ファッション誌『mer』や『mina』などで活躍するモデルでありながら、豪快な飲み方がなんとも男らしい! お酒好きを公言するモデル・村田倫子が、気になる飲み屋をパトロールする連載。

 

「同世代の人にもっと外食、外飲みを楽しんで欲しい!」と願いを込めてお送りする連載16回目は、「串打ちジビエと鰻串 新宿寅箱」をパトロールします。

呑み屋パトロール vol.16「日本酒とジビエと鰻にご満悦の夜の巻」

 

串打ち・ジビエ・鰻。私の大好きな三拍子が揃うお店、「串打ちジビエと鰻串 新宿寅箱」。しかも、ハードルが高い印象のある、鰻やジビエをお財布に優しい値段で楽しめる……ときたら三拍子どころか四拍子。拍手を送りたい!

 

 

店内は、キッチンを囲むスタイリッシュなカウンター、その奥にテーブル席が2つ、さらに隠れ家のような小上がりのミニ和室があります。古家の引き戸、茶箪笥など、味のあるインテリアが点在していて、老舗旅館のような落ち着いた空間が広がっています。

 

まずはさっそく日本酒で乾杯。こちらには、店主選りすぐりの日本酒があるという噂……。新たな出逢いを増やしたい私は、「日本酒呑み比べ3種」980円をオーダー。日本酒は、680円から1580円まで、値段ごとにラインアップも変わるそうです。

 

「フルーティーで華やかなものを」と、味の好みや好きな銘柄をリクエスト。すると、「なるほどね、ではこちらはどうかな?」と、オーナーが運んできたのは、村田のための呑み比べセット達。

 

日本酒呑み比べ3種

どの子たちも新しい顔ぶれで、第一印象からときめく私。中野にある「味ノマチダヤ」から仕入れたなかなかレアな銘柄、青森の「モヒカン娘」、我が地元・千葉県の「福祝」、ビートルズが流れる酒蔵から生まれたお洒落なお酒「ボーミッシェル」。

 

どの子も私好みなツボを押さえつつ、違う表情を見せてきます。とても呑みやすいのにそれぞれ個性的なタイプだったので、好きな銘柄リストにすかさずメモ。オーナー自身が、日本酒やワインを愛してやまない生粋のお酒好き。自らの足で気になる銘柄を仕入れてるため、店を訪れる私たちには新鮮な出逢いがあります。

 

 

乾杯からご満悦です。個人的な次なるときめきポイントは、お通しがないこと! あのシステム……なかなか苦手な方も多いのでは?(苦手な食べ物がお通しだと、あぁ……となりますよね)

 

その代わり、店内には「セルフでおばんざい」というコーナが設けられていて、食べたい人は好きな惣菜を存分に盛り放題という太っ腹システム!

 

 

私は「三種盛り」950円で、あさり切り干し、キムチマリネ、ニラ玉をどーんと欲張り盛りしました。

 

なかなかの迫力……。

さて、本日の主役たちが焼きあがるのを待つ間、日本酒のお供におすすめの「酒の肴 三種盛り」660円を。クラッカーにのせていただくもろみブルーチーズ、おつまみ豆、すじこの西京漬け。これだけで、永遠に呑んでいられるお味。ずるいです。

 

酒の肴 三種盛り

季節のメニューも、たくさん用意されています。オーナーのおすすめ「ハモマスカルポーネ」700円は、こうきたか……参りましたと唸ってしまう組み合わせ。

 

ハモマスカルポーネ

新鮮で、身はフワフワのハモに、幸せな旨味を引き寄せるチーズ、酢味噌のタレが絶妙に合わさって、噛みしめる度に好きが募ります。おいしい肴に、日本酒もなくなりそう……。

 

お次は、「新宿寅箱」名物のセルフ酒販売機で、お得にお酒を呑むべし! 店員さんに一声かけてから、100円を握りしめ、いざセルフコーナーへ。

 

 

まずは、冷蔵庫からジョッキと割り材を選びます。(ハイサワー、ジュース、お茶類と充実のラインアップで迷います……)

 

 

そして、氷を入れ、100円を投入してボタンをプッシュ〜! そこに割り材を足して、あっという間にマイサワー! ウイスキーボタンもあるので、ハイボールも呑めちゃいます。このセルフ酒販売機を使うと、通常メニューから頼むより50円安く、なんと380円で楽しむことができるので、これはお得すぎるし、なにより楽しい!

 

お店の粋な計らいに、きゃっきゃしていると……やってきましたよ、お待ちかねの焼き串たち! まずは、お目当ての「うな串の皿」850円。

 

うな串の皿

写真左から、皮、エリ、肝の三部位。自慢の鰻は、内臓を傷つけないように捕獲され、産地から新鮮な状態で仕入れたもの。そのため、蒸さずに生の状態から焼かれた身は、“外はカリカリ、身はふっくら”です。

 

 

旨味がぎゅぎゅっと詰まって、お口の中は幸せの大渋滞。それがこのお値段で……オーナーには頭が下がります。

 

猪ニラレバ串

お次は、「猪ニラレバ串 二本」750円。大好きな部位をジビエにて。舌を喜ばせる、ふくよかでありながらシャープな旨味。ふんだんにのったニラの食感と風味が芳ばしい。あぁ、この感じはジビエだからこその魅力。串なのに満足度が高い肉々しさには、お酒を運ぶ手も捗ります。

 

自家製うなぎ焼きちくわ

この照り輝くビッグな棒状の料理は、「自家製うなぎ焼きちくわ」550円。私の顔ぐらいありますね……。

 

 

外はカリッと、中は噛むともっちり弾ける鰻入りの贅沢なすり身。そこに蒲焼き風味のタレが絡まって……たまりません。

 

素材の美味しさを、様々な角度から引き出すマネージメント手腕。立ち寄る人を楽しませるおもてなしの心溢れる仕掛けに、胃袋もハートもぎゅっと掴まれました。なんだかジビエの新しい顔を知ることができた気がして、ドキッとした今宵のパトロール。今夜もご馳走さまでした。

文:村田倫子