今食べるべき“うどん”が分かる『百名店』
日本人の心をつかんで離さないうどんには、全国津々浦々、麺や出汁に地域の特色があるため、「結局美味しいお店はどこ?」という疑問を抱くことも多いはず。
そこで、全国のうどん店の中で食べログユーザーから高い評価を集める100店を集結した、『うどん 百名店』を食べログから発表しました!
集まった100店はどんなお店なのか?という傾向を解き明かすべく、そのラインアップとトレンドをうどんライターの井上こんさんに解説していただきました。
井上こん(いのうえ こん) ライター。福岡県出身。食分野を中心に執筆。特にうどんに関しては年間500杯食べるうどん好きとして記事やコラムの執筆、テレビ出演も。ブログ『うどん手帖』(http://koninoue.com/)では全国各地で出会ったうどんを紹介。
『うどん 百名店』に見る、うどんトレンド。
日本に約2万4,000軒あるといわれるうどん店。自分好みのうどんはどこにあるのか。指標となる店を知れたなら――。『うどん 百名店』では、全国の人気うどん店100軒が登場。本記事では、選出された100軒の傾向や最新トレンドを分かりやすく紹介します。
手造りうどん 楽々/出典:毎日外食グルメ豚さん
まず、注目すべきは食べログ4.15点(2017年7月25日時点)という高い点数を付けている大阪の『手造りうどん 楽々』。お店があるのは奈良県との県境付近で、大阪駅から最寄り駅までは45分弱と決してアクセスが良いとはいえない場所ながら、並ばずしては入店できないほど人気。弾むようなコシと伸びやかさを併せ持った麺を一度食べれば、食べログうどんジャンルで長年高得点をマークし続けているのも納得です。
谷川米穀店/出典:みつごとうさん
うどんの「百名店」全体に見られる特徴として印象的だったのは、全体の3割を香川勢が占めていること。もちろんある程度予想していましたが、『谷川米穀店』『長田in香の香』『讃岐うどん がもう』など、有名すぎるお店が名を連ねているのを見ると、「さすがうどん県!」と頭が下がります。
要因としては、うどんそのものの魅力はもちろん、讃岐うどんブームが巻き起こってから現在までにうどんタクシーやうどんバスなどうどんを目的とした交通手段が増え、県外から訪れた人が「本場に来たならば」と1日に数軒回るようになったことも考えられます。
うどん丸香/出典:Mハルさん
東京から選出された20軒のうち10軒の讃岐うどん店(『うどん丸香』『讃岐うどん あ季』『讃岐うどん 蔵之介』など)が入っているのも、東京での讃岐うどん人気を証明するのに十分な数字でしょう。
釜喜利うどん/出典:ココガイイカモさん
また、個人的にはうどん発祥の地とされる福岡から、現地でも指折りの人気店としてトレンドを生み出している『釜喜利うどん』や『侍.うどん』が選出されたことに大きな意味があると考えます。
福岡といえば、元来麺がやわらかくスメ(出汁)が透き通った博多うどんがソウルフードとされてきましたが、実はその一方で近年台頭しているのが、白湯スープやスパイスカレーなど気鋭のアレンジと独自の麺でうどんの未来を切り開くニューウェーブ系。
従来のイメージにとらわれないフリースタイルで福岡のうどん文化を底上げする新興店の躍進に期待せずにはいられません。今回選出された2軒を知ることは、福岡うどんの今を知ることでもあると言っても過言ではないでしょう。
全国のうどんの名店を集結させた『うどん 百名店』。うどん好きの貴方にとって、1軒知るごとにうどんとの距離が1歩近づく、そんなガイドページのような存在になってくれるはず。
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