました
⑩甘味 水菓子 かき氷
デザートは大将自ら、BLACK SWANで削ったかぼすヨーグルトかき氷と、マンゴーとシャインマスカット。フワフワの氷とかぼす散らしたヨーグルトのさっぱりとした味わい、別腹で楽しませていただきました。
マンゴーとシャインマスカットも糖度抜群、間違いのない美味しさでございました
ここで満寿泉 オーク樽熟成 基醸酒をいただきました』(自称独り者グルメさん)
※価格は税込。


