〈New Open News〉
毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。
çayca(東京・代々木上原)
2024年10月、代々木上原駅から徒歩5分ほどの場所に、非日常感を楽しめるデザートレストラン「çayca(サイカ)」がオープンしました。オーナーシェフを務めるのは都内屈指のグランメゾンでシェフパティシエを歴任した栗原薫氏。栗原氏は辻調グループフランス校卒業後「ベージュ アラン・デュカス 東京」などに勤め、「シェ松尾・松濤レストラン」、大門で人気を博していた「レストラン クレッセント」ではシェフパティシエとして腕を振るってきました。アーティスト諏訪綾子氏が主宰するフードクリエイションにも参加し、感情やインスピレーションをデザートで表現。アート的な食のありかたにも関心を持ち、その新しい価値観を提案しています。
同店では静寂と品格に包まれた空間の中、茶道とアシェットデセールを融合した新しいスタイルで、忘れがたい特別なひとときを提供。和の美意識を感じる茶道体験と、エスプリが光るアシェットデセールの世界、その双方を一度に味わえます。
茶道の指導を担当するのは、茶道家でありパティシエでもある白井智子氏。母の影響で幼少期より茶道に触れ、フランスから帰国後に表千家で本格的に学び、表千家教授の資格を取得すると、その知識と経験を活かし茶道イベントを開催しています。
店内には阪急阪神東宝グループ創設者・小林一三氏の茶室を参考にしたという茶室があり、実際に点前を見ながら茶懐石のような流れで茶道の奥深さを感じることができます。また栗原氏がこれまで勤務してきた老舗フレンチレストランのイメージを再現するように、調度品やスツール、皿や食器の細部にまでクラシックなものをそろえ、洋館に来たかのような錯覚をする空間になっています。
メニューは、お抹茶 (小菓子付き)・デセール3皿・ミニャルディーズで構成される12,500円のコースのみ。これまでの和カフェとは一線を画し、茶道とデザートを一連の「茶事」として提供します。茶道の点前からデザートに繋がるひとつの流れを茶事として、格式のある茶道の形式美と、アシェットデセールの鮮やかな甘美さが紡ぐ心満たされる体験ができます。コースは、木・金曜は12時~と15時半〜の2回、土日曜は11時半~と14時半~、17時半~の3回開催。座席は8席で、完全予約制で各回2時間の入れ替え制。今月はクリスマス限定メニューで、江連農園の特別なイチゴを使用した「薔薇の香りのフレーズショコラ」が楽しめます。
同店でのひとときは、ただの「デザートタイム」ではなく、茶道教授が点てる茶道の点前、茶室のしつらえを纏った空間、そして都内屈指の老舗フレンチレストランのシェフパティシエを歴任したシェフが手がける至極のアシェットデセールが、ひとつの芸術品として組み合わさり、静かで贅沢な体験となるでしょう。深い美意識が宿る床の間、釜、茶道具のひとつひとつが、四季の移ろいと共に空間を彩り、日本の美と心を映し出します。
現在大人のための贅沢なクリスマスケーキ「ノエル・ブランルージュ」6,000円の予約も受け付け中。バラの香り豊かなシロップを使用したケーキは、一口ごとに華やかな香りが広がり、繊細なバラのクリスタリゼがケーキを優雅に飾ります。高品質で香り高い「とちあいか」の濃厚な甘みと絶妙な酸味が口いっぱいに広がる洗練された大人のケーキは、特別なクリスマスをさらに盛り上げてくれるでしょう。気になる方はお店のInstagramをチェックしてみてください。
日本の「茶」とフランスの「菓」の一期一会を体験できる「çayca」。食材の組み合わせから、空間、そこに流れる時間まで今までにない、特別なひとときを過ごしに足を運んでみてはいかがでしょう。