【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#15】「FISH」
失って初めて、大切なものや人の存在に気づく。そんなことありますよね。飲食店でも少なからずあります。いつでも行けると思っていたのに気づいた時には閉店していて、もっと行っておけば良かったと思うような。僕にとっては、かつて六本木一丁目にあった「FISH」がそうでした。
古くからの人気店でしたがマスターの「玉ねぎを炒めるのに疲れた」という、本格的なカレー作りをしたことのある人なら納得せざるを得ない理由で2017年6月に閉店。閉店直前にその知らせを知ったものの、多忙な時期だった為に行く時間を作ることができず、「あぁ、もう一度食べたかったなぁ」と、その偉大さに改めて気づかされて。
同じように思う方も沢山いたのでしょう。特に常連さんならその思いもひとしお。そんな常連さんの中から熱意ある人が「この味は終わらせるにしのびない。引き継がさせてください!」とマスターに頼み込み、1年の修行を経てマスターからも合格の太鼓判を押され、2018年6月に西武新宿駅近くにめでたくオープンとなった新生FISH。
この引き継ぎ方、非常に理想的な形だと思うんです。何しろ愛があります。熱意があります。子が親の味を受け継ぐ場合はともすると甘えが出てきてしまうこともありますが、元々の大ファンが受け継ぐのですから、妥協はありません。
ランチメニューの「白身魚&キーマカレーライス」1,350円(税込)
銀座の名店ニューキャッスルも同じような復活の仕方をしており、当時の味をしっかりと再現した上で、時代に合わせた独自性も出しているのですが、FISHもその形。僕が一番好きだった「白身魚&キーマカレーライス」は、フリッター状でサクっとした衣の中にフワっとした白身魚が、マイルドでありながらスパイシーなカレーと合わさる個性的な美味しさ。キーマのしっとりした舌ざわりはまさにFISHの味。
「Mix 野菜サブジ」580円(税抜)
時代に合わせて副菜ものり、スタイルは今風。それに加えてインドの軽食もメニューに加わり、「Mix 野菜サブジ」(野菜のスパイス炒め)や「牛肉のシークケバブ」などもおつまみに良い美味しさです。
「牛肉のシークケバブ」980円(税抜)
当時のファンはもちろん、かつてのFISHを知らない方も、要注目の新店ですよ!
取材・文:カレーおじさん \(^o^)/